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- 1年戦争中、もっとも優秀なモビルスーツとして挙げられることの多いMS−14『ゲルググ』ですが、実際にはどうだったのでしょう。確かにゲルググは、その独特のフォルム、登場時期、又ジオン軍の最優秀パイロットが数多く搭乗した機体としてかなりの印象度があります。しかし、実際の数値(下段参照)を比較してみるとどうでしょう?メイン推進ロケットの噴射時間で僅かに2秒、180度姿勢制御でコンマ1秒、勝っているだけで推力比に至ってはジムに劣っています。また生産性が高かったといわれるゲルググですが、その生産性の高さとは他のジオン軍のモビルスーツと比較してであり、ジムの生産性と比較するとその生産性は明らかにジムに劣っています。また、装備するビーム兵器も確かに優秀な火器でしたが、対モビルスーツ戦闘の交戦距離では、ジムのスプレーガンと威力の差があるわけではなく、かえって連射性に優れるスプレーガンの方に軍配が上げられるほどです。
- では、何故1機のゲルググに、ジム5機で対処せねばならなかったというような言葉がでたのでしょう?これは、連邦軍のあるスポークスマンが語った以下の文言に端を発しているようです。
- 「ジオンの新型(ゲルググを指すと思われる)がいかに優秀と言っても、こちらは1機の新型に5機のジムを差し向けることができるんですよ!話になりません」
- つまり、多少優秀な機体が登場しても数の論理で圧倒できるということを説明した文言が、ジオン崩壊間際に登場したそこそこ優秀な機体の悲壮性とあいまってゲルググは優秀だったんだというある種の思い込みへと繋がったのかもしれません。
- 以上のように、ゲルググは、世間で言われているほどには強力な機体ではないのかもしれませんが、紛れもなく、ジオンにあってはもっとも優秀な機体の1つであったことには間違いありません。
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