青いジム


 激烈を極めた1年戦争の星1号作戦の最終段階で、驚異的な活躍を見せてきた13独立戦隊は、その母艦とともに搭載モビルスーツを全て失った。しかし、それでもなお13独立戦隊が『ニュータイプ部隊』と呼ばれたゆえんは、多くのクルー、パイロットに至っては全員、が生存しえたことであろう。このように活躍した兵士達で部隊を再編成しようと軍が考えるのも当然のことであり、ペガサス級の最新鋭艦で新13独立戦隊を編成しようとしたのは自然の成り行きだっただろう。だが、実際には、専用モビルスーツまで用意されたにもかかわらず新13独立戦隊は編成されることはなかった。官僚的な軍の高官達が、ニュータイプを認めようとしなかったためだ。結果、13戦隊のクルー達は、軍に残るか軍の監視下で半ば幽閉された環境で生活していかなければならなかった。
 写真は、13戦隊カラーに塗色されたセイラ・マス准尉用のジムカスタムである。青を基調にし、ペガサスの部隊マークをシールドにあしらったこの機体は、しかし、1度も宇宙を疾駆することもなく予定したマス准尉が搭乗することもなく元の標準色に戻され、名もない部隊に配備されていった。

 

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