開戦〜0079/05

 『ブリッティッシュ作戦』および、月面のマスドライバー群による爆撃によって生じた連邦軍の混乱に乗じ、主に軍事的空白地帯に対する降下作戦を行ったジオン軍は、広大な占領地を得た。しかし、ジオン軍の総兵力を考慮すれば、それは単に点と線を抑えたに過ぎなかった。本格的な持久体勢に入った連邦軍に対しジオン軍は、占領地域を増やすことがほとんどできなかったどころか、安易な進攻作戦を実施することによって予想以上の損害を受けて後退させられることもしばしばだった。


0079/05〜0079/10

 連邦軍の第1次反抗作戦。十分な反撃戦力を蓄えた連邦軍は、最初攻勢防御という形をとりながら夏以降、本格的な反攻をはじめた。宇宙への反抗を実施する前に希少資源の供給地等、各所へ連邦軍の反撃は、同時多発的に行われ、おおむね成功を収めた。そのクライマックスが、オデッサ作戦である。これ以降、地球上の勢力バランスは、大きく連邦軍側に傾き、二度とジオン軍に傾くことはなかった。オデッサ作戦が終了した後のジオン地球方面軍は、各地で孤立した存在でしかなく連邦軍の軍事作戦になんら影響を与える存在ではなかった。この時期を境にジオン軍の地上での組織的抵抗は完全に収束したといえる。唯一の例外は、ジャブローに対する降下作戦であったが、それすらも連邦軍の軍事スケジュールにはなんの影響も与えなかった。


0079/10〜0079/12

 連邦軍第2時反抗作戦。連邦軍は、宇宙での積極的な反抗作戦(ソロモン、ア・バオア・クー)を実施すると同時に、地上の主要部からのジオン勢力の駆逐をも推し進めた。実際には、必要のない作戦であった(既に補給を絶たれたジオン軍は、軍事的には放っておいてよい存在だった)けれど、戦後の政治を考えるならば実施されるべきものだった。既に疲弊していたジオン軍に対し連邦軍は、圧倒的な勝利を得たが、その結果、より多くの若者の命が失われていくことになった。


終戦時

 さしもの連邦軍も全てのジオン占領地を完全に制圧するには至らなかった。終戦協定が結ばれても交戦を続けるジオン軍部隊は少なくなく、連邦軍の掃討戦は、困難を極めた。北米のジオン軍は、比較的スムースに武装解除を受け入れたが、アフリカ戦線や中央アジア戦域でのジオン軍の抵抗は、連邦政府が、その奪回に積極的でなかったこともあって長きにわたって続くことになる。


注)1 各戦域図は、地球連邦軍の公式発表に基づく
注)2 連邦軍支配地域においては、必ずしもジオン軍が完全排除されていたわけではない