ぶつくさと〜く
【Vol.118】 恍惚 (2011.11)
海外に赴任していることもあって、飛行機に乗る機会がめっきり増えてしまいました。
特にインドは、南北も東西も3,000km近くある広大な国なので、国内の移動でも飛行機が割と当たり前なんです。
(もちろん貧富の差が激しいので、飛行機に乗れるのはごく一部の人だと思いますが・・・)
ところでみなさん、飛行機に乗られる時って、窓側の座席を希望されますか、それとも通路側ですか?
(「真ん中」に挟まれたいという人はあまり聞いたことないので割愛・・・)
私は、3時間以内の短距離路線の場合は窓側を選ぶこともありますが、基本的にはいつも通路側を希望します。
窓側の席に座ったら、もちろん空からの素敵な景色が見られるし、テンションもぐっと上がるのですが、
トイレに行く時にわざわざ隣の人に「ちょっとごめん」って言うのがメンドクサイんですよね。
まぁ一回くらいならいいですが、機内食と一緒に気持ちよくビールとかしこたま飲んだ時なんか、
トイレから帰ってきて座った瞬間に、もう一回行きたくなってたりしますからねぇ。
(じじいやがな・・・)
それに、食事をしている最中や食べ終わってトレイの回収待ちの間(これが結構長い)とか、
トイレに行きたいと思っても動くに動けないじゃないですか・・・それが辛いんですよね。
・・・と言うことで、自分の思い通りのタイミングでトイレに行きたいので、私は「通路側派」です。
しかし人間の好みって、こうやって「通路側を希望する人」と「窓側を希望する人」と、
ちゃんと二手に分かれるように出来ていて、よかったですよね。
もし人間が、みんながみんな「絶対窓側がいいっ!」って希望する生き物やったら、
今の飛行機の形ってきっと、めっちゃ極細で縦長の、インゲン豆みたいになってましたよ?
(なんのこっちゃ)
さて先日、海外のビジネスクラスに初めて乗る機会がありました。
(決して出世した訳ではないです・・・普段はもちろん、バリバリのエコノミー族)
機内に乗り込んでみて驚いたのですが、なんと壁に「Business Class」ってプレートが貼ってあるだけで、
座席はキツキツ横3人席で・・・つまりエコノミーと同じ並び。
じゃあ違いはなんじゃらほい、と言うと、座席が前方に位置しているので早く降りられることと、
3人並びの真ん中席には誰も座らせないので、隣とヒジが当たらないこと。
でも結局一人分のスペースはエコノミー席と同じで、単に「空いてるエコノミー」なんですよね・・・。
「海外のビジネスクラスってどんなんやろ?」と、搭乗前に結構楽しみにしていたのもあったので、
正直、機内に乗り込んでみて「え、何かの手違いじゃないの?」と思うほどショックだったのでした。
あ、もう一点違いがあると言えば、2〜3時間のフライトなのに、ご丁寧にもがっつりと食事が出てくること。
狭い座席で、エコノミーと同じようなトレイで食事が出てきて、ほんと、新鮮味が全く無し・・・。
しかもたまたまお腹が減ってる時間帯ならいいですが、
2〜3時間やし、そんなにピンポイントでお腹が減ってなかったりもします。
それならエコノミークラスで、食事無しでずっと起こされずに眠っていた方が幸せやったような気が・・・。
で、なんで飛行機の話が出てきたかと言うと、ここからが言いたかったことなんです。
いやほんと、先に謝っておきますが、ちょこっとだけ、自慢させて下さい(えへ)
えと・・・生まれて初めて(そして最後か?)、飛行機の「ファーストクラス」というものに乗りました!
普段私が乗っている「庶民のエコノミークラス」ではなく、一つ上の「憧れのビジネスクラス」でもなく、
そのまた一つ上の「夢のファーストクラス」です。
世界中の要人・著名人たちが利用しているのであろう、あの風の噂でしか聞いたことのないファーストクラス。
JR東海道線の快速のグリーン車でも乗るのにドキドキしてしまう私が(しょぼっ)、
ファーストクラスのフライトを体験することになるとは・・・ほんと、ある意味、世も末でございます。
成田からロンドンヒースロー空港まで、ANAの直行便フライトで約12時間半。
雲の上の天上の世界での、恍惚の時間がやって参りました。
もちろんファーストクラス料金(普通運賃:往復一人250万円)を支払えるほど大金が舞い込んだ訳でもなく、
もしくは過酷な環境のインド生活でついに頭から火が吹いてヤケクソになってしまった訳でもなく、
単に溜まっていたマイルを使ってたまたまアップグレードできただけなんですが・・・。
それにしてもANAのファーストクラスの空間・・・一言で言うと「めちゃ広い!」
しかもファーストクラス席が8人分あったのですが、私とヨメ以外の客は1人だけ、
つまり全部で3人しか乗客がいませんでした。
なので、1席は常時フルフラットなベッドとして利用し、もう1席は食事や映画を楽しむ座席として使うという、
1人で2席を専有、なんとまぁ贅沢極まりない使い方をさせてもらえることに・・・。
何が驚いたかって、乗ったらすぐ「お着替え」があったこと。
着替えの間(ってトイレやけど)に案内され、薄手のスウェットのようなパジャマのような服に着替え、
空の上ではもう完全に、まったりくつろぎモードのイデタチにさせられてしまうのでした。
そして当然のように、食事は贅沢な食材をふんだんに使った料理の数々から自由に選ぶことができ、
「味付け」だけでなく、「盛り付け」からして本気の料理で、もう・・・参りました。
ほんと、一生に一度あるかないかの経験で、興奮しまくり写真撮りまくりの田舎モン丸出しの私。
寝たらもったいない気がしてほとんど起きていたので、正直、全然寛げなかったんですがね・・・(あほ〜)
でもまぁ、私のような庶民には、ファーストクラスは「too much」なサービスでした。
夢を見るのは一度で十分、これからは「憧れのビジネス」を目指して頑張ろうと思います。
それでは今回はこの辺で〜!
(Vol.118 おしまい)