出産時の日記(歩乃果)

平成15年3月6日(木)
今日は何だかトイレに行くとおなかが「重い」というか「出そう」というか
下がってる感じがすごくしてた。
PM4:30ベッドを少し起こしてマンガ本を読んでるとき「ん?」・・・・
おしっこをちびったような感じがしてベッドから降りてパンツを見たら
なんと”赤”真っ赤でビックリ!!
慌ててナースコールして看護婦さんが見て、先生を大至急呼んでいた。
おしるし&破水してしまった!!
先生がきて困ったような顔をして「エコー撮らせてね」って撮ってみると羊水が「1」に減ってるって。
明日(7日)の予定だった帝王切開を急遽やることになた。
始め看護婦さんたちは「明日まで持たせるかもしれないから」何て言ってたけど
先生は
「赤ちゃんに負担が掛かり過ぎるし、どんどん破水しちゃってるよ。
このまま待って陣痛発来しちゃったら大変だから今から切開しよう」って。
急な破水と手術で体の震えが止まらずガタガタしておなかは勿論、体全体に力入っちゃう。
周りでは看護婦さんも先生も準備やら連絡やら緊急なことでバタバタしてる。
そのうち看護婦さんが電話の子機を持って来て「旦那さんに連絡して」って。
こんな状態でかけられないよ〜
って、でも震えながら「破水しちゃって今から手術だから早く来て」って伝えた。
丁度、仕事が終って病院に向かっているところだったけど間に合うかな〜?
手術はPM6:00から入るって言われて電話したのがPM5:00だからめちゃめちゃ心配だった。
そんなこともよそに、手術着に着替えさせられたり、ライン確保の点滴されたり準備が着々と進んでる。
益々緊張が高まってきてるのに、もうベッドからストレッチャーに移された。
まだパパ来てないのにぃぃーーー!
でも、待ってられないのか時間なのか出発してしまった。
ちょうどMF(母子集中治療室)の自動ドアを出るときにパパ到着。
顔がものすごく怖かった。緊張なのか焦りなのか、普段見たことない緊迫した顔だった。
付き添いの看護婦さんに「じゃ、このまま旦那さん行っちゃいましょう」って
手術室に言葉も交わすことも緊張の余できずにエレベーターに乗り込んだ。
破水から手術室まで1時間半ぐらいはあったのに、10分や20分ぐらいにしか感じなかった。
手術室の前には、待ってましたとばかりに
麻酔科の医師、新生児科の医師、手術室の医師、産婦人科の医師などなどいっぱいいた。
自分の主治医の姿が見えなくて緊張がほぐれない。
やっと、手術着に着替えた主治医とMFの看護婦さんの顔が見えて
手を握ってくれたり「ずっと私も居ますんで」って看護婦さんが声を掛けてくれたりして
少しほんの少しだけ緊張から開放されたけど手には変な汗がびっしょり。
今度はストレッチャーから手術台に移されて主治医が
「大丈夫だから任せて。心配しなくていいよ。子宮は残せるようにするから」って。
笑顔で言葉を掛けてくれた。
思わず「この震えは麻酔が効いたら止まるの?大丈夫?」何て聞いてみたりもした。
でも、頭の周りでは知らない医師が手術の説明をします、とかってしゃべってるけど、
そんなの耳に入らないよ。しかも今なんでするの?って思った。
右側にはまたまた知らない看護婦さんがマスクを口に近づけて「酸素ですから吸っててください」って。
そうかと思えば、いつの間にか手術着は脱がされてておなかにたっぷりと消毒液を塗られてる。
だんだん目がおかしくなってきた。
これは酸素のはずじゃ?念のため聞いてみると「はい、酸素ですから大丈夫ですよ〜」って。
でも、目がロンっぱってるよ、意識が遠のきそうだよ、
これが眠気だけで麻酔じゃなかったら痛いじゃん!なんて心配したりしてるうちにZZZZ

これは夢??
広〜〜〜い花畑のようなところに真っ白な丸い大きくて真中が開いてるて机を
主治医や他の医師や看護婦さんが囲んで何か話をしてる。
それをどこかで私は聞いてる。
でも、何かおかしい。
そうだ!手術だよ。
半分麻酔が切れた。
右腕を固定されてるのにガンガン動かしてバンドをベリってはがしたら看護婦さんに抑えられた。
今度は左腕をやったら、また抑えられた上に「まだだからね〜、今きれいにしるからもう少しですよ」って。
なだめられて、言葉は出ないから口に付いてるチューブを思いっきりかみ締めてた。
そしたらまたなだめられて口の中?胃の中を吸引されてめちゃ気持ち悪かった。
吸引しながら看護婦さんは「こんなにいっぱい出てくる何でだろう〜?」って。何が?
そしたら先生が「オペは明日の予定だったから、お昼もしっかり食べてるから」って。
気持ち悪いわけだよ。
ところで手術は終ったの?赤ちゃんは?
やっと、処理が終って「終りましたよー」ってストレッチャーに移されて少しだけ声が出た。
「赤ちゃんは?」
「元気な産声を上げて女の子だったよ。今NICU(新生児集中治療室)にいってるから大丈夫」
「小さめだったけど1960gあったからね」
よかったぁ〜。
無事生まれてくれた。
MFに戻って、まだ麻酔が完全には切れてないから30分おきに採血されても何ともない。
しかも両手に点滴してるから足からの採血で、どうにもして状態だった。
しばらくしてから主治医が来て
「子宮とらずに済んだからね。もう大丈夫だよ。」って。
「先生、ありがとう」ってしか言えなかった。
本当にありがとう。
色々な処置を含めて手術の所要時間41分。
後からパパに聞いた話、「普通の人以上に早く手術をして、普通とは違ったやり方だった」って。
そう、切開自体も普通は横切りだけど、その場合筋肉も切ることになるから痛みは勿論出血の量が違う。
そして麻酔も普通は局部だけど全身麻酔。
これは、局部だと腰椎に太い麻酔張りを刺した時に太い血管に刺さってしまうと大出血になるし
血小板が減っているときには止まらないで失血死することも考えられるから。
このことは手術をする前に主治医から聞いていて不安で泣いたりもした。
そのときの説明では、前回のお産(葉瑠加のとき)に子宮内反してるから
今回は恐れを逃れて帝王切開へとなった。
その為に出血が止まらなければ子宮を摘出しなければならないことも覚悟の上だった。
前回のお産のときは2千まで下がった血小板だけど今回は2万で止まってくれた。
γグロブリンをやりながらプレドニン50mg飲んでいたおかげかな?
出産自体、経膣分娩・帝王切開、両方経験したけどどっちがいいとはわからない。
それなりにメリットデメリットがあるし。
何はともあれ無事我が子が生まれてきてくれれたことが一番嬉しいことで良かったこと。
3人目はストップがかかっちゃったけど、これから2人の愛娘とともに家族仲よくにね。
辛いこと楽しいこと4人で分け合っていこうね。
歩乃果生まれてきてくれてありがとう!!