パトリック・レドモンド Patrick Redomond


review

復讐の子



ボーイ・ミーツ・ガールまでは引き込まれるように読み、じわじわと迫ってくる狂気にぞくぞくしましたが、後半は失速気味。
ロニーがスージーに惹かれるのが唐突過ぎて。
チャールズの存在と幼い頃からの友人達が救いだけれど、二人の母親が痛過ぎる。
特にスージーのお母さん。
スージーが強い子だから、強く在ろうと振舞える子だからいいようなものの、いくらなんでもあんまりだ。
彼女の強さに頼ったような終わり方は、正直あまり納得がいかない。
内容が「ドメスティック・サスペンス」なので爽やかな読後とは言えないけれど、訳文に癖がないお陰か読みやすかった。
同じ作者の「霊応ゲーム」も気になるところ。
早く文庫化されないかしら。(2007/06/07)