ぶつくさと〜く
【Vol.108】 トリック (2011.1)
2011年、新しい一年が始まりました!
さぁ、今年はどんな素敵な出来事が皆さんを待っているでしょうか?
(う〜ん、前向きな性格ね)
さて、昨年の年末のことなんですが、ふと、
「美味しいうなぎが食べたいな〜」と思ったのがきっかけで、浜松へと行ってきました。
(うなぎと言えば「浜名湖」くらいしか思い浮かばない脳ミソなので)
でも残念ながら予算は少なかったので(なんじゃそら)、
性懲りもなく「青春18きっぷ」で鈍行列車を次々と乗り継いで、
横浜から浜松まで、片道5時間も掛けて、ようやく辿り着いたのでした。
浜松は、帰省の新幹線などで何度も通り過ぎてはいたんですが、その街に足を踏み入れたのは初めて。
食べることが目的で、これと言った観光はしていないのですが、
浜松駅からすぐのところにある「浜松市楽器博物館」というところにだけは、
興味があったので、立ち寄ってみることにしました。
流石にヤマハ、カワイ、ローランドという国内三大楽器メーカーの本社が揃い踏みする街・浜松。
世界中の珍しい楽器が、館内を所狭しと並べられていました。
私は中学時代に吹奏楽部でテナー・サクソフォーン(サックス)をやっていて、
その楽器の発明者がアドルフ・サックスという人だということは知っていたのですが、
彼は他にも、サクソルンなどいくつかの楽器を発明したすごい人みたいで、
そんな新たな発見に、人知れず驚いたりもしたのでした。
また、ピアノの音が鳴る仕組みを実物の鍵盤の断面を使って説明してあったり、
世界中のいろんな楽器を演奏体験できるコーナーがあったりで、
地味ながらも、大変満喫することができました。
みなさんも、機会があれば一度訪れてみられてはいかがでしょうか?
(あ、うなぎの話完全に忘れとるがな・・・ま、いっか)
話は変わって、毎年年末楽しみに見続けていた、
漫才師の頂点を決める「M-1グランプリ」が、ついに終わってしまいました(泣)
個人的には、最初の頃から「笑い飯」をずっと応援していたので
(2009年の「鳥人」ネタには涙を流しました、はぃ)、
最後の最後にグランプリを取らせてもらえて、ほんとによかったと思います。
(まぁ、決勝で一番面白かったかどうかは置いといて)
しかし、あのM-1グランプリを「生き甲斐」として頑張ってこられた若手漫才師の方々も、
結構おられたと思うんですよねぇ・・・。
それが終わると聞いた時は、「え、自殺してまう芸人出るんとちゃうか?」などと、
正直、余計な心配までしてしまいました。
(今のところまだそんなニュースは聞かないのでよかった)
漫才師と言えば先日、「いとし・こいし」の「こいし」さんが亡くなったというニュースを目にしました。
兄弟ならではのネタで、軽快かつ上品な笑いを生み出す、私の大好きな芸人さんでした。
あの風流過ぎる芸名(「夢路いとし」と「喜味こいし」ですよ?)、心地よいスローな掛け合いと絶妙の「間」。
子供の頃、何故か私は、一人二役でちょくちょく彼らのモノマネまでしてましたね・・・。
(冷静に考えるとしぶい子供やな)
大変残念な訃報に、改めて時の流れを感じてしまいました。
兎にも角にも、陰ながら、謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。
さて先日、海外出張のため、朝早く成田国際空港へ向かっていた時のこと。
私は午前8時8分渋谷駅発、JRの特急成田エクスプレス(N'EX)13号に乗ろうと、余裕を持って家を出ました。
N'EXが発車するJR渋谷駅の埼京線ホームに着いたのは、列車到着の20分ほど前。
まだまだやな〜と思いながら、ホームにて特急を待つことにしました。
冬の朝、渋谷駅のホームに吹き込む風はかなり冷たいものでした。
風を避ける場所も無かったため、私の体は芯から冷えてきて、次第にブルブルと震え出しました。
その時、N'EXの到着まで、まだ10分以上。
寒さに耐え切れなくなった私は、ふと「電車に乗ってたら暖かいやん?」と思いました。
「渋谷は山手線の駅やし、一つ隣の駅まで行って、折り返して戻ってきても、まぁ5〜6分やろ〜」
私は、成田エクスプレスが向かう方向(品川・東京方面)とは逆の方向(新宿・池袋方面)に行く電車に、
ふら〜っと飛び乗ってみることにしました。
「は〜、暖かいわ〜」
そう思って「ほっこり」したのも束の間、気持ち良くスピードを上げてゆく電車の中で、
「ちょっと待てよ?」と思い、ドアの上の停車駅案内板を見つめました。
「あれ?、渋谷の次って・・・えっ、原宿も代々木も飛ばして・・・新宿っ?」
そうなんです、久しぶりに乗ったので思いっ切り忘れていたのですが、
山手線とは違い、埼京線の場合、渋谷から新宿まで6〜7分の間、どこにも停まらないのです。
軽く5〜6分で戻るつもりが、普通に往復したら15分はかかるやん・・・。
「うお〜、しまった〜、完全にN'EXに乗り遅れてまうっ!」
泣きそうになったところで電車は待ってくれるはずもなく、新宿駅へとまっしぐら。
もう無理か・・・と諦めかけたその時、新宿駅にすべり込む電車の窓から、
乗る予定のN'EX 13号が、まだすぐ近くのホームに停車しているのが見えたのですっ!
「走ればギリギリで乗れる!」と思った私は、スーツケースを片手に階段を駆け上り、
乗り換え通路を渡って、特急が待つホームへと走ります!
階段を駆け下りてようやく特急のホームに到着っ!・・・と思ったところで、
N'EXは、私のすぐ目の前で無情にも動き出してしまったのでした・・・(ち〜ん)
「やっば〜、飛行機乗り遅れたらどうしよ・・・(ぞっ)」
が、焦っている暇は無く、次の渋谷方面の埼京線に乗ってN'EXを追いかけないといけません。
私はすごすごと、埼京線のホームに戻ろうと歩き出します。
と、その瞬間、頭の中で誰かが「お待ちなさい」と言いました。
(昔のドラマ「西遊記」の中で出てくるお釈迦様(高峰三枝子)の声で〜)
「ここは新宿やし・・・中央線で東京駅に行ったら、先回りして実はN'EXに追いつけるんとちゃうか?」
急いで中央線のホームに向かった私は、ちょうどホームに滑り込んできた8:06発の東京行き快速に飛び乗りました。
祈るような気持ちで窓の外を見つめる私を、ガタンゴトンと音を立てながら、列車が東京駅まで運びます。
電車が終点の東京駅へと到着したのは、8時20分過ぎ。
到着するや否や、私はスーツケースと共に、N'EXが発車するはずの総武線のホームへと走ります。
ホームに到着すると、時計はすでに8:26。
そして、成田方面行きの行き先掲示板を見上げると、そこにはこう書いてありました。
「特急 成田エクスプレス13号 8:30発」
うお〜、ぎりぎり間に合ってるや〜ん!!
ほんともう、涙がちょちょ切れそうでした。
てことで、無事予定通りの列車に舞い戻ることができ、出張の飛行機にも間に合ったのでした。
しかし、俺、何一人で朝から「列車トリック」使って楽しんでんやろ・・・。
(俺のあほ〜)
(Vol.108 おしまい)