ぶつくさと〜く

【Vol.74】 大金 (2008.3)

[ top | prev | next ]


先日、私が住んでいるマンションでのこと―――

このマンションの地下には、機械式の大きな駐車場があります。
その駐車場に通じるドアは、マンションの内側からは、
「アイ〜ン」の手の形をしたドアのレバー(取っ手?)を押し下げて、
その勢いでドアを押すだけで、簡単に駐車場に出られるようになっています。

一方、外(駐車場側)からマンション内に入る場合には、
セキュリティーの関係上、カギを差し込み口に入れて一度回した後に、
ドアのレバーを押し下げながらドアをグッと引っぱる必要があって、
両手に荷物を持っている時なんかは、結構面倒な作業なんです。

とある春の日、バイクで颯爽と出掛けようと(と言ってもスーパーに買い物やけど)、
マンション内から駐車場へと向かっていました。
レバーを下げて駐車場へ通じるドアを開けて出ようとしたところで、
急に「ガクン」と、誰かに体ごと後ろから引き留められてしまいました。

「なんや!?」と思って見てみると、何のことはない、着ていたコートの右の腰ポケットが、
ドアのレバーにうまいことすぽっと引っ掛かってしまっていて、
私を前に進めないようにしているのでした。

私は右手にカギを、左手にはヘルメットを持っていたので、
引っ掛かってしまったポケットをなかなかうまく取り外せず、
しばらくの間、この「レバー地獄」にもがいていたのでした。
(ええけどこの表現、なんか山盛りのレバニラ炒めを想像してしまいそうやなぁ・・・)

すると、マンションの住人らしき家族連れの方が、
駐車場からマンションの中に入ろうと、真っ直ぐにこちらに向かって歩いて来られました。
そして、扉のところで必死で苦しんでいる私に向かって、こう言われたのです。

「どうもありがとうございます」

・・・チ〜〜〜ン!!

そ、そうなんです、その不慮の事故(?)のために、
ドアを開けっ放しのまま立ち止まっている私を見て、
「ずいぶん遠くから丁寧にもドアを開けて待っててくれている大変親切な人」と勘違いされたらしく、
申し訳無さそうに頭を下げ、お礼を言いながら近寄ってこられたのです。

「あ、いや、別にそういう訳じゃないんやけど・・・」と思いながらも、
流石に「実は引っ掛かってるだけなんです」とは言いにくいものでして、
ついつい、笑顔で親切な人を演じてしまいました。

しかしこの作り笑顔の一方では、近寄って来るその家族に、
「あぁ、この人、ただ引っ掛かってただけか」とバレてしまわないために、
なんとか誤魔化そうと、必死で地獄からの脱出を図る私・・・。

迫り来る家族、なかなか抜けないポケットのレバー。
果たして間に合うのか、間に合わないのかっ!?
一体どうなってしまうんやっ、俺!!

・・・などと、独りでしょうもな〜い実況をしながらも、
まあ結局はすぐ近くに来られる前にはあっさりと脱出に成功して、
難(?)を逃れられたんですけどね。

しかし、自分が思ってもみなかったところで、
こんな風に「いいように勘違いされる」ってこと、たまにありますよね。
そしてそんな時って、ちょっと恥ずかしいというか、なんか逆に申し訳ないというか、
そんな感じのむず痒い気分になってしまいます。

みなさんにもこんな経験、ありませんでしょうか?

さてさて、この文章を書いている2008年3月末の時点では、
今まさに、ガソリン税の暫定税率の期限切れが迫っているという段階です。
1リットル当たり25円の値下げが4月から実際に始まって、
ガソリンスタンドは、買い控えをしていた車で連日長蛇の列になってしまうのでしょうか?
(あ〜怖っ)

この暫定税率の分だけで、1か月で約2,000億円の税収があるそうなんですが、
これが本気で全部無くなってしまったら、たぶん国ボロボロになりますよねぇ・・・?
(もうすでにボロボロかもしらんけど)

てことで今更なんですが、こんな感じの税にしたらどうでしょう?の案をば。

まず、ガソリン税の暫定税率とやらは、根拠がよぅ分からんので、あっさりと撤廃しちゃいます。
で、その代わりに、いわゆる「環境税」を導入するのです。

つまり、ガソリンをたっぷり使う「車」の排気ガスって、
思いっきり地球温暖化の原因の一つになっているとともに、
人々が普段吸っている空気をかなり汚染しているんですよね。
簡単に言うと、その行為に対して(ガソリン購入の時点で)税金を課するってことです。

「名前変わっただけやがな!」と、当然のツッコミはあるでしょうけど、
ガソリン使ってる限りは、ほんまに空気汚して地球壊してるんやから、
このご時世、こういう目的やと文句は言えないでしょ?

で、その環境税なんですが、ガソリン税の暫定税率の8割くらいに設定します。
(多少下がるだけでも、まぁよしとしましょ)

税収は当然のように、地球温暖化対策や環境汚染対策などに優先して使い、
次いで、その影響を受けてそうな人間自身の生活環境(介護や医療なんか)に、
そして最後に、環境整備の意味で、道路に使えるようにしてあげればええんとちゃいますか。
(道路なんて、きっと今の税金の半分もあれば、ほんとは十分に作れるんでしょうし)

まぁ何の試算もしていないですし、数字に何の根拠もないのですが、
「消費税」とか「酒税」とか、そういう意味の分からん税金を払わされるより、
目的が具体的でしっかりとした税金なら、多少は納得して払えるんとちゃうでしょうか?

てなことで政治家のみなさん、国会で子供みたいな駆け引きしてないで、
この「環境税」の導入、ちらっと考えてみてもらえませんでしょうか〜?
(あっさり否定される?)

切符を買わずにスルっと改札口を抜けられる「パスネット」を愛用しているわが家にとっては、
かんなり痛い大事件が発生してしまいました。
なんと、関東の私鉄で徐々にそのパスネットが改札口で使えなくなるのです。

当然のことながら、パスネットを安く買い溜めしていたもんですから、
「うっそ〜ん!こんなに残ってんのに、もうこれ使われへんようになんのかぃ!
いきなりどこに行っても使えんようになったICテレフォンカード扱いやがなっ!!」
と古臭いことを思ったのですが、まぁそれはいいとして、
パスネットで残額が残っているものは、非接触ICカードの「PASMO」に振り替えるだけでなく、
現金に交換するという選択肢もあるとのことでした。

目先の現金に欲望を剥き出しにしてしまった私は、半ニヤケで近所の駅へと向かいました。
駅員には、PASMOへの振り替えを強く勧められたのですが、
あっさり拒否し、現金でもらう方を選びました。(えへっ)

パスネットがどれだけ残ってるのかと数えてみたところ、枚数にして18枚、
合計36,000円ほどありました。(電車賃、どんだけストックしとんねん)

で、その駅で交換をお願いしたんですが、なんと返ってきた答えは、
「高額なので今手元にありません、後日電話で受け取り場所等を連絡します」

いやいやいや、何十万という大金とちゃうんやで?
そこそこ乗降客のいる駅が、36,000円払われへんはずないやろがい!
通勤定期を誰か一人でも買ったら、それだけでもう5万円とか入って来るんやで?
そんな駅で、36,000円が高額なので手元に無いって・・・。
あほかっ!どないなっとんじゃい!!

とまあぶつぶつ言いながらも、仕方ないので連絡先だけ書いてその日は帰りました。
翌日には電話があって「準備できたので受け取りに来て下さい」とのこと。
その立派な「大金」を、どこの立派な駅まで取りに行かされるんやろ?と思っていたら、
なんと受け取り場所は、その最初に行ったのと同じ駅・・・。
(絶対最初からその場で払えたはず)

で、その日のうちにパスネットを持って、交換してもらいに行きました。

パスネットって、裏面にカード残額が記載されるのですが、印刷が薄くて金額が見えなかったり、
印刷の行がずれて金額が重なってたり、何なら使っても印字されなかったりするんです。
なので、例えば裏面の金額を見て残額1,000円と思っていても、
実際には500円くらいしかないってことが、ちょいちょいあるんですよね。

なのに駅員のおっさんは、その裏面の印字金額を目で見て確認するだけで、
あっさりと100円の電卓を叩いて、金額を足しておられました。
う〜ん、もったいぶって「大金」を取りに来させたわりには、なかなか軽いノリね・・・。
流石にちょっと「ええんか?それで」と思ってしまいました。

まあ、そんなこんなで無事交換してもらうことは出来たんですが、
しかし、パスネットですらもう使えなくなってしまうなんて、
ほんと、時代の移り変わりは激しいもんですねぇ。

世の中「そんなに不便でないもの」でも、新しいものがすぐにスタンダードになって、
いつの間にか取って代わられてしまう。
何か、技術が人間自身を無理矢理変えていっているようで、少し寂しい気がしませんか?

さあ、そんなことより、桜の季節になりましたね!
花びらの舞に誘われながら、新しい年度をすっきりと迎えることにしましょう!!
それではまた〜。

(Vol.74 おしまい)


[ top | prev | next ]