ぶつくさと〜く

【Vol.62】 リモコン (2007.3)

[ top | prev | next ]


春らしい柔らかな日差しが肌に気持ちいい季節になってきた、
・・・かと思えば朝晩は冬の寒さがまだ残っている、
ここ横浜はそんな毎日ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

東京の上野公園に「東京国立博物館」というミュージアムがあるのですが、
そこにレオナルド・ダ・ヴィンチの数少ない完成絵画作品のうちの一つである「受胎告知」が、
イタリア・フィレンツェのウフィツィ美術館から、初めて日本にやってきています。

・・・ってことで、ダ・ヴィンチの若き日の傑作をたっぷりと堪能するために、
早速、開催初日、しかも平日の昼間に(会社をお休みして)行ってしまいました。
(う〜ん、アホ丸出しね・・・しかも招待券でごめんなさい)

さてそんなプチ情報はその辺にして・・・、まぁ通勤電車がよく遅れるんですよね。
(えらい唐突な展開やな)

もぅ完全に慢性化していて、客も慣れて感覚がマヒしてしまってるんですけど、
まぁ5分、10分は平気で到着が遅れるんですよ。
それがまた、停止信号かなんかで、途中の駅間で何度も停まってのノロノロ運転・・・。

これ、朝の通勤電車に乗ってる人の大半がサラリーマンやから、
会社で「はぃ、遅刻〜」って言われるだけで済んでますけど、
これがもし「サラリーマン」やなくて「ウルトラマン」やったら、
電車が駅間で停まっている間に、
戦ってもおらんのにいきなりカラータイマーが点滅し始め、
ピコンピコンピコン言うて胸の谷間を赤らめている間に、
「ちょっとごめん」言うてすぐさま飛んで帰らなあかん時間になる訳ですよ。
(ずいぶん気さくなウルトラマンね・・・)

まぁそれは置いといて、その電車が駅間で停まっている間の辛いこと辛いこと。
ほんと、まるで周りのおっさんに抱かれてるような混み具合なので(ぽっ)、
停止中はずっ〜〜と、肉体的にも精神的にもかなり辛いんですよね。

人がアホほどいる街なので、そうやって電車が遅れるのは仕方ないと思うのですが、
どれだけ電車が遅れていても、その時々の「車掌さん」の人間性によって、
こちらの気分もずいぶんと変わってくるもんです。

ちゃんと乗客の気持ちを考えることができる車掌さんの場合は、
「ただいま停止信号のため停車しております、
お急ぎのところ申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください」
みたいなことをちゃんと言って(まぁマニュアル通りかもしらんけど)、
しかも1分も電車が同じところに停まってそうなもんなら、
客も我慢できずにゴソゴソし始めるので、それを察してか、
さらに一言二言何か「気遣い」のアナウンスをするんですよね。

しかし「残念な車掌」の場合には、
「ただいま停止信号です(ガチャッ!←マイクを置く音)」とだけ言って終わり。
そして、しばらく電車が停まり続けているのに、な〜んにも言いよらんのですよ。
「おぃ、謝れよっ!」とまでは思いませんが、
ど〜ぅ考えても、少しは客の心情を考えて、イライラ感が募らないように、
丁寧な対応で時々状況を説明してあげるべきだと思うんですけどねぇ・・・。

あと、最近多くなってきたのが、
電車が遅れているのを、1本前の電車のせいにするパターン。
車掌の説明は、こんな感じで言い放って終わりなんです。
「前を走っている電車が遅れているため、この電車も遅れています(ガチャッ)」

まぁ大半の客は「前の電車が遅れてるんならしゃあないか」と思うのかもしれませんが、
なんかこう悪びれもせずに言われると、私なんかには、
「前の電車のせいなんだから遅れても仕方ないでしょ?、この電車は悪くないでしょ?」
って言っているように聞こえて、ちょっとイラっとくるんですよね。

「いゃいゃ、なにを他の電車のせいにしとんねんっ!
どいつが遅れようと、お前んとこの会社の電車が遅れとんじゃいっ!
平然と言いさらすな、ボケッ!」って思ってしまうのは、
ボクちゃんがまだ未熟な人間だからなんでしょうか?
(気持ち悪っ)

でもほんと、乗っている電車の「車掌の一言」によって、
気持ち良く過ごせるか、イラっとくるか、ずいぶんと気分が違うもんです。
別に笑わさんでええので、混み混みの電車に乗っていても、
多少はイライラしないようなコメントを言ってもらえればと思います。

※電車ではないですが、高知空港であった胴体着陸の機長と客室乗務員は、
きっと客の気持ちをまず第一に考えて、
安心させるために、あの手この手を尽くして必死で頑張ったんだろうと思います。

みなさんも、電車に乗っていて、
車掌さんの言葉でこんな思いをしたことはありませんでしょうか〜?

え〜、電車の話が出たついでに、今回はそのまま電車の話を連発でぇ〜。
(決して電車オタクではな〜ぃ!・・・はず)

もぅずっと以前のことなんですが、こんなことがありました。

これも朝の満員の通勤電車での話なんですが、電車が途中駅に着いたので、
ドア付近に乗っていた私は、乗客の乗り降りのために一旦ホームに出ました。

再び電車に乗り込もうと、人垣の後ろでしばらく待っていたんですが、
もう降りる人はとっくに出たはずなのに、何故か人垣が一向に前に進まないんですよね。

「通路を開けようと一旦降りたために、自分が乗ってきた電車に乗り込めない」現象は、
虚しくもちょいちょい起こっていることなので、
おぃおぃ、またそうなるんとちゃうやろな〜と焦っていたのですが、
どうやら今回は、人垣から誰一人として乗り込めていないようなんです。

まさか、めっちゃ頭のデカい「栗頭大五郎」さんが乗っているはずもないので(なんのこっちゃ)、
「何や、何が起こってるんや?」と思って人垣の隙間から覗き込んでみると、
ドアの内側に、若い女性が「く」の字になって倒れているのが見えました。

混雑で気分が悪くなったのか、貧血になったのかは分からないのですが、
女性は完全に意識を失っていました。
そして可哀想なことに、倒れたときに少しだけ失禁してしまっているようでした。

でも周りの客たちはただ突っ立っているだけで、誰も助けようとしないんですよね・・・。
ほんま、ええおっさんがいっぱいおって、誰も助けたらんのかぃ!
可哀想やから、せめてなんか羽織ってるものくらい上から掛けたれよっ!

まぁ、東京人がそんな人間ばかりだとは思いませんが、
そのときは「なんて冷たい街なんや」と、怒り交じりの強烈な悪印象を受けた記憶があります。

その女性の方はと言うと、すぐに意識を取り戻して起き上がり、
電車を降りて、割としっかりした足取りでホームを歩いて行ったので、
きっと大丈夫だったんだろうと思います。

私は、なんかちょっとだけイヤな気持ちになって会社へ向かいました。
誰一人として助けようとしないなんて、信じられへん・・・。

これがもし大阪で起こっていたら、きっと「もぅ要らんて」っていうくらい、
「おぃ姉ちゃんどうした?」「しっかりしぃや!」などと、
我も我もと人が関わろうとしてくるんとちゃいますかね?
(まぁ、それはそれで結構迷惑な話なんですが〜)

でもひょっとすると・・・今の大阪はもぅ、
そんな街ではなくなってしまっているのかもしれません。

もしそうやと、寂しいなぁ・・・。

さて先日、JR山手線の外回り電車で渋谷駅まで向かっていました。

渋谷に着いたらすぐに乗り換えができるようにと思い、
電車が途中の目黒駅に到着したときに、一旦電車から降りて、
ホームの端を先頭車両の方に向かって歩いていました。

発車の音楽がなかなか鳴らなかったので、しばらく歩いていると、
私の少し前方のドアで、独りの若い女性が電車に乗ろうとしていました。
女性は、ドアに向かって真正面から進んできて、
今まさに電車に乗り込もうとしているところでした。

女性が電車に乗るために、ホームと電車の段差分だけ、
ちょっと足を上げた、まさにそのときでした。

女性の履いていた「かかとヒモ」の無い靴(ミュール?)が脱げてしまったのです。
そしてその靴は、女性が足を前に出したときのスピードをきっちりと保ち、
すっこ〜〜んと勢いよく前に飛び出したのです。
(う〜ん、「慣性の法則」炸裂ね)

まるでゲゲゲの鬼太郎のリモコン下駄のように(若い人には分からんやろな・・・)、
そのまます〜っとホームを50cmほど気持ちよく滑った靴は、
「すぽんっ」とホームと電車との隙間に、一瞬のうちに消えてしまったのです!

今まで履いていた靴が、瞬時のうちに消え去った・・・!
うお〜〜〜、今ここ目黒駅に、平成の「天才マジシャン」現わるや〜ん!

・・・とかしょうもないことを言ってる場合ではなくて、
目の前で滅多にお目に掛かれない珍事件が起こってしまった訳ですよ。

うわっ、どうしよっ?と立ち止まりそうになったのですが、
「まぁ人間が落ちた訳ではないので、駅員がなんとかしてくれるやろ」と思い、
恥ずかしがっているであろうその女性の方を極力見ないようにして、
素通りしてもっと前方へと歩いて行ってしまいました。

そのまま電車は発車したので、その後のことは分からないのですが・・・、
しかし後から冷静に考えて見ると、あの女性は靴が片方無くなってしまっているので、
駅員を呼びに行くことすらできない状態やったんですよね。

「あ〜、あの後どうしたんやろ〜?」「裸足で駅員呼びに行ったんかな〜?」と、
いろんなことを想像してみても、後の祭り。
何もしてあげられなかった自分に、ちょっぴり反省する羽目になるのでした。
(ごめんなさい、鬼太郎のお嬢さん・・・)

さて、がたがた言うてる間に、もう4月になりますね。
新しい季節、新しい年度、新しい生活・・・いろいろな新しいことが始まりますが、
まずは恐れず、前を向いて、真っすぐに進んでみましょう〜〜!

それでは今回はこの辺で。

(Vol.62 おしまい)


[ top | prev | next ]