とみなが貴和


review

EDGE



とても丁寧に書かれた犯罪モノ。
黄昏の爆弾魔の不満も日常的なリアルさに溢れている。
私たちも加害者と被害者の境界線、いわば黄昏に立っているのかも知れない。

EDGE ←講談社文庫版も出ました。

EDGE〈2〉三月の誘拐者



プロファイラーに分析されたら、私ってどんな人物像に評されるのか気になります。

EDGE〈3〉毒の夏



転機です。
切ないです。
急速に成長していく「宗一郎」が『アルジャーノン』を彷彿とさせます。
事件の方も、犯人が女性な分、余計に共感してしまったりして。

EDGE〈4〉檻のない虜囚



二人が再開したのは二ヶ月ぶりですが、新刊としては三年ぶり(笑)。
相変わらず、鬱屈とした思いの描写が秀逸。
緊迫した展開の中、ふとアホなことが頭をよぎる。
男としての宗一郎がダメなら、宗に女になってもらうしかry

EDGE(5)ロスト・チルドレン



七年かけてようやく完結したこのシリーズ。
犯人の心情がリアルで共感してしまう部分も多かったので、読んでいてゾクゾクさせられました。
でも、松並さんの人の良さ、錬摩が宗や犯人に向ける視線の優しさなど心に沁みる箇所も多く、このバランスの良さが絶妙で、大好きなシリーズでした。
だがしかし。
最終巻の感想は、大好きなシリーズがゆえに辛目の評価。
以下ネタバレ毒吐き感想。

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兼業作家さんのようなのでこれからも量産ということにはならないだろうけど、次回作に期待。