ジムを科学する(笑)


 ジムというモビルスーツ

 ジムを始めとするモビルスーツは、いわずと知れたガンダムの中に登場する全高18メートル前後の架空のロボット兵器です。しかし、ジムを始め、劇中でのモビルスーツは、非常にリアリティーにあふれ・・・ま、関節の動きがどうのとか、そういう細かなことは言いっこなしで・・・ガンダムの世界をその人間模様と合わせて、物語自体を非常にリアルにしています。

 では、モビルスーツとは?それを極く簡単に、現実的な面も非現実的な面も含めて簡単に科学的な面から迫ったら?ここでは、もっとも量産化され、あらゆる改修を受けつつも戦後長い間にわたって現用機であり続けたジムを取り上げて、考察してみます。


 ジムは、果たして2足歩行できるのか?

 ロボットが、果たして2足歩行できるのか?ましてや、走ったり飛んだり・・・。

 歩くだけなら?これは十分に可能でしょう。現在でも、よちよち歩き程度のロボットは、実用化されています。そういった点から考えれば、将来的には、実用的な面からいっても十分可能でしょう。とか、このコラム?を書いてから随分経ったのですが・・・今日現在(2004年11月)随分スムースに歩けるロボットがいっぱい誕生してきています。ホンダ技研のアシモ以降、ロボットは飛躍的に進化しているようですし・・・。ま、歩くということに関しては・・・たとえモビルスーツレベルの巨大さでも実用レベルででも歩行だけは絶対に出来る!ということで決定でしょう(笑)

 では、走る?このとんでもなく、メカニック的に負荷を掛けるであろう行為自体、実用レベルで考えるならばロボット兵器には無理でしょう。よほどの技術革新ないしは、新素材の開発があれば・・・可能になるかも知れませんね。ま、確かにロボットが走るのを最近では見かけますが・・・あくまでメカニック的な負担を極力小さくした骨格レベルのロボットですよね?10メートル以上、しかも、分厚い装甲をまとった・・・そういうレベルではないですよね。たとえ出来たとしても1回ごとにオーバーホールが必要、てな兵器としては稼働レベルで問題外の存在でしょうね。

 飛ぶのは?兵器というものがたいていの場合隠密性を重視することを考えれば巨大兵器であるモビルスーツがわざわざ飛び上がって被発見率を上げるのはどうでしょう?著しいロケット燃料の消費のことも考えれば、やはり実用的ではないかも知れません。被弾したときの誘爆も恐ろしい規模でしょう。例えとしては悪いですが、スペースシャトルの爆発が、地上で起こるようなものですから。また、飛翔するには大量のロケット噴射を伴う訳ですが、そういうことを考えると他部隊との連携、非装甲の車両、歩兵部隊との連携はとれそうにありません。飛び上がった後の着地時の衝撃のことは・・・考えたくないですね。全備重量で100トンを越す物体の着地・・・軟弱地なんかに着地したら・・・それっきりでしょうねぇ・・・。

 やっぱり、モビルスーツは、宇宙兵器です(笑)


 ジム(モビルスーツ)の装甲は?

 戦闘兵器であるジムは、やはり、装甲板で覆われています。

 ジムの場合、その装甲は、いわゆる中空装甲と複合装甲の利点を合わせ持った、3重ハニカム装甲を採用しています。その構成は、最前面のセラミックス系複合材、中空を構成する特殊鋼で形成されるハニカム構造、そして、一番内側を高靭性と高延性を兼ね備えた複合材からなる。

 では、それぞれの役割は・・・

 この3重ハニカム装甲によってジムの被弾に対する強靱性が達成されている。特に成型炸薬弾と粘着弾による被害限定に重点が置かれている。これは、初速の遅いザクマシンガンがこれら2種の弾頭を装備しているケースが多いためである。

 では、果たして、その厚みはどの程度なものでしょうか?類推すると・・・何からというと、市販の模型です(笑)また、各層の装甲厚は、極秘となっているのでここには表記しません(笑)

 主要部は、280ミリ。その他の部分は、100ミリといったところでしょうか?あの鮮やかなシールドは、機体構成部分と同じ3重ハニカム構造であり、その厚さは最大で250ミリに達しています。


 ジムの操縦は?

 ずばり、ほとんどが、コンピューターによってサポートされています。ほとんどの動き、歩く、止まる、敵を見つけたら照準する、といった類いのこと、あるいは、回避パターン、これらは、全てパターン化され、コンピューターよって制御されているのです(筈です)。

 では、モビルスーツのパイロットは何をするのか?

 戦場までの移動、照準後の射撃、接敵行動、サポートされている行動の起動命令・・・、コンピューターがサポートしきれない動作は、まだまだあるわけですね。

 で、ジムの場合、あのアムロ君のガンダムによって豊富に集められた対モビルスーツ戦闘のデータを豊富に使うことができたわけです。モビルスーツに一日の長があるといってもジオン軍ですら本当の対モビルスーツ戦闘は、ガンダムの登場以前は経験がなかったわけです。もちろん、ジオンにおいては、対モビルスーツ戦闘を意識した模擬戦闘訓練は行われていました。けれど、それはあくまでザクと同等かそれ以下の性能のモビルスーツであるという前提に立って行われ、より高性能で主兵装がビーム火器であるモビルスーツとの交戦など想定されていませんでした。ですから、こと、対モビルスーツ戦闘においては、両軍とも思ったほど差はなかったといえますね。

 最初からビーム火器による交戦を念頭において操縦アルゴリズムを組み立て、かつコンピューターにサポートされ、さらにガンダムを始め多数の交戦から得られた豊富なデータを利用できたジムが強いのもうなづけますね。


 ジムのお値段は?

 う〜ん、分からん(笑)

 ただ、現用の最新鋭戦闘機が、20億円ぐらいであることを考えると・・・。現在の金額で、100〜150億円ぐらいでしょう。きっと(笑)これが安いのか、高いのか?それだけは、わかりません。でも、一撃で100億円以上が、宇宙のチリになってしまうことを考えると・・・もったいないです(笑)


 ジム(モビルスーツ)の動力源って?

 ボールを除く全てのモビルスーツは、核融合炉を搭載しています。核動力??そんな訳がないですね(笑)モビルスーツの動力源は、電力です。各部間接を駆動させるモーターを動かすのに必要なのがなんなのかを考えれば、分かりますよね?じゃあ、なぜ核融合炉を搭載する必要があるのか?それは、ひとえに莫大な電力を得る発電源としてです。関節を動かすモーターからコックピットの点検用発光ダイオードまで、およそモビルスーツを起動させるにおいて電力なしで語ることの出来るものなどありません。バッテリーだけで稼働させるには、余りに電力消費の大きいモビルスーツには、自己発電能力が必要なわけです。それも半端なものでは全く機能しないのです。機動兵器としてのモビルスーツが、要求する電力量は並大抵のものではありません。

 それも、単位重量あたりの発電力が大きければ大きいに越したことはないわけですが、現実問題として優秀な小型大発電力を得るに最も適したものが、ミノフスキー理論(笑)を応用して小型化に成功した核融合炉だったわけです。もちろん、消費を十分に補う乾電池があれば(笑)乾電池駆動も可能なわけですが・・・。

 そして、もう一つ忘れてはならないのが、背中に背負ったランドセル部分のロケットバーニアです。駆動モーターをいくら大電力で動かしても地上ならいざ知らず、宇宙空間では、その場でくるくる回るぐらいです(笑)そう、宇宙空間で機体を推進させるのに必要な装備、それがロケットバーニアです。固体、あるいは液体燃料を爆発的に燃焼させることによって推進力を得るためのものです。その推力たるや全備重量100トンを超える機体を一瞬にして空中に浮揚させてしまうほどです。このロケットバーニアによってガンダムは翔んだんですね(笑)宇宙空間では、そのままロケットバーニアの能力が、各モビルスーツの機動性能に影響する訳ですから、いかにエネルギー変換効率を高くするか?これが重要です。他にも、宇宙戦用のモビルスーツには、機体各所に姿勢を制御したり補助推進にも使えるバーニアが装備されていて、モビルスーツをまさに主戦兵器たるものにしています。

 すなわち、モビルスーツは、核融合炉で発電した電力と、ロケット推進で機動しているわけです。


戻る


ホーム