Eric Clapton + George Harrison
 


 
 
 
1991年
12月1日(日) 横浜・横浜アリーナ
12月2日(月) 大阪・大阪城ホール
12月3日(火) 大阪・大阪城ホール
12月5日(木) 名古屋・国際展示場
12月6日(金) 広島・サンプラザ
12月10日(火) 大阪・大阪城ホール
12月11日(水) 大阪・大阪城ホール
12月12日(木) 大阪・大阪城ホール
12月14日(土) 東京・東京ドーム
12月15日(日) 東京・東京ドーム
12月17日(火) 東京・東京ドーム

  
   Vocals, Guitar George Harrison
Vocals, Guitar Eric Clapton
Vocals Bernard Fowler
Guitar Andy Fairweather Low
Percussion Ray Cooper
Keyboard Chuck Leavell
Keyboard Greg Phillinganes
Vocals, Bass Nathan East
Drums Steve Ferrone
Backing Vocals Katie Kissoon
Backing Vocals Tessa Niles

 

 
1. I want to tell you
2. Old brown shoe
3. Taxman
4. Give me love
5. If I needed someone
6. Something
7. What is life
8. Dark horse
9. Piggies
10. Pretending
11. Old love
12. Badge
13. Wonderful tonight
14. Got my mind set on you
15. Cloud nine
16. Here comes the sun
17. My sweet Lord
18. All those years ago
19. Cheer down
20. Devil's radio
21. Isn't it a pity


<Encore>
*While my guitar gently weeps
*Roll over Beethoven


 
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クラプトンがジョージを伴ってやって来る!! このニュースを聞いた時は口は アングリ、鼻から牛乳、腰は砕けて座りションベンの超驚き状態でした。

“JOURNEYMAN” をリリースした後、陰りが出ていた人気も一気に回復し、さぁこれから!! と言う時に愛息コナーちゃんを亡くし、失意のどん底に突き落とされたクラプトン。再び ドラッグとアルコールへ走ってしまうのではと危惧していたところへ復活の話しがなんと ジャパン・ツアーとは。しかもジョージが一緒にやって来る。

ジョージ・ハリソンは ビートルズでの来日以来、実に四半世紀ぶりの登場。このニュースは多くの音楽ファンの間で 取り沙汰されました。そんな盛り上がりをさらに煽るかのように、TBSで来日直前のクラプトンとジョージのインタビューが放映されました。そこに映っていたクラプトンは、最愛の息子を 亡くして辛い時期を乗り越えたあとの、何というか、一山越えた感じの柔和な感じを醸し出していました。インタビューに答えるクラプトンのアップの顔には、太い縁の眼鏡がかけられている。 光線の関係で分かったのですが、その眼鏡、遠近両用眼鏡でした(笑)。この遠近両用眼鏡を かけるクラプトンを見て、いったいいくつになったんだろうと初めて我がギター・ヒーローの 年齢を思った覚えがあります。最愛の息子を亡くしてもなお、血迷ったりせずに適切に自分の人生 に対処し得たのは、ひとえにこの年齢によるものなのかなぁ、なんて思っちゃったりしました。

そしてやって来たコンサート当日。おそらくこの東京ドームをいっぱいにしている、ほとんどの 観客はジョージ目当てだろう。まぁ、今回はしょうがないか。照明が暗転するや、メンバーの 登場を待つ会場にはいつになく異様などよめきが地鳴りのように響きました。ビートルズで来日して以来のジョージ・ハリソンが四半世紀ぶりに日本の観衆の目前に登場する。

その期待感がより一層会場の雰囲気を盛り上げる。メンバーの登場とともに割れるような歓声の渦。 クラプトンはジョージの後ろからなんと地味な現われ方。クラプトンって人はホントどうして セッションやゲストで参加する時は後ろに引いちゃうんでしょう。今回は特に親友のステージ なので、主役は彼だよ、と言うクラプトンなりの気づかいなのでしょうか。地鳴りのようなもの凄い歓声に迎えられて始まった第一曲目の “ I want to tell you” 、メッチャ地味でした(笑)。 ジョージ目当ての観客もなんだか肩透かしを食ったみたいに静まり返る。久方ぶりのジョージの ライブ、こう言っちゃぁ失礼だが、やはり演奏にも歌にもいま一つ精彩に欠けている。それに ひきかえ、クラプトンを始めとするバックの演奏のなんとしっかりしたことか。それでも曲調の せいか音圧のうすいことうすいこと・・・まぁ、ジョージとクラプトンが一緒に見れるんだからそれで良しとしますか。

ビートルズ・ナンバーもいくつか演ってくれましたが、不思議と懐かしい 感じがなかったのはなぜでしょう。それはきっと演奏や歌の巧拙云々とはまた別の次元で理由が あったのでしょう。つまり、ビートルズ・ナンバーはやはりビートルズが演らないとビートルズ・ ナンバーたりえない、と言うことなのだと思います。妙なところで改めてビートルズの偉大さを 再認識してしまいました。ましてや曲中で聞こえてくる慣れ親しんだクラプトンのギターが、 地味ながらも良くも悪くもジョージの曲に新しい息吹きを与えている。  

演奏が進むうちに、いつしかクラプトンがステージ中央に立つのを心待ちにしている自分がいました。サイドをつとめているクラプトンは終始リラックスした感じ。前年のツアーで来日した 時はギラギラとした男臭さを発散させていたのに、今回はヘアも短く、衣装も地味な 茶色のスーツで、なんだか風呂上がりの油が抜けたさっぱりした感じ。また、歌を歌わなくていいと言う安心感からか、サイドでリズムを刻んでいる間中、ひっきりなしに煙草を スパスパやっていました。アンプの上だったと思うのですが、そこに置いた小さな灰皿がすぐに 一杯になり、何度か取り替えていたのを覚えています。煙草を吸うクラプトンを見るのはこれが 最後となりました。次に来日した93年にはもう禁煙してましたもんね。  

さて、やっとクラプトンがステージ中央に現われ、自分のナンバーを始めてくれました。 “PRETENDING” が始まったとたん、急にバンドの音圧が上がり、クラプトンもまるで別人 のような変わりよう!!「ここは自分のコーナーだから俺のやりたいようにさせろや」と 言わんばかりのテンションの上がりようです。見ててあきれるくらいステージの雰囲気が 一変しました。バンド・メンバーも、まるで「ジョージさんよ、あんたの曲は退屈でしょうが ねぇよ」と言っているようでした。ホント、私の周囲にいたジョージ・ファンが、二人の パフォーマンスのあまりの差に笑っていたくらいです。まぁ、バック・バンドもクラプトンの バンドですから、それもいたしかたないことではありましたが。コンサートも終盤にさしかかり、 いよいよジョージ・ファンもクラプトン・ファンも大きな期待を寄せていた “While my guitar gently weeps” の登場!! これはさすがに感動しました。 クラプトンも見せ所の泣きのギターをタイトル通り存分に聞かせてくれました。この一曲で この日来た甲斐がありました。

あわよくば LAYLA も聞けるかと期待しましたが、さすがに これは演っちゃいけないと思ったんでしょうね(笑)。これは聞くことは出来ませんでした。 ご存じの通り、この曲は昔クラプトンが当時のジョージの奥さん、パティのことを切々と歌った ラブ・ソング、やっぱり無理ですよね。でも、 “Old love” や “Wonderful tonight” もやはり クラプトンがパティのことを思って書いた曲、これ演ったんだったらもしかしたら、って言う 期待はありましたよ。そういう訳で別の意味で、スリリングな期待も最後まで持たせてくれた コンサートでした。

ちなみに、横浜アリーナでのコンサートでクラプトンが、ある特定の女性に 向かってステージから、「Happy Birthday ○○、これは君のために歌うよ」と言って “Wonderful tonight” を始めたらしいとのこと。しかも曲中に出てくる歌詞の「long blonde hair」を わざわざ「black hair」と替えて歌ったとか歌わないとか。当時のクラプトンの恋人は日本人 だったのでしょうか? どなたか覚えていらっしゃる方はいますか? 気になりますね。

 
(ERIC HARRISON)

  
私も東京ドームに行きました。
ライブミュージシャンとはいえないハリソンですから、「ノリが悪かったらどうしよう」と心配で、私は昔の職場の仲間と3人で同窓会を兼ねてガヤガヤと行きました。

「クラプトン+ハリソン少年」だった弟も同じ理由で総勢10人で行ったそうです。

大勢で行けば終演後居酒屋あたりで騒げるし、そしたらライブがつまらなくても気分よく帰宅できると思って。

ひどいファンですね。

しかしあの因縁のふたりがいっしょに日本に来るとは。大人の世界ってよくわかりません。

(西村)

情報とコメントは、筆者の同僚で腕に「EC命」という彫り物をしている(ウソ)、Eric HarrisonことA氏から頂戴しました。この場を借りて御礼申し上げます。

筆者も東京ドームにはせ参じましたが、言いたいことを全部言ってくれちゃっているので、何もありませ〜ん。あ、ひとつだけ。相変わらずハゲのパーカッションのおっさんは楽しませてくれました。

...しかしCream時代の名曲“Badge”とは、シブい選曲ですなぁ。
 
(issei) 
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