出産時の日記(葉瑠加)


平成9年4月5日(土)
今日は第1土曜日で、お父さん(私の父)休みのため早めに病院に来ると思い、
AM9:00に売店に買い物に行って昼ご飯食べて、すぐにシャワーに行った。
そしたら、今までにない激痛!!
思わずしゃがみ込んでしまうほどの痛み。
まさか・・・・・。と思いながら痛みはだいぶ治まって部屋にたどり着けた。

少し休んで、TELカードを買いに散歩。
戻ってきたらお父さんが来てて、しゃべってる間何だか少しお腹が痛い。
でも、我慢できるし気にしないでいた。

だんだん時間が経って結構まめに痛くなってきた。
トイレかな?と思い行ってみたら、相変わらず診察のため出血(少量)していた。
でも・・・。ボタボタっと血が垂れ、びっくりして慌てて看護婦さんに言うと
『内診したから、そのためだから大丈夫』との返事。結構不安ながら部屋に戻った。
週数も、まだ38週だからまだなのは、まだなんだけど・・・・・

それから、お父さんと話しているとやっぱり痛くて痛みも強くなってきていた。間隔も短い。
自分では絶対陣痛だと分かった。それでも看護婦さんは『違う』と言うばかり。
夕方、『時間測ってみて』と看護婦さんにやっと言われ計ってみると、なんと!
5分間隔の1分間陣痛。横になっていれば10分間隔ぐらい。
丁度、夕ご飯の時でせっかくお父さんがサンドイッチやサラダをもって来てくれたのに食べられない状態。
お父さんはお母さんにTELしに行った。

PM7:00ごろ、いつもの機械(児心音とお腹の張りを見る)をつけてみた。
その時看護婦さんは『これもお金掛かるんだよーまだ違うと思うんだけど』って。
そんな言葉にムッ!っときてたけど、それどころじゃなく、早くつけてみろ!って感じだった。
けど、機械は反応してくれない・・・・・。
こんなに痛いのに数値が出ない。触ってもあんまり張ってない。
だから看護婦さんは『平気』の答えだけ。

そのころ丁度パパも来た。この日パパは私の顔を見てから飲みに行く予定だったのが急遽変更。
も〜、パパに助けて状態。一生懸命笑わせようとしてくれた。
しばらくしてお母さん(私の母)も来た。

PM8:00夜廻診。
運よく、当直は主治医の○○先生と△△先生。
廻診が終って、処置室に痛いお腹を抱え、途中トイレに行きたくなって行ってみると出るわけでもなく、
ただ、いきみたいだけのよう。トイレから出るのも一苦労。
診察台に上がって先生の一言『あ〜もう、4cm開いてるね』・・・・・痛いはずだ。
すぐに陣痛室に行きたかったのに、先生の家族への説明のためナース室へ。
いすに座ってなんていられない。

やっと陣痛室に入って、もう大変!!ヒーヒー言ってしまう。
お母さんが背中さすってくれたり、パパに手を握ってもらったりして耐えた。
ちょこちょこ内診して、すぐに6cmになって早いけど分娩室へ行くことになって
その前に浣腸は、絶えられないものがある。またまたトイレから出れない。

やっと分娩台に上がった。それからも痛みは増すばかり。
8cmまでは早く開いたけど、それからがなかなか先へ進まない。
呼吸法も、だんだんできなくなってきて力が入っていきんでしまう。
その割に、食べてないし時間も時間だから陣痛の合間にものすごい睡魔がきて眠ってしまったり・・・・・

ふと、時計を見ると6日になってしまってる。
何度も『まだ?』と助産婦さんに聞いて苦しみ耐えた。

やっと、AM2:00ごろ分娩開始の指示が○○先生からあり、
AM2:45羊膜を破り、生暖かい羊水が流れた。
それからは不思議なぐらい痛みが和らいで、痛みがきたらいきんでOKになったから
思いっきり頭の血管が切れるんじゃないかと思うほどいきんだ。
目の前が真っ白になり、もうろうとしてくる。
何回かいきんで、やっと『頭が出たよ』と言われ、
そのあとは○○先生がお腹を押してくれて「ぬるっ」という感じで体、足が出てきた。

AM3:05待望の女の子。葉瑠加だ!!
ホッとした。
助産婦さんの処置の後ご対面。
すっごく小さい。ほっぺを触ってみたらものすごく柔らかい。
体重2260g、身長45cm。小さいけど大きな産声をあげた。
・・・・・そして、すぐに保育器へ。

それも、つかの間の感動。また激痛!!!
先生の話によれば後産とのこと。でも、こんなに痛いはずはない。思わず叫んでいた。
頭ん中パニック目の前は良く見えないで、だんだんもうろうとしてきた。
聞こえてくるのは○○先生の『××先生呼んでくれー!!』と叫ぶ声と、
△△先生と看護婦さんが走り回っているのだけ・・・・
何度も意識が遠のいて、先生が何度も呼びかけてくる。
横で看護婦さんは血圧を測って先生に『上70の下40・・・・』と言ってる声。
”死”ということが、そのとき感じた。
だけどたった今、可愛い我が子が生まれて生きようとしてるのに死ねない!と思った。

後から聞いた話、私の体力が限界と判断した先生が胎盤を引っ張り出し、
その時子宮から離れてなく胎盤と共に子宮がくっついてきて、ひっくり返ってしまった。
そして男の先生2人の手を中に入れ戻した。もし、戻らなければ子宮敵出だった。
出血も止まらず、輸血もした。

やっと、落ち着き、パパ、お母さん、お父さんが分娩室へ入ってきた。
でも、かすかにしか目が開けられない。

その後、普通なら2時間で部屋に戻れるのが、そんなことがあったため、そこで安静。
部屋に戻れたのはPM2:30ごろ。
AM3:05出産から約11時間半、台に上がってからだと20時間硬い分娩台の上で動いちゃだめだった
待合室には、もうろうとしてるから誰がいるのかは、はっきり分からないけど
おばあちゃん(私の祖母)、友達、親戚、いっぱい来てくれていた。
パパが近くに来た。その瞬間泣きそうになったけどグッとこらえた。泣かない約束だから。
分娩室にいる時は、看護婦さんの前で泣いてしまった・・・・・ 辛かった、怖かった。
両手に点滴で、子宮の中には止血のためガーゼがたくさん詰め込まれ、しばらく安静。
葉瑠加も低体重児、黄疸、高Bil血症、低血糖
そして私のITPとSLEの病気のため小児科に移され入院した。

とっても、辛く苦しい出産だったけど、産んで良かった。
生まれてきてくれて本当にありがとう。
ただ、それだけ。
これから親子3人仲良くやっていこうね。