SLEとは?

膠原病のなかのひとつ。
正式名称全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)

エリテマトーデスは2種類ある

円板状エリテマトーデス 皮膚だけに病変があらわれる
全身性エリテマトーデス 皮膚だけでなく内臓にも病変があらわれる

SLEの診断基準

蝶形紅斑(顔面頬部の紅斑)
円盤状紅斑(円盤状ループス)
日光過敏症
鼻咽腔潰瘍(口腔または鼻腔粘膜の潰瘍)
漿膜炎(胸膜炎または心膜炎)
腎障害(持続性蛋白尿または尿中の細胞性円柱)
精神神経症状(中 神経)
血液病変
 (溶血性貧血、白血球減少、リンパ球減少、血小板減少いずれか1つ)
免疫異常
 (LE細胞陽性、抗DNA抗体陽性、抗Sm抗体陽性、梅毒血清反応偽陽性いずれか1つ)
抗核抗体

上記11項目中4項目以上を満たすとSLEと診断される。

SLEの主な症状

全身症状 ・微熱(高い熱が出ることもある)
・全身倦怠感、易疲労感
  (無理後、風邪後に出たりする)
・体重減少
関節症状 ・関節の痛み
一部の関節痛のこともあるが多くの関節が移動性に痛むこともある
皮膚症状 ・両側の頬から鼻柱にかけて紅斑(蝶形紅斑)が出る
紅斑は前胸部、手指、手のひら、耳介部、頭、口唇、足などにも出る
・脱毛(枕に抜け毛がつく程度から誰が見ても分かる程度まで)
心肺症状 ・胸や心臓の膜にみずが貯まる
神経症状 ・てんかんに似た発作、うつ状態、片麻痺、対麻痺、脳神経障害、脊髄炎、髄膜炎、末梢神経障害など
筋症状 ・筋痛、脱力、筋原酵素上昇などがときにみられるが軽いことが多い
腎症状 ・内臓障害の中で最もよく侵される
軽いものから重いものまでさまざま
・ループス腎炎(SLEの免疫異常が原因)
消化器症状 ・食欲不振、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などが起こる
血液異常 ・貧血、溶血性貧血、白血球減少、血小板減少、リンパ球減少
鼻咽腔潰瘍 ・硬口蓋から鼻咽腔にかけて潰瘍が出る(痛み、痒みはない)
日光過敏 ・血管の炎症によって起こる変化
日光に当たるとひどくなり、日焼けがすごくやけどのようになる
レイノー現象 ・寒さにさらされた時、冷たい水につけた時、精神的に緊張した時、ストレスなどで起こる
(指先の血管がけいれんを起こし収縮すると指先が白く又は紫色になる
リンパ腺の症状 ・リンパ腺が腫れる(多発性)痛みはなく比較的柔らかい
月経障害 ・月経が不順になる
数ヶ月にわたり月経がないこともある

これらの症状は誰しもが全て起こるわけではありません。その人その時の症状です。