ぶつくさと〜く

【Vol.57】 学級会 (2006.10)

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だんだんと涼しくなり、秋らしい日が多くなってきましたね。

私たち人間が、どんなに文明を発展させようとも、
どんなに戦争やテロで命を奪い合おうとも、
そんなこととは一切関係なく、季節は必ず移り変わる。

季節の変わり目になるたびに、ついつい、
いつまでも変わらないその「悠久の時の流れ」に感心してしまうのは、私だけでしょうか?
(そして大概、風邪をひいてしまう・・・)

それはさておき、富田家の移動手段は、おかげ様で電車とバイクだけ・・・(泣)。
となると、この時期になると、少々不便になってくるんですよね。
だって冬場のバイクなんて、単なる「罰ゲーム」ですから。
ほんと、バイクが使えなくなるこれからの時期は、行動範囲が狭くなるので困ったもんです。

さて今回は、度々登場する、そんなワタクシのバイクのお話をば。

私が大学時代から乗っていたバイクは、HONDAのJADE(250cc)という、
深緑色の、いわゆるネイキッドタイプのものでした。

ぶつくさと〜くVol.30にも書いたのですが、
そのバイクは、中古で安く譲ってもらってから何年も乗り続けていたモノなので、
流石に動かなくなってしまうことがしばしばでした。

よくある症状は、エンジンを始動するボタン(スターター)を押しても、
「ブルンブル〜〜ン!」と気持ちよくエンジンがかかるのではなく、
「カッカッカッカッカッ」という、バイクが頑張ってる意思表示のモーター音がするだけ。

しばらく経ってからもう一度やっても「カッカッカッ」、
手で押してバイクを動かしながらやっても「カッカッカッ」。
ほんと、思わず「お前は、『阿修羅面・笑い』かっ!」とツッコんでしまいそうになります。
(このキン肉マンネタは分かりにくいな・・・)

そして、だんだんとバッテリーが上がりそうな感じの息絶え絶え状態になり、
最後には「カッ・・・カッ・・・・・カハッ」とご臨終(チーン)を迎え、
結局は、バイク屋まで重いバイクを押して行く羽目になるのでした。

※その悲しみの一端を「どたばた旅行記・北海道上陸編」でも垣間見て頂けます。

さて、現在乗っている二代目のバイクは、これまた中古で購入した、
HONDAのV-TWIN MAGNA(250cc)という、シルバーのアメリカンタイプ。

まぁアメリカンと言っても250ccなので、ハーレーのような本気のバイクではないのですが、
それでも低いシートにがっしりした車体、V型に開いた2本のマフラーなど、
ちょっとええ感じのバイクで、とても気に入ってます。

しかし残念なことに、今回のバイクも調子が悪いときがあるんですよね。
しかも前のんよりタチが悪く、スターターを押してもうんともすんとも言わない。
まるで、生徒たちが怒られているときの学級会みたいに、「シ〜〜〜ン」としてくれるんです。

それがまた、「ここぞ」という大事な時ほど、気持ちよ〜く止まってくれるんですよね、彼は。
そう、あれは一生忘れることは出来ないであろう、私の「入籍日」だったのです・・・。

その日は、朝から区役所へ行って入籍届を提出し、その後すぐに新幹線で軽井沢に向かって、
夜には教会で式を挙げることになっていたという、
まさに人生の大切な1ページとなる日だったのでした。

朝からわりと過密スケジュールだったため、時間通りに家を出発して、バイクでいざ区役所へ!
・・・と思った矢先に、噂の学級会が始まったのですっ!!

スターターを押しても、しら〜〜っ・・・。
も一度押しても、しら〜〜っ・・・。
あの手この手で何度もチャレンジしてみても、やっぱり、しら〜〜っ・・・。

オ〜〜ノ〜〜!カミサマ〜〜〜!!ホトケサマ〜〜〜!!
なんでよりにもよってこの大切な日に、このオチが待っとるんじゃ〜〜いっ!!(泣)

仕方ないので、結局バイクは諦めて、大急ぎで自転車を取りに走る・・・。
皿田きのこちゃんの三輪車のようにキコキコという音を立てながら(次はアラレちゃんネタか)、
二人乗りの自転車を必死でこぎまくり、区役所まで疾走する羽目になるのでした。
(入籍初日から、前途多難な未来を暗示している事件ね・・・)

まあそんなこんなで、なかなかの悪童ぶりを発揮してくれている現在のバイクなんですが、
もちろん、今も毎週のように愛用しています。
なんと言っても、ちょっとしたお出掛けにはめっちゃ便利なんですよね、バイクって。

まぁきっとこれからも、もっともっとおっさんになっても(十分なってるけど)、
変わることなく、バイクには乗り続けるんだと思います。

・・・ということで、今後バイクにさらに快適に乗れるようにするために、
二人乗りの後部座席用の背もたれパッド(バックレスト)を付けることにしました。
中古で購入したときから「シーシーバー」という、
金属パイプで出来た背もたれ型の金具が付いていたんですけども、
パッドが付いていないので、しっかりともたれかかることが出来なかったんです。

まぁ背もたれくらいなら、数千円ほどで売ってるかな?と思っていたのですが、
HONDA純正のバックレストセット(金具+パッド)の料金をネットで調べてみると、
な、なんと2万円以上・・・。
う、う〜ん・・・け、結構お高いですやん?(泣)

一晩嘆き苦しんだ挙句に、考え出した結論が、
「よし、パッド部分だけ買って、後は自分でなんとか付けて見よう」

思い立ったらすぐ、ということで、パッド(約6,000円)を購入し、
また、近くの日用品屋で適当な金具も購入しました。
そして休みの日に、汗水垂らしてその金具を折り曲げたり穴を開けたりして加工し、
見栄えは70点ながらも、なんとかパッド取り付けに成功しました。

金具代は、なんと約500円(安っ!)。
いや〜、こんなにお安い材料だけでちゃんと完成させられるとは、よっぽど俺の腕がええんやな。
いっそ大工にでも転職したろか〜、あっはっは〜〜〜っ!

・・・と思ったのも束の間、近所の買い物に数回ほど行っただけで、
「ん、なんかちょっとぐらぐらしてきてないかぃ?」

そう、取り付けた金具にだんだんと歪(ひず)みが出てきてらっしゃって、
苦労して取り付けたパッドの部分が、最後にはもぅ、
グラングランのグランドフィナーレ(さよならするのはつらいけど)になってしまったのです。

オ〜〜ノ〜〜!カミサマ〜〜〜!!ホトケサマ〜〜〜!!(またか)

まあ結局は、2万円ほど出して、HONDA純正品を購入するというオチに・・・。
必死で日曜大工したのが、完全な無駄骨に終わってしまったのでした。

そんなこんなで、いろんな想い出が詰まっているバイクですが、
今年のバイクでのお出かけは、もぅそろそろおしまい。
バイクさん、今年も一年間、お世話になりました。

次の春、暖かな太陽が戻ってくる頃にまた、バイクで遠出したいと思います。
そう、また新たな想い出を作るために。

(Vol.57 おしまい)


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