畠中恵


review

しゃばけ



前評判の良さから、かなり期待して読んだこの本。
顔がニヤニヤするのを抑えられず、かなりアヤシイ状態で読んでいました。
本当にかわいい。
日本の時代物って興味が無いんだけど、これはビジュアルが頭に浮かぶほど、しっかりと江戸情緒が書き込まれていて、どんどん引き込まれていく。
ただ、デビュー作だからかな?地の文章があまりうまくないな、なんて思ったり。
でもそんなことも大して気にならないくらい、魅力的なキャラクターたち。
続編「ぬしさまへ」も早く文庫化されないかな。

ぬしさまへ



前作より格段によくないですか、これ?
短編なのがよかったのか。
可愛さがパワーアップしていて、悶絶しながら読んでおりました。
鳴家、うちにも欲しいな…。

ねこのばば




相変わらずのあやかしたちに相変わらず甘やかされている若旦那ですが、悩みつつ寝込みつつも少しずつ成長していっている様子が伺えます。
表題作「ねこのばば」に登場した寛朝さんは、今後もいいスパイスになりそう。
最後の「たまやたまや」は、人間模様が入り組みすぎていて分かりづらかったです。
(2006.11.29)


おまけのこ




2008年は、しゃばけシリーズで年が明けました。
(元旦から、これを読む私)
表題作の鳴家が可愛くて堪らん。
「きゅわわわぁーっ」て鳴き方も、一人称が「我」ってちょっと偉そうなところもツボ。
長崎屋には何匹の鳴家がいるのだろう?
一匹欲しい。
でも、ぎしぎし煩いと、下の階の人から苦情がくるかも…。
(2008.01.01)

うそうそ



1巻以来の長編。 2巻以降でぐっと面白くなったと感じる私は、今回の長編を読んでも「しゃばけは短編向き」という思いは変わらず。
温泉に湯治に行った筈なのに、一緒に行く筈の手代たちとはぐれたり、人さらいにあったり、寝込んだり、と散々な若だんな。
厄災の原因は、自分の不満を八つ当たりで若だんなにぶつける山神の娘。
この八つ当たりがあまりにも理不尽で(八つ当たりなんてそんなものですが)、お比女に「こいつムカつく」の烙印。
佐助と仁吉が若だんなの側にいない、というのも大きな違和感。
いつもの妖の面々も留守番だし、どうにもしっくりこないお話でした。
短編集である次巻に期待。
(2008.11.24)