【東京事変】
Dynamite Tour '05


   

2005年

1月15日(土) 神奈川・横須賀芸術劇場
1月17日(月) 松山・松山市民会館
1月19日(水) 広島・厚生年金会館
1月21日(金) 石川・厚生年金会館
1月22日(土) 京都・京都会館
1月25日(火) 札幌・市民会館
1月27日(木) 仙台・サンプラザホール
1月31日(月) 大阪・厚生年金会館
2月 1日(火) 大阪・厚生年金会館
2月 3日(木) 福岡・サンパレス
2月 4日(金) 福岡・サンパレス
2月 8日(火) 名古屋・センチュリーホール
2月 9日(水) 名古屋・センチュリーホール
2月15日(火) 東京・渋谷公会堂
2月16日(水) 東京・渋谷公会堂
    
   Vocals、Guitar 椎名林檎
Bass 亀田誠治
Drums ハタ綴色
Guitar 晝海幹音
Keyboard H是都M

 










 

(カッコ内は収録アルバム名)

1. 林檎の唄
2. 入水願い
3. 遭難
4. ダイナマイト
5. ここでキスして。
6. 秘密(新曲)
7. 顔
8. if you can touch it
9. 母国情緒
10.車屋さん
11.月に負け犬
12.同じ夜
13.現実に於いて
14.現実を嗤う
15.恋の売り込み
16.スーパースター
17.透明人間
18.駅前
19.Σ
20.クロール
21.丸の内サディスティック
22.その淑女ふしだらにつき
23.御祭騒ぎ
24.サービス
25.群青日和

<Encore>
1. 心
2. 夢のあと

投稿、ご意見はこちら

ほおを刺す朝の246号ですが、CDウォークマン大音量で“丸の内サディスティック”聴きながら乗り切っている今日この頃です。筆者の夫は吉永小百合の“寒い朝”を歌いながら冬の出勤時間をやり過ごしているので、似たもの夫婦といえるかもしれません。辛い憂き世暮らしですから、背中を押してくれるものがないとやっていけないですよね。

林檎嬢、もとい東京事変のコンサートに初めて行ってまいりました。もう立派な中年女ですから、ちょっと気後れしていましたが、「オヤジも結構来ているはずだし、ま、いっか」と会場に入りました。この日のライブのお楽しみは、コンサート本編のほかに人間ウォッチングもあります。なにせ、ふだん行くコンサートって、オヤジ占有率9割以上のプログレなどです。さぞかし現代風の格好をした若い坊ちゃん・嬢ちゃんがたで溢れ返っているかとも思ったのですが、案外年齢層が広くてオドロキでした。というのも、「あれ、今月号の『サライ』や『日経マスターズ』って、林檎ちゃんの特集でもしてたっけ?」といぶかしんでしまうような団体がぞろぞろ入ってきたのです。明らかに筆者の両親の5歳下くらいなので、団塊の世代。あ、この人たちは若いときにBeatlesの洗礼受けてますから、演歌の世代とも違いますね。ティーンエイジャーの娘さんとそのお母さんというコンビもいました。うーん。3世代同居型コンサートというべきか。中心は20〜30代の女性で、大正浪漫風の着物姿もちらほら見受けられました。

いよいよカーテンの幕が開き、“林檎の唄”のイントロとともに東京事変登場。林檎嬢の歌声は、渋公最後列にいる筆者をうちのめすだけのパワーに溢れておりました。林檎嬢は緑の羽つき帽にモスグリーンのドレスといういでだち。「おおおぉぉ」という歓声とともに1曲目から客席は総立ち。ひっさしぶりだなぁ〜。こんなに観客の元気が良いコンサート。途中でモスグリーンのドレスを脱ぎ捨てると、中はライトグリーンのカクテルドレス。ああっ、その美貌を拝みたいっ。オペラグラス持って来るべきだった。

2曲目の“入水願い”に続いて“遭難”では、お得意のシルバーのギターが登場。エレガントなドレス姿でかき鳴らしております。かっこい〜い。途中で晝海氏の曲(7〜8)を挟むのですが、うーん、このヒトの歌はお世辞にもうまいとは言えなかったな。東京事変では、いろいろなヒトの楽曲が演奏されました。亀田師匠の曲(16〜17)なども演っていましたが、やっぱり楽曲のクオリティは林檎嬢の方が勝っていると思います。しかし師匠のMCはなかなかのご愛嬌。オヤジフェロモン、むんむんでした。

うれしかったのは、プロモビデオ集の中でハードコアな扮装で歌っていた“Σ”を演ってくれたこと。いつも聴きながら思っていたのですが、このヒト、英語のロックやポップスよりも、かなり文学的なドイツ語の曲なんか歌わせるとすんげーかっこいいんじゃないでしょうか。“唄ひ手冥利”で“野薔薇”を歌っていたけど、もっと語尾がキツく、ハッキリした唄を歌わせてみたい。もちろん、巻き舌もたっぷり入っているのだ。

そして“クロール”に続き、“丸の内サディスティック”。この曲を聴くと思うのだが、なんだか20歳そこそこでこんな曲を書いたなんて、若年寄というか、なんか完成されすぎている感あり。昔、林檎嬢にゴーストライターがいると信じて疑わなかったのはこのせいだと思う。
 
大塚愛もまねした拡声器は、今回は“サービス”で登場。この、何言ってんだかわかんない歌ってのも、このヒトの魅力ですね〜。こうした演出は、大塚愛になんか真似してほしくなかったな。アンコール前の1曲は“群青日和”。ミラーボールが廻りまくり、聴いている人たちはみんな歌いながらカラダを動かしており、完全に一体感を満喫している模様。アンコールもこの調子で“幸福論”なんか演って突っ走るのかと思ったのですが、こちらの思惑をはずし、しんみりとバラードで締めくくりました。紋切り型の演出を嫌った心憎いエンディング。楽しませてもらいました。

欲を言えば、1枚目とか2枚目を出した直後の、まだまだ鼻っ柱が強そうな彼女を見ておきたかったな。

(2/15 渋谷公会堂、Issei)
 

年表一覧へ