Al Kooper '05
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2005年 10月5日(水) ◆ 東京・東京国際フォーラム 10月6日(木) ◆ 東京・東京国際フォーラム |
Vocal, Keyboards, Mandolin ◆ Al Kooper Guitar ◆ Bob Doezema Drums ◆ Larry Finn Bass ◆ Tom Stein Flute & saxophone ◆ Daryl Lowery Trumpet ◆ Jeff Stout |
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1 Little Wing (Al on guitar) 2. I Can't Keep From Cryin' Sometimes(Al on guitar) 3. Green Onions 4 My Hands Are Tied 5 How My Ever Gonna Get Over You 6 Going Going Gone 7. Tell Me The Truth 8. I can't Quit Her 9. Flute Thing 10. I Love You More Than You'll Ever Know 11. Comin' Back In A Cadillac <Encore> Jolie (某巨大掲示板から引用) |
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会場は有楽町・東京フォ−ラムC。6時半開場、7時開演。 開演前のステージは黒いカーテンで閉じられて、何も見えない。やがてほぼ定刻通りに客電が落ちると、ストラトキャスターをつま弾く音が響く中、そのカーテンが左右に開いて開演。 ステージ下手に古びたハモンドオルガン。その前でそのオルガンと対になった装飾が施された木製の椅子の上に座ったAlがギターを抱えている。 顔の右側にインカムが見える。どうやらボーカルマイクはこのワイアレスのインカムだけで行くようだ。 オルガンのすぐ後ろに巨大スピーカー2台。並列でつながれて、これがハモンド専用のスピーカーらしい。 そのスピーカーの右前にベース、中央後方がドラム、そして上手がギターという至ってシンプルな構成だ。 Alのスリーフィンガーのようなギターの音はやや不安定で、特に上手いと言うわけでもないのだが、なにか懐かしいような不思議な感じがする。やがてベースとドラムがそのギターに絡んでゆき、インストロメンタルの曲が終わる。 拍手に応えて「ドウモー」(日本語)と立ち上がったその出で立ちは、たっぷりとしたレーヨンの黒いシャツと、その上から真ん中につき出したお腹を隠すかのように黒ラメのジャケットをはおり、新譜'Black Cofee'のジャケット通りのサングラスをかけている。 クシャクシャ、白髪になった頭と口元に無精ひげのような口ひげ。 やがてボソボソと始めた 「えー、今夜は曲の間に、○○さん(名前失念)という女性に解説をしてもらうことにしました。○○さん、どうぞー」(英語) という言葉を受けて○○さん登場。 「今夜はアルが演奏する曲について皆さんにお話ししたいことを代わりに伝えて欲しい、ということで、ワタクシがお話しします」 これから演奏する曲の紹介と解説終了と同時にギターが右手に、ホーンの二人が中央にそれぞれ登場。これでメンバーが揃ったことに。メンバーは以下の通り。 Al Kooper (Vo / Keyboards / Mandolin) Bob Doezema (Guitar) Tom Stein (Bass) Larry Finn (drums) Daryl Lowery (Flute & saxophone) Jeff Stout (Trumpet) アルバムBlack Cofeeとはベーシストが変わっているだけのメンバーで、音作りはアルバムとほぼ同じ。 この「ほぼ同じ」ってところがスゴイ。キャリアなど詳しくはわからないメンバーだけど、しっかりとして、不安感を感じさせない実に堅い演奏をするバンドだ(後にバック・ミュージシャンはバークレイの教授連だと判明)。 曲はとうぜん新譜中心。まず3曲、そして解説なしにまた2曲、ちょっと演奏に疲れたあたりでまた解説、と流れを切ってテンポが悪くならないようにする気遣いが嬉しい。ステージ運びが上手い。真摯で好もしい本人の人間性が見えるような気がした。 「僕の好きなものがどんどん消えてゆく、お気に入りのブーツ、はき慣れたジーンズ、ああ、歳をとるってこういうことなんだ」という内容(どこかで聞いたなあ(笑))の'Going,Going Gone'。 「えーこの曲はRick Danko, Charlie Manuelという二人の友人のために作った曲だよ。二人とも居なくなっちゃったけどね」と話して始めた'(I Want you To)Tell Me The Truth'。 この人の作品にはそんな風に「喪失感」を唄った曲が多いけれど、その哀しさを全面に押し出すのではなく、失った後に「それでも行くんだ」と立ち上がる強さの方が伝わってくる。加えてその音楽性。昔はあったけれど、今巷間で流行っている音楽には無くなってしまったものが全部ある、そんなステージだ。 「いや、2年前だっけ。日本からけっこういい話が来てさ。コマーシャルで僕が書いた曲を使わせてくれって。その曲が'Jolie'! 30年前の曲だよ。そのギャラってのがまた……(嬉しそうに)ふぅん、オッケー、使いなよ、って話でねえ」 などと軽いMCも挟みつつ、最後の'Comin' Back In A Caddillac'では唄いながらステージを降りて会場を一周。しまいには空いていた席に座って観客と一緒にステージを見ながら 「おー! こいつらウマイじゃん!」 なかなかお茶目な人でもありました(笑) やがてこれで終わりだよ、と言うように左右から閉まるカーテン。鳴りやまない拍手。そして中央カーテンの切れ目からAlが出てくる。 「いやあのさ……昨日会った女の子が来てるって言うんで探しに来たんだよ。彼女が来るって言ってたんで今夜は張り切ったんだよねぇ。来ていないかなあ」(手を目の上にかざして開場を探す) 「名前、なんて言ったっけなあ」 「メモが……(上着のポケットをまさぐる)ないなあ。なんて言ったっけ……そうだ、そうだよ! JOLIE!」 と、カーテンの後ろからバンドの音が始まり、JOLIEへ……という大団円の幕切れ。 終演は9時。会場を出た友人が「もっと長く聴いていたかった」と言ったのも同感の2時間でした。 (10/6 有楽町・東京フォ−ラムC) |
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