ぶつくさと〜く

【Vol.117】 大人の事情 (2011.10)

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いきなりですが、ここインドでは「ドラえもん」が放送されています。
お菓子のオマケにドラえもんのシールが付いて来たりするほど、知名度があるキャラクターなんです。
なので、日本からドラえもんグッズをお土産に持って行くと、子供のいるインド人は結構喜んでくれたりします。
(えと・・・もし喜ばれなかったとしても責任は持てませんので、悪しからず・・・)

ドラえもんに限らず、例えば海外で本屋さんに立ち寄ってみると、
漫画本のコーナーでは、英訳された日本の漫画を結構目にします。

以前 Vol.114 に「私の好きな漫画」と書いた手塚治虫氏の「ブッダ」も、当然のように英語に訳されていて、
海外のあちこちで、そしてブッダの本拠地であるインドでも、もちろん発売されています。

しかも驚いたことに、英訳されている部分がいわゆる「吹き出し」の中のセリフだけではなくて、
例えば「ビュウ」という風の音(しかも流れるような形で書かれている)まで英語化されているんですよね。
つまり、元の漫画の「画」ごと、英語版に書き換えられているんです。

あれ、手塚風のタッチを残しながら書き換えるのん、かなり大変やったんとちゃいますかね・・・?
そこまでして英訳するって・・・本当にすごいことだと思ってしまいます。

ただ一点気になるのは、日本の漫画って基本的に「右から左」に読んでいくじゃないですか?
それがなんと「左から右」・・・つまり読む方向まで欧米仕様になっていて、読んでて気持ち悪い・・・。
外車の左ハンドルは受け入れるとしても、日本発の漫画はそのまま「右から左」でよかったんじゃないでしょうか?
(ムーディー勝山もそう言うてました)

・・・まぁいずれにせよ、日本の巨匠たちの素晴らしい作品を、海外の多くの人に知ってもらえるって言うのは、
同じ日本人の一人として(見た目はさておき)、とても嬉しいことです。

西暦200年頃の中国の戦乱の時代を、実に100年近くに渡って描いたストーリー、ご存じ「三国志」。
この三国志を好きな男性は結構多いと思いますが、私ももちろんその三国志の一ファンです。

最近まで私は三国志の話を、吉川英治氏の小説でしか読んだことが無かったのですが、
ヨメにも少し三国志の世界を知ってもらおうと(←これを口実にして〜)、
横山光輝氏の漫画(文庫版)の三国志を、全巻(30巻)買い揃えてしまったのでした。

横山漫画の中に登場する英雄たちの表情は、今まで小説の中で勝手に想像していたものとも、
映画などで見てきたものとも違っていて、読んでいて多少の違和感を感じたりもするのですが、
それでも、壮大なストーリーを漫画にしようと思ったその意気込みだけでも、すごいなぁと感心してしまいます。

以前、横山氏の出身地である神戸市の「新長田」と言うところに行きました。
そこには巨大な鉄人28号(横山作品)のオブジェがあって(今もあるのかな?)、
それが話題になったので、大阪に帰省した際にわざわざ神戸まで見に行ったのでした。

行ってみると、横山三国志に出てくる英雄たちの顔と名前が描かれた旗が新長田界隈のあちこちに掲げられていて、
一人ひとりのシーンを思い出しながら(そして「これ誰やったっけ?」とか思いながら)、
のんびりと街歩きをすることができて、とても楽しめる場所でした。

まぁでも・・・最初に小説で読んでしまった影響が大きいのだと思いますが、
個人的には「やっぱり三国志は小説の方が、ストーリーに深みもあっていいなぁ」と感じてしまったのでした。
(これだけ漫画版を盛り上げておいたのにこのオチ・・・済みません)

さて、漫画の話題ついでにもう一つ。

最近の話なんですが、ヨメからのリクエストもあって(←これは本当にそう)、
TBS系で放送されていた「まんが日本昔ばなし」のDVDを買おうか〜、という話になりました。
今でもTVで時々再放送をしているし、言うても子供番組のDVDなので、
お気軽な値段で買えるかな〜と思いながら、DVDの価格を調べてみました。

すると・・・DVD 1巻に4話しか入ってないのに、なんと1巻3,000円・・・。
全部で240話あるそうなので、全部揃えるとすると60巻・・・。
え〜と、3,000円が60巻として・・・な、なんと総額18万円!

うぎょ〜! たかが昔の話に、18万もかけなあかんのか〜ぃ!!
(「たかが」は言い過ぎました・・・失礼)

で、さらにいろいろ調べていると、その「まんが日本昔ばなし」の制作会社が、
最近どうやら「自己破産したらしい」などと言う記事を見付けてしまいました。
あぁ・・・てことは、その費用回収で必死なんでしょうかねぇ・・・(泣)

市原悦子さんや常田冨士男さんの温かみのある声で聞かせてくれる、
ほのぼのした子供向けの昔話の裏側で、そんなリアルな現実が待っているとは・・・。
何か、大人の事情がちらちらと見え隠れしているような気がして、ほんと悲しい限りです。

でも、だからと言ってそんな大金を出して全巻揃えてしまったら、
その制作会社だけじゃなく、こっちまで破産してしまう羽目になるので、結局DVD購入は断念してしまったのでした。
(頑張って番組の「自動録画設定」をしておけば、数年後には全話集まる・・・かも)

・・・とまぁ、そんなこんなで今年もあと2ヶ月ほどになってしまいましたね。
段々と寒い季節が近付いてきますが、今年も熱い気持ちで、凍える冬を乗り切ることにしましょう!

それでは今回はこの辺で〜。

(Vol.117 おしまい)


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