ぶつくさと〜く

【Vol.114】 漫画 (2011.7)

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う〜ん、どう考えても電気代がめっちゃ高いんですよね・・。

インドの家の5月の電気代請求額が、なんと11,980ルピー、日本円にして22,000円ほど。
最初請求書を見たとき、思わず二度見してしまいました。

もちろん、尋常じゃない外気温の中でクーラーを使ってはいますし、
クーラーに頼る時間が当然長くなってもいはするのですが、
「人参1本数円」のこの国の物価基準で考えると、あり得ないくらい高額なんですよね。

デリーの私の家は・・・大きな3階建の一軒家の中にそれぞれ個別の玄関があって、
全部で4家族が住んでいる、という不思議な構成になっています。
つまり全部の家族が一つの家の中で別々に暮らしている、という状況なんです。

他の家庭の電気代明細を見たことが無いので何とも言えないのですが、正直、
「これって他の家族の分も実は俺が払ってるんとちゃうのん・・・?」
と疑ってしまいそうになる金額。
(だからと言ってちょっと見せてってのもヤラしいしなぁ)

まぁ請求書が来たからには払わないと本気で電気を止められてしまうので(と書いてあったし)、
大急ぎでインドルピーの小切手を持って、電力会社の支店に飛んで行ったんですけどね。

ということで、高額電気代に苦しめられているデリー生活なのでした。

さて、5月末に初めて「タージ・マハール」に行きました。
デリーからは車で4時間ほど、電車だと最速で2時間のところにある世界遺産です。

まだ雨季が始まる前の一年で一番暑い時期だったため、
タージ・マハールがあるアグラという町の気温は、45度近く・・・。
タージを象徴する真っ白な大理石も、そりゃもうアッツアツの状態になっていて、
とても裸足で歩けたものではありません。
(外国人には靴カバーを貸してくれますが、インド人は裸足にならないといけない)

しかしまぁ流石に「新・世界七不思議」の一つに数えられているだけのことはありますね。
(最近まで知らんかったんやけど・・・照)

恐ろしいまでのシンメトリー(対称性)と、美しすぎる純白の大理石。
そしてこれがマハラージャ(王様)が住んだ宮殿ではなくて、亡き妻に捧げたお墓であるということも、
そこに人間のリアルなドラマが隠されていて、この建造物の神秘性を高めているような気がします。

年間に400万人の観光客が訪れるそうなんですが、実はその95%がインド人。
自国の人々にとっても、魅力のある建物なんでしょうか?

で、何故だか分からないんですが、インド人たちは外国人を見つけると、
やけに「写真を撮らせてくれ」「一緒に写ってくれ」「子供と一緒に並んでくれ」と言ってきます。
最後には、若い兄ちゃんに手まで握られて、一緒に写真を撮る羽目になるのでした・・・。
(ぽっ・・・って、私、ええおっさんなんやけど?)

どうも観光に行ったら「外国人と写真を撮ること」がステータスなんだそうです。
確かに人口12億人も住んでいる広大な国なら、地元で外国人を見る機会なんぞ滅多にないのかも知れません。
彼らにとっては「観光地に行ったら外国人に会える」・・・それも旅行の楽しみの一つなんでしょう。

そんなインドを舞台にした、私の好きな漫画があります。
ご存じの方も多いと思いますが、それは手塚治虫の「ブッダ」。
(最近日本で映画になったらしいですけど・・・しかもX-Japanが歌て、一体どうしたいんや)

私は確か、中学生か高校生の頃に初めてその漫画を読んだんだと思うのですが、
日本人にとってはなんかホッとする、いい話なんですよね。
以前から文庫本の漫画、全12巻セットを持っていたのですが、
結構何度も読み返しては、いつも感動してしまっていたのでした。

当然のように「本場」であるインドにも持ってきていて、
寝る前にベッドに横たわって時々読んでいたりするのですが、
漫画の中に登場する絵が、本当にインドでよく見る建築様式であったり、
本当にインドでよく見る衣装であったりして、すごいなぁと感心してしまいます。

こんな壮大なテーマをよく、自分なりのアレンジを入れながらも本質を失わず、
子供にも分かりやすいように噛み砕いて描けるなぁと、驚きさえ覚えてしてしまいます。

インド国内のあちこちに、漫画の中に出てくる場所が実際にあります。
「祇園精舎」や「菩提樹」など、子供の頃から自然と聞いてきた名前の「実物」が、まさにこの国にあるんですよね。
なんだか、とても不思議な感じがしてしまいます。

時間があったらまた、ゆっくり行ってみたいな〜と思っている今日この頃なのでした。
そう言えば、西遊記で出てくる「天竺」もインドやったなぁ・・・一体どこにあるんやろ?
(まちゃあきに会えるかしら・・・)

(Vol.114 おしまい)


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