佐藤亜紀


review

1809―ナポレオン暗殺



途中、指の怪我などで長らく中断してしまいましたが、ようやく読み終えました。
指の怪我.....。
作中でも指を痛めつけられるシーンがあって、なんてタイムリーなんだ、と読んでいて思わず苦笑。
「ヴァイオリンを弾くのを諦めるか、手紙を書くのを諦めるかだな」は名言です。
そんなことをサラリと言ってのける公爵が魅力的。
主人公の大尉が美男子というのも高ポイント。
お話の方もスリルに満ちた極上の逸品。
ごちそうさまでした。 (2005.03.30)

モンティニーの狼男爵



恋愛小説といえば、この上なく純愛なんだけど、甘くなく。
ファンタジーであることは間違いないんだけど、魔法も剣もなく地味。
でも、洒脱な語り口による極上の御伽噺。
喜劇の舞台を観ているかのようなテンポのよさ。
作者には珍しく(?)、ハッピーエンドなのもいい。
野暮用が色々重なった時期に読んでいたので、読み終わるのに随分と時間がかかってしまったけど、面白かったデス。(2005.06.30)