Slapp Happy 2000
 


 
 
 
2000年

5月13日(土) 東京・Star Pine's Cafe
5月14日(日) 東京・Star Pine's Cafe
5月16日(火) 東京・Star Pine's Cafe
5月17日(水) 東京・Star Pine's Cafe
5月19日(金) 札幌・ベッシー
5月21日(日) 京都・京大西部講堂
5月26日(金) 東京・Star Pine's Cafe
5月27日(土) 東京・Star Pine's Cafe
5月28日(日) 東京・Star Pine's Cafe


  
   Vocals、Percussion Dagmer Klause
Guitar、Vocals Peter Blegvad
Keyboard、Vocals Anthony Moore



 


 
1. INTRODUCTION
2. HEADING FOR KYOTO
3. CASABLANCA MOON
4. ME AND PARVATI
5. MOON LOVERS
6. KING OF STRAW
7. SLOW MOON'S ROSE
8. MICHAELANGELO
9. RIDING TIGERS
10. CHILD THEN - SOME QUESTIONS ABOUT HATS
11. IN THE SICKBAY
12. SMALL HANDS OF STONE
13. HAIKU
14. DAWN
15. A LITTLE SOMETHING
16. I'M ALL ALONE
17. UNBORN BYRON
18. SCARRED FOR LIFE
19. BLUE FLOWER
20. MOON LOVERS [UPRIGHT PIANO VERSION]



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1999年の11月ごろ、たまたま彼らのことをネットで調べていたら、「2000年に来日」の文字が。ええええええっ!本当? 確かに新作が発表された前後でヨーロッパ公演の話はどこかで聞いていたのですが、日本に来てくれるなんて!色めき立った筆者はその後、さまざまなところにコンタクトを取り、社内の掲示板にも乗せて情報を収集しまくったのでした。ウソではありませんでした。それからわずか数ヶ月おいて、2000年5月にまさかのライブが実現したのでした。

ステージではあの独特のユルさが全開。構成はピアノとギター、ボーカル、以上。黒いドレスを着たDagmerが歌の合間に「ちりん、ちりん」と鳴らす鈴やカスタネットがパーカッションとして機能していたくらいで、あとはそれぞれのメロディー楽器が刻むリズムだけで充分なのでした。余計なものを削り落として、曲のよさとパフォーマンスだけで勝負したコンサート。

全体的にキーボードの音が柔らかく、“Slow Moon Rose”は原曲のあのほんわりした雰囲気がさらに強調され、“Small Hands of Stone”はあの切な〜いメロディがより際立ちました。彼らお得意のユーモアや洒脱さも健在、Antony Mooreがボーカルを取る“Haiku”はブルース調で、ちょっとかったるいアレンジ。曲の最後にMCで入った「古池や、かわず飛び込む水の音」はご愛嬌でしたね。Faustと共演したときのようなアコースティックバージョンで演奏された名曲“Casablanca Moon”は、ピアノにスタッカートが利いていて、簡素な演奏でありながら華やいだ感じがありました。さすがに観客の受けがよく、客席は大いに湧いておりました。

曲目はたっぷり20曲。“Sort Of”に収録されている初期のフォークっぽい曲も数曲演っていて、アンコール手前の“Blue Flower”が筆者としてはうれしい選曲でした。

Slapp Happyのことを知ったのは筆者が大学生の頃。ピンクの縁取りのフシギなコラージュのジャケットで有名な“Sort Of”が、ディスクユニオンに割とよくおいてありましたっけ。確か1400円くらいだったと思う。だけどあのときあのアルバムを買いませんでした。なんとなく買ったら好みと違っていてハズしそうな気がしていたから。いつもユニオンで手に取ってはいたんだけど。

当時の筆者はもっとテンションの高い音楽が好きだったので、買っていたら不幸な出会いをしていたかもしれません。あのユルさがわかるようになったのは、25を過ぎてからですね。結果的に“Sort Of”を買ったのは西新宿WoodStockの3階にあったレコード屋で、8800円(*)もしましたが、あのときに出会えたおかげでとても楽しめたのを覚えています。

*購入した96年当時は、すでに音源が市場に出回っていなかったのです。買い付けをしたレコード屋のおっさんによると、80年代に入ってRecommendedからリイシューされた盤にはソノシートがついていて、それが市場価値を高めていたようでした。筆者が買ったのは72年に発売されたときの独Polydor製でしたが、こちらの方が求めやすかったようです。

2005年に新譜が出るという噂を聞いているのですが、本当ならうれしいですね。また会えるかもしれないですから。00年に観たときの吉祥寺というロケーションは、なかなかグッドでした。次回もこういうところでやってくれないものでしょうか。


(issei)
 


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