ぶつくさと〜く

【Vol.58】 ブラウン (2006.11)

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10月の頭に、九州旅行に行ってきました。
熊本市街〜高千穂峡〜阿蘇〜黒川温泉〜湯布院温泉〜別府温泉と、
九州中央部をのらりくらりと横断する、3泊4日の旅でした。

途中まではとても天気がよく、高千穂の峡谷も、阿蘇の外輪山も、
ダイナミックな自然美を思う存分に見せつけてくれていました。

今回の旅の一番の目的は「湯布院でゆっくりすること」だったのですが、
残念ながらそのメインの街に到着する頃から、
段々と空の雲行きが怪しくなってきていました。
(う〜ん、ワタシ、日頃の行いがずいぶん悪いのね)

おかげで高さ1,584メートルの由布岳の見晴らしはそれほど良くなかったものの、
泊まった旅館は全室離れになっていて、しかも部屋に露天風呂が付いていて、
しっかりと美味しい料理も食べられるという、
まぁ高級とまではいかないですが、そこそこえぇところに泊まりました。
(湯布院というだけで相場が結構お高めでして・・・)

さて、料理とお風呂に満足した後は、部屋でたっぷりリラックスし倒し、
夜12時にはすでに布団にもぐりこんで、気持ち良〜く眠りにつき始めていました。
は〜、快適な旅館で、満足満足〜。

事件は、突然発生しました。

私たちの離れの玄関の方で、何の前触れもなくいきなり、
「ガラガラガラ」と扉が勢いよく開けられるような音がしたのですっ!

「え?・・・な、何? ま、まさか強盗とちゃうやろな・・・!?」

なかなか眠りに就けなかったために隣でテレビを見ていた嫁も、
「えっ?」という顔になっていました。

刃物を手にした暴漢が、玄関から堂々と侵入して来たんかも・・・!?
私は半分寝ボケながらも、とりあえず何が起こっているのかを確認しようと、
布団から上半身を乗り出して、
「がらっ」と部屋の襖(ふすま)を思いっきり開けて玄関を見ました。

するとそこには・・・なんと、明らかに宿のスタッフとは異なる格好をした、
50歳くらいのおっさんが立っていたのです!

「へ・・・? だ、誰・・・?」
何しろこっちは完全に寝起きなもんで、
何が起こってるのか、状況が全く掴めない・・・。
(まぁ寝起きでなくても状況掴めんかったやろけど)

しかし、何故かその強盗のおっさんも、びっくりした顔付きでこちらを見るや否や、
「失礼しましたっ!」と言って外に出て、扉を慌てて閉め、
そしてご丁寧にも、ちゃんと鍵を掛けて去って行ったのです。

「な、何なんじゃ? なんで関係ないおっさんがここの部屋の鍵を持ってるんや??
一体全体、何がどうなっとるんじゃ〜〜ぃ!!!」

とは言え、おっさんが去って行ったことで再び平穏が訪れたので、
もう大丈夫なんかな?と思って、もう一度眠りに入ろうとしました。
しかしすぐに、「いや待てよ、合鍵持ってるんやったらもぅ一回入ってくるかも・・・?」
などと、頭が冷静に考え始めてしまい、
気になって全然落ち着いて眠れない状態に陥ってしまいました。

結局最後にはフロントに電話して(って、もっと早くしたらよかったんやけど)、
「変なおっさんがいきなり入ってきたんやけど?」と聞くと、
彼曰く、「すみません、見回りの警備の人間でして・・・」

がっちょ〜〜〜ん!

そうなんです、空室となっている部屋に不審者がいないことを確認するために、
夜中に警備員が見回りをしているときに、
私たちの部屋を空室と間違えて、扉を思いっきり開けてしまったそうなんです。
(だからスタッフとは明らかに違う、警備員の格好をしてたのね)

電話を切り、「な〜んや、強盗じゃなくてよかった」と思いながらも、
頭がさらにはっきりするにつれ、怒りがふつふつと沸き上がって来ました。

おぃおっさん、めっちゃビビったやないか〜〜〜っ!!!

まあ流石に翌朝出発する間際に、「昨晩は失礼しました・・・」と、
ちゃんとお詫びがあったので、えぇんですけどね。
(さすがに湯布院で「じゃあちょっとマケろよ」とは言えんかった・・・う〜ん、俺って大人)

てことで、そんな怖い思いをした湯布院での一夜だったのでした。
(次はこんなことの起こらん、もっとちゃんとした高級旅館に泊まったるっ!)

さて話は変わり、会社で「ウォーキング」のイベントがあるとのことだったので、
普段の運動不足を解消するべく、参加してみることにしました。

そのイベントは、うちから電車に揺られて1時間半ほどかかる、
多摩動物公園(東京都日野市)というところで開催されました。
(その1時間半で、近所をうろうろしてた方がよっぽど運動になったんかもしらんけど・・・)

ウォーキングと言っても、ファミリーで参加してもらうようなイベントなので、
ただ動物を見ながら、ふらふら〜と自分たちのペースで歩くだけ。
まぁそれでも、いろいろな動物を見て楽しみながら、
普段よりかなりの歩数は歩いたので、多少の運動にはなったと思います。
(ところどころに「動物クイズ」も設置してあって、子供たちには楽しかったことでしょう)

しかし、ものすごくたくさんの人がイベントに参加していて、びっくりしました。
これ、全国数箇所で開催されるイベントなんですが、今年は合計15,000人以上も参加したそうです。
きっと動物の子供たちも、「今日は立って歩く動物の展示がずいぶんと多いなぁ」と思って、
人間たち以上に楽しめたんとちゃいますかね?

そして、たくさん歩いた後には、なんとお弁当とお茶まで支給されるんです。
う〜ん、至れり尽くせりのイベント・・・。
道理で参加する人が多いと思ったら、「一食浮かしたろ」という、
メシだけが目的のファミリーもいっぱいおったんとちゃいますかねぇ?
(純粋な気持ちで参加した方々、失礼なコメントで済みません・・・)

まあとにかく、スポーツの秋を満喫できた一日となったのでした。
(スポーツ・・・かな?)

最近、「味の素スタジアム」や「スカイマークスタジアム」といった、
いわゆる企業名や商品名が付いた施設が増えてきましたね。
スポーツ施設以外にも、「シャネルルミエール(東京国際フォーラムガラス棟)」や、
「C.C.Lemonホール(渋谷公会堂)」なんてのもあるみたいです。

いわゆる「命名権ビジネス」と言うやつで、施設の名前を企業の宣伝に使わせる、
つまり金のために名前まで売ってまえ、という訳ですよ。

あれほんと、やめてもらえませんかねぇ?

今まではちゃんと、「名前」がその「場所」を表してくれていましたよね。
「東京スタジアム」や「神戸総合運動公園野球場」、「福岡ドーム」、「横浜国際総合競技場」という風に。
そこに住む人々も、自分たちの土地の名前が付いているからこそ愛着がある、
少なからずともそういう気持ちの一面はあると、私は思います。

それが「味の素スタジアム」、「スカイマークスタジアム」、「Yahoo!JAPANドーム」、「日産スタジアム」、
そんな名前で呼ばれた日には、残念ながら何の愛着も感じられませんよね?
それにTVで名前を言われても、「それは一体、どこにあるんじゃぃ?」と思ってしまいます。
(ほんま、バーチャルの世界にあっても分からんな)

まぁまだ、そこの施設が一生その同じ名前でずっと通してくれるんならいいですよ。
それはそれで、年が経つに連れて、段々と名前がみなさんに浸透してきて、
将来的には違和感がなくなって愛着が持てるのかもしれないですから。

と言っても、奴らはどうせそんな「利用者目線」では全然考えていないはずなので・・・、
結局は、スポンサーが変わるたびにその施設の名称が変わるんですよね。

「西武ドーム」は、2005年からに「インボイスドーム」と呼ばれるようになったんですけど、
もうインボイスとの契約が切れて、来年から(かな?)はまた違う名前になるそうなんです。

ほんま、あほ丸出しですよね・・・。
利益を優先して、利用者のことをまったく考えていない。
(思い切って昔のまま、「所沢球場」とかでええやん?)

他の施設でも、何年かしたら同じように名前がコロコロ変わってしまうんでしょうか。
なんか、ちょっと悲しい気がします。

さてその命名権、最近は様々なものにまで付くようになってきたらしいです。
スタジアムの中の「ゲート」や、「ゴルフ場」、そして「バス停」までも。
ほんま、えらい世の中になってきてしまいましたなぁ。
(おっさんの発言やな)

ん、待てよ・・・このまま行くと、ひょっとすると数年後には、
「モノ」だけではなくて「ヒト」にまで企業名が付けられてまうんとちゃいますか?
う〜ん、そうなったら、サッカーの実況中継なんかするのん、きっと大変ですよ。

「さあ、青のユニフォーム、日本代表のスターティングイレブンを紹介しましょう。
キーパーは、タカシマヤ、
ディフェンスは右から、竹中工務店、アデランス、大野屋、
ミッドフィルダーは、ジャパネットたかた、日野自動車、ピップフジモト、
近未来通信、たかの友梨ビューティクリニック、
フォワードは、吉本興業、そして・・・巻(お〜)」

こら完全に「ご覧のスポンサーでお送りしました」言うて、
放送終わってしまう流れじゃないですか。

まだ企業名だけならいいですけど、徐々にスローガンまで付いて、一人一人が、
「右サイドを駆け上がるのは『おはようからおやすみまで、暮らしをみつめるライオン』です」(古っ!)、
「おっと、ロングシュートは『お金で買えない価値がある。買えるものはMasterCardで。』だ〜」(文章やがな)、
こんな風になったら、もう手が付けられないですよ。

そして最後には・・・野球場でのうぐいす嬢の放送は、こんな風になるはずです。
「4番、サード、ブラウン・プロソニックシェーバーBS9585 29,800円、
2006年12月31日までなら10%キャッシュバック付き〜」

・・・長っ!!

こんな、誰が誰なのか、もぅ人間かどうかすら分からん世界になってしまうかもしれません。
ほんと、いい加減な名前を付けるのは止めてもらいたいもんです。

さて、あほなこと言うてる間に今年もあと少しになり、
年々早くなっていくクリスマスイルミネーションが、街に現れ始めましたね。
(そのうち12/26くらいから次の年のクリスマスイルミネーション始めるんとちゃうか?)

みなさん、冬の支度はできてますでしょうか?
温かい心で、今年最後の力を振り絞って頑張っていきましょう!

ホット、ホットホット。(あ、やってもた・・・)

(Vol.58 おしまい)


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