ぶつくさと〜く
【Vol.112】 さじ加減 (2011.5)
みなさま、ご機嫌如何でしょうか?
こちらインドのデリーは、40度越えの日々が続いております。
ただし、送り迎えの車の中とオフィス内では、基本的にクーラーがガンガンに効いてらっしゃるので、
真夏なのに長袖のシャツに薄手のジャンパーを羽織るという、ちょっと違和感のある格好で過ごしています。
さて今回は、そんな日常生活の話題をお届けします・・・まずは空気について。
ここデリーの南西部には「ラジャスターン砂漠」という大きな砂漠が広がっています。
4月、5月の乾季には、恐らくその砂漠の砂ホコリがデリー上空全体を包んでいて、この時期の空気はとてもよろしくない。
いや、恐らく砂漠がなくても、街のあちこちで行われている建設ラッシュの影響で、とにかく空気がよろしくない。
例えば家の中にいて、窓を閉め切っていても、ダイニングテーブルを3日ほど掃除しなかったら、
指で「ピ〜」っと一本まっすぐに線が引けるくらいに、白いホコリが溜まっているんです。
最初は引越で入りたてなので、天井のファンやエアコンから昔のホコリが出ているのかなと思っていたのですが、
窓を閉め切って1週間不在にしても、たっぷり白いホコリが溜まってたので、
「あ、こらもともとの空気自体が汚いんや」、そういう結論に達したのでした・・・。
(チーン)
掃除をやってもやっても、何日かしたら全体的にホコリが薄っすらと自然に溜まってきます。
逆に言うと掃除の「し甲斐」があるのかもしれませんが、正直、そんなんは要りません。
(先日よりヨメが来てくれているのですが、掃除掃除の毎日で申し訳ない・・・)
で、流石にこの目に見えるほどのホコリだらけの環境では、そのうち身体を壊してしまうのではないかと思い、
急いで空気清浄機を調達することにしたのでした(まぁ気休めなんですけどね)。
日本のように「ネットでちら見して、ワンクリックでお買い物」なんてことには程遠い文化なので、
当然自分でいろいろ調べて、メーカーに電話して、売ってるお店を確認して、
そのお店に行って、商品を見せてもらって・・・の週末。
きっとこの国の人は、空気のことなんてあまり気にしないんだと思います。
エアコンはほとんどの電気屋が扱っているんですが、空気清浄機を扱っている店はほとんどなくて大変・・・。
(ちなみにどこのメーカーに連絡しても、「家に持って行ってデモを見せますので」と言われました。
人件費の安い国やと、そういう販売の仕方なんやなぁ・・・しみじみと実感)
で結局、3週間かけてあちこち回った末に、空気清浄機を2台、無事に購入することができました。
毎日寝室とリビングとで、フル稼働してくれています。
(何度も言いますが、きっと気休めなんです)
デリーは一応首都なんですが、当然のようにしょっちゅう停電が起こります。
私は基本的には単身で赴任しているため、昼間は会社にいて家の状況は誰も知らなかったのですが、
ヨメが来てくれてからは昼間の家の事情も分かるようになってきました。
先日、外は40度以上という地獄のような猛暑の中、
エアコンも冷蔵庫も含め、すべての電気が4時間に渡って停まるという事態が発生しました。
家で一人で待っていたヨメは、エアコンも無い状態で4時間缶詰状態・・・。
(私は会社でエアコン地獄にジャンパー着こんでたんやけど・・・)
普通ならUPS(無停電電源装置)が作動して、最低限の電源は確保されるはずなんですが、
どうやらその家はUPSがインストールされていないお家だったみたいでした。
(もちろんその週末には、UPSもジェネレーター(発電機)も工事して取り付けてもらったけど)
エアコンも完全に止まってしまい、気温がどんどん上昇する室内。
途方に暮れたヨメは、家の中で一人、バケツに溜めた水に足をつけて(水と言っても蛇口からはお湯しか出ないのだが)、
ペットボトルの水でちょくちょく水分を補給ながら、暑さをしのいだと、言ってました・・・。
普通に生活するだけでも過酷な国、それがインドのようです。
先週は、シャワーの水まで止まってしまいました。
いや、正確には、蛇口から「ひとすじの白い絹の糸」のようなお湯が出る状態。
(ここでそんな美しい表現をする必要は全くないんやけど)
まぁインドでは、ホテルでもシャワーが出ないことはしばしばなので、驚きもしなかったのですが、
さすがに数日間シャワーが止まってしまうのは結構つらい・・・。
その間は、唯一まともに水が出ていたキッチンから、バケツでお湯を汲んで事前にバスルームに運んでおき、
その限られたお湯だけを頼りに、頭と体を洗う始末。
短髪(薄毛?)の私はそれほど困らないのですが、
女性は髪を洗うのとか、バケツのお湯だけじゃやっぱり大変ですよね・・・。
当然すぐにいろいろ調べてもらって、オーナーに水を屋上に送るポンプか何かを交換してもらって、
シャワー停止状態は4日間ほどで終わったのですが、それにしてもなかなか大変な日々でした。
現在は、水圧をかなり上げてくれたためか、シャワーの蛇口を全開にすると痛いくらいの水量が飛び出してきます。
(ほんまやり過ぎ・・・「ええさじ加減」というのが基本的に無い国ですので)
しかしよりにもよって、エアコン停止もシャワー停止も、ヨメが来てからいろいろな事件が起こるとは・・・。
まぁいずれにせよ、こんなサバイバル生活を送っている今日この頃なのでした。
それでは今回はこの辺で〜!
(Vol.112 おしまい)