ぶつくさと〜く

【Vol.66】 こよみ (2007.7)

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全国的に梅雨も明け、いよいよ夏本番を迎えました。
みなさま、クーラーのガンガン効いた部屋に閉じこもっておられませんでしょうか〜?

さて、みなさんはMicrosoft Officeシリーズの「エクセル(Excel)」という、
表計算ソフトを使われたことありますでしょうか?
縦と横に四角いマスがずらっと並んでいて、
数字を入力すると、自動的に計算をしたりグラフを作成したりしてくれるソフトです。

私はいまだに使い慣れてはいないのですが、時々使うことがあります。

あれ、使ってる方はご存じだと思うのですが、
入力した文字が、勝手に違う文字に変換されてしまうんですよね・・・。

例えば、あるマスに「-(半角横棒)」だけを書き入れたいと思っても、
エクセルくんは、「あ、これマイナスやん」と思って、
なんか訳の分からん数式が急にぐぃんと表示されてしまうんです。
「いゃいゃ、そうじゃなくて・・・」と思いながら何回かトライするんですが、
どれだけ頑張っても「-」が異次元空間へと旅立ってしまわれるんです。
(まぁ設定で変えられるんやろけど)

そんな、なかなかイラっとさせてくれる優秀なソフトなんですが、
ある時、マスに次々と日付を入力していました。
例えば「4/16」 と書くと、要らんことに、彼は勝手に「4月16日」と変換してくれよるんです。
(まぁこれも設定でなんとでもなるんやろけど)

いちいち設定を変えるがめんどくさいので、
「まぁ別にX月X日の表記でもええわ〜」と、そのまま使っていました。
そして、いろいろな日付を入れているうちに、
たまたま「2/29」と入力することがありました。

しかし「2/29」と入力してリターンキーを押しても「しら〜〜っ」。
あれ?と思って、もぅ一度確認しながら「2/29」と入力しても「しら〜〜〜っ」。
なんと、それまでは日付を勝手に「X月X日」と変換していたくせに、
「2/29」は「2月29日」に変換しよらんやないですかっ!

「おお!君は2/29を日付やと認識してないんかっ!どうしたっ!どうしたんや〜っ!」

そんな、思いがけない「どうでもいい発見」に、
激しいツッコミを入れてしまうほどテンションが上がってしまったワタクシなのでした。
(なんのこっちゃ)

「2/29」だけエクセルに特別扱いされていることは分かりました。
ところで、そもそもなんで2月だけ28日までしかないんでしょうねぇ・・・?
みなさん、ご存知ですか?

カレンダーを見ても、1年には31日が7回もあるくせに、
30日は4回だけ、そして突然28日が1回。
つまり、1年て「31 x 7 + 30 x 4 + 28 x 1 = 365」で成り立ってるんですよ。

これって別に、31日を5回、30日を7回やれば、
「31 x 5 + 30 x 7 = 365」でも行けるわけじゃないですか。
なんでこんな変則的になってるんでしょうか・・・?

もっと言えば、31日を11回やって、1回だけ24日にしてもよかったわけですよね。
(そうなると、やっぱりこの月のお給料、ちょっと少ないかな?)

う〜ん、ほんま、なんでなんでしょう?

日数が少ない月を「ラッキーマ〜〜ンス!」的に作っておいて、
毎年ちょっとだけ喜べるような仕掛けを入れたんでしょうか?
(しょうもない理由やな・・・)

それとも、いわゆる「うるう月」である2月だけを、
毎年「スペシャルマ〜〜ンス!」ってアピールしたかったんでしょうかね?
(何の意味があるんや・・・)

まぁワタクシのぶよんぶよんの脳みそで勝手に捻り出してみた結論は、
「28日 or 29日」という、他の月では使っていない目立つ数字を見るだけで、
その一年が「うるう年」かどうかを一発で見分けられるようにし、
かつ一月一月がなるべく均等になるように並べたんではないでしょうかねぇ?
(ただそれが「2月」である理由は分からんが)

・・・と思ってネットでちょっと調べてみましたが、全然違いました(泣)

昔の暦は、3月からスタートし、12月で終わっていたらしいんです。
(農作物の収穫が無い冬の時期には、暦なんて要らなかった訳ですね)

で、後から1月と2月を付け足して1年となったので、2月はいわば最後の月。
それで2月が「調整月」として使われるようになったのでした。

肝心の28日になってしまった理由は・・・ここで説明するには話が長過ぎるので、
みなさん、ご自身で一度調べてみて下さい。
そこには「ジュリアス・シーザー(→July)」や「アウグストゥス(→August)」なんかが登場して、
へ〜そうなんや〜、と思えますので。

さて、7月頭に2泊3日で初めての沖縄へ行ってきました。
(またそのうち写真も載せたいと思います)

沖縄と言っても、「碧い空と碧い海のビーチリゾートを満喫!」などという小洒落た旅ではなくて、
あくまで沖縄本島にて、観光スポットを巡るだけの旅。
世界遺産の首里城や今帰仁(なきじん)城跡、沖縄美(ちゅ)ら海水族館、古宇利島、ナゴパイナップルパーク、
やむちんの里、海中道路など、お決まりのコースをレンタカーで回ってきました。

沖縄に行こうと思い立ったのはその一週間前の6/24なんですが、
以前から、教科書検定問題なんかで沖縄のことがちょっと気になっていたのと、
沖縄戦の組織的戦闘が終結したという6/23の「慰霊の日」のニュースを偶然見たのとで、
これは一度足を運んでおかないと、と思い、急遽行くことに決めたのでした。

「ひめゆりの塔」や「平和祈念公園」といった名前は以前から知っていて、
そこでどんな過去があったのかも何となくは分かっていたつもりだったんですが、
実際にその場所に行ってみると、自分があまりに何も知らなかったんだと気付かされました。

米軍上陸から敗戦を迎えるまでの戦況の詳細や、
集団自決の場で運良く生き残られた方々の生々しい体験談。
その悲しくて、辛くて、惨たらしい状況に、大きく胸を痛めました。

東京や大阪などの都市への大空襲や、広島や長崎への原爆投下は、
多くの人々が一瞬にして亡くなり、大変恐ろしい出来事だったとは思います。
ただ沖縄の人々に与えられたのは「一瞬の地獄」ではなかったんですよね。

一般の民間人が、男女を問わず、そして大人も子供も問わず、
兵士やそのサポート役として実際の戦場に駆り出され、
時間稼ぎのために、米軍の「本物の兵士」たちを相手に戦う日々。
米軍に包囲され、いつ殺されるか分からない、そんな状況が何日も続き、
次第に劣勢になって逃げ場を失い、精神的にも追い詰められていって、
最後には自らの命を絶ってしまう・・・。

本当に、我々には想像もできないくらい、大変苦しい思いをされたんだと思います。

沖縄戦では、米兵の約1万2千人に対して、日本人は約19万人もの死者(もしくは行方不明者)を出しています。
そのうち民間の人間はなんと約半数、実に9万4千人が犠牲になられています。
毎日、苦しくて恐ろしくて辛い地獄のような日が続く中で、様々な形で命を奪われてしまったんだと思います。

私は戦争を知らない世代で、世界のあちこちで今起こっている戦争も、
心のどこかでは「よその国のこと」と思ってしまっていました。
しかし自分達の住むここ日本でも、ついこの間までは、
それと同じような悲惨な戦争が行われていたんですよね・・・。

もし沖縄戦の実際をまだご存知ない方は、一度沖縄へ行かれてみては如何でしょうか?
戦争という「現実」を、是非とも感じて頂ければと思います。

・・・と、今回はなんともまじめな話で終わってしまう訳なんですが、
まぁ、こんな回があってもええでしょう?

セミの鳴く、平和な暑い夏に幸せを感じながら、
今回はこの辺で失礼します〜。

(Vol.66 おしまい)


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