ぶつくさと〜く

【Vol.130】 口直し (2012.11)

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ここデリーも、一気に寒くなってきました。

・・・と同時に、暑さと雨が過ぎ去って、最高気温が20度近くまで下がるデリーの冬、
まさに観光に最も適したシーズンの到来とも言えます。

以前より仕事の無い週末は、極力もっと「インド」を知ろうと、
月に少なくとも1回は、どこかインド国内へ旅に出るようにしていましたが、
広〜いインドはほんと、人も文化も千差万別。
どこに行っても「きちゃない」ことだけは共通してますが、少しずつ見える「顔」が違っていて面白いです。

今回はそんな中でも、インドの食にまつわる話をば少々。

***

チベット仏教の最高地位(法主)に君臨するダライ・ラマが住んでおられる、
インド北部の町、ダラムシャラー(ヒマーチャル・プラデーシュ州)。

ここは、インドの中とは思えないほど、チベット色が濃い町です。
チベット僧侶カラーである「エンジ色と濃い黄色」の僧侶服を着た人々が、
当たり前のように、町の通りを歩いています。

顔もインドよりは中国に近い顔なので、ちょっとした日本の田舎にでも来たような気分。
(それはちょっと言い過ぎか?)

さて本題の食べ物ですが、中華料理に近いチベット料理がほとんどで、
チベット風のギョウザである「モモ」や、うどん風の「トゥクパ」など、
美味しくてスープが多くて温まる食べ物がたくさんあり、日本人にはほっとする町でした。

ほんと、インドの中にいても(世界中どこにいても)、
やっぱり日本人は中華の味付けが恋しくなるんやなぁ、とつくづく思います。

シーク教の聖地「黄金寺院」が街の中心にある、
こちらもインド北部の町、アムリトサル(パンジャーブ州)。

その黄金寺院の半径2kmくらいの範囲内では、ノンベジ(肉入り)の食事はまず見付けられません。
それだけこのエリアには、敬虔なシーク教徒たちのみが住み、
敬虔なシーク教徒だけがインド各地から集まってくるのでしょう。

頭にターバンすら巻いてないのに、ついつい勘違いして宿を黄金寺院近くに取ってしまった私。
(だって観光に便利なんやもん・・・)
お腹が減って「あぁ、がっつり食べたいなぁ」と思っても、周りはどこも「ベジレストラン」ばかり・・・。

まぁ一日くらいなら全然構わないんですけれど、
丸二日間ベジタリアンの食事しか取れないと、それはそれで結構つらいものがあります。

きっと体力的に持たない、とかそういうことではなくて、何でしょう、
その「お肉禁止〜!」と制限されてしまっていることへのストレスなんでしょうか?

いずれにせよ、厳格な宗教的な戒律の一部を肌で実感できるような、
そんな気分になってしまう町なのでした。

先日、インド西部にあるアフマダバード(グジャラート州)というところへ行きました。
あの有名なマハトマ・ガンジーが、活動の拠点としていた町です。

インドの中でもここは、何故かカレーが甘いんです。
もちろん、日本で言うところの甘口とか中辛とか、そういう意味の甘さではなくて、
本当に、砂糖の甘みを露骨に感じられる甘さなんです。
(スピードワゴンに食べさせてみたいな・・・って古っ!)

折角来たからには地元の料理をと、とあるアフマダバードの高級なレストランで、
「グジャラート・デラックス・ターリー」という、一番お高いコースを頼んでみたのですが、
カレーだけでなく、出てくる食べ物がどれも結構甘く・・・。

普段、別に甘いものが平気な私でも、
何種類か出てくるカレーが全部甘い、ポテトも甘い、そしてパンも少し甘め。
ほんと、皿の上に乗っている何を食べても砂糖味がして、
口直しに何か・・・と思っても、口を直せないんですよ・・・(泣)

きっと量が少なかったら「とてもとても美味しいディナーやったなぁ」で済むのですが、
コースでどんと大量に出てきているので、途中から「ウェップ」の状態になってしまい、
最後の方は涙ながらに、水で食べ物を流しこむ羽目になったのでした・・・。

・・・とまあ、一口にインドと言っても、こんなにいろんな特色があって、
もちろん南インドに行けば全然違う味付けですし、材料も変わってきますし。
どこに旅立っても楽しむことができる、そんな素敵な国なのでした。

※しかし流石に「日本のカレーの味」が出てくるインド料理のレストランに出会ったことはないなぁ・・・。

(Vol.130 おしまい)


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