ぶつくさと〜く
【Vol.79】 ブー (2008.8)
トロントにて、家を借りるまでの2週間ほどは、ずっとホテルに滞在していたのですが、
そのホテル生活も終わりに近づいてきたある日のこと。
夜中の3時頃、ホテルのベッドで気持ち良く寝ていると、突然目覚まし時計が鳴り始めました。
「なんでやねんっ!」と思って、寝ボケながらも目覚まし時計を必死で止めたつもりなんですが、
どこをどう押しても、何故か全然止まる気配がない・・・。
頭がはっきりしてくると、どうやら目覚まし時計が鳴っているのではないらしいことに気付きました。
「え、じゃあ枕元のラジオが突然オンになったん?」と思ってまた止めに走ったんですが、
やっぱりそれも違う・・・。
どうやら部屋のどこかで、警報装置らしきモノが鳴っているようでした。
それも結構でかい音で、1秒おきくらいに「ブー!、ブー!、ブー!」と、
かなりの警告度をアピールしてくれています。
「おぃおぃ、どうやったら止められるんじゃぃ」とオロオロしていると、
部屋の外の廊下で人の声がし始めました。
「うるさい!って怒られんかな?」とドキドキしながら、そっと顔を出して覗いてみたのですが、
他の部屋の人々も同じように顔を出しており、
どうやら全部の部屋で(廊下でも)警報装置が鳴ってしまっているようでした。
「え、実はこのホテル、燃えてんとちゃうんか?」と思って窓から外を見たのですが、
外を歩いている人も車も、このホテルを見上げている様子は無かったので、
まぁきっと誤作動なんやろ〜と思って、もう一度ベッドに戻ることにしました。
しかし数分経っても事態が収まる気配はなく、それどころか、
さっきまで1秒おきの「ブー!、ブー!、ブー!」だったのが、
さらに倍の速さで「ブッ!、ブッ!、ブッ!、ブッ!」と鳴り始めたのです。
警報音のテンポが2倍になると、こちらの焦燥感も当然2倍にされる訳でして・・・(泣)
そうこうしてるうちにサイレンの音が聞こえたかと思うと、
誰が通報したのか、消防車まで到着してしまいました。
どう考えても火も煙も出ている感じはないのですが、
一部の客が外に避難しているのが窓から見えたので、
「実はただ事ではないのかも?」と思って、
リュックにパスポートやPCなど最低限の荷物を詰め込んで、1階のロビーまで降りてみることにしました。
(もちろんカメラで写真を撮影しながら〜)
当然のようにエレベーターは止まっていて、階段で降りるしかありません。
15階建てくらいのまぁまぁ大きなホテルだったので、
老夫婦なんかも可哀想に、階段を休み休み降りてはりました・・・。
みんな半信半疑で、取り敢えず下まで行くか〜、という感じの顔でした。
そして階段を降りている途中で、激しく鳴っていた警報音が、突然ぴたっと止まりました。
ほとんど1階まで来ていたので、とりあえずロビーまで降りてみると、
夜中の3時とは言え、200人以上もの宿泊客が避難して、ロビーや玄関の外に集まっていました。
結局は何事もなかったとのことで、みんな渋々階段を上がり、また眠りに就いたのでした。
翌日、外出している間に、部屋の留守番電話にメッセージが入っていました。
流石にあれだけの規模の騒ぎを起こしたので、
「昨夜の警報装置の誤作動の件で、ご迷惑をお掛けしました」
などというお詫びが入ってるんかな?と思って、メッセージを再生してみました。
すると、
「お客様は宿泊○日目なので、クレジットカードで一旦○○ドル引き落とします」
・・・あ、あぁ・・・そ、そぅですか・・・(泣)
何のことは無い、お詫びどころか、金を請求する電話だったのでした。
日本やったらきっと、客、怒鳴ってるんでしょうけど、
まぁその辺は流石に欧米諸国、と言ったところなんでしょうかねぇ。
さて、トロントに来て1ヶ月ほどが経ちました。
アメリカでもそうなのかも知れませんが、こちらは一週間分の食料品をスーパーで大量に買って、
車にたっぷり積み込んで帰る、という文化のようです。
なので、スーパーの冷凍食品コーナーが、どこに行ってもバカでかい。
牛乳パックなんかも、我々が普段見慣れた1L入りの細長いパックだけではなく、
ちょっとブーちゃんの2Lパックもあって、売っているモノの迫力が違います。
で、その牛乳パック達が勢揃いしている棚の1つ下の段に、
でっかい白いビニールの「ずだ袋」入りのモノが売られていました。
そのビニールの袋は、日本では食パンの袋を止めるのと同じように、
小さいプラスチックの袋止め(内股の凱旋門みたいな形のあれ)で簡単に縛られていました。
どこのスーパーに行ってもその袋は置いてあって、
私は見た感じで、5kgくらいの丸いチーズの塊か何かが入ってるんかなぁ?と思ってました。
ある日、流石に気になって、「ほんまは何が入ってるんやろ?」と思い、
勇気?を出して触ってみたんですが、
風貌から勝手に硬い感触を想像していたのに、いきなり指がめり込んで「ブョ〜〜ン」。
「えっ、液体なんっ!?」
まさか、ずだ袋に液体が入っているとは想像もしていなかったので、かなり驚きました。
それはいいとして、一体これは何なんじゃい・・・??
よく見ると、思いっきり袋の外側に「MILK 4L」と書いてありました。
そう、2Lの牛乳パックどころか、さらに倍のドン、4L。
それをなんと、ビニールの袋に入れて売ってらっしゃるんですね・・・。
何となく見た目で清潔感が無く、「そもそもどうやって保存すんのや?」と、
買うのをちょっとためらっていたのですが、実際に買ってみると、
白い大きなビニールのずだ袋の中に、
さらに小分けにされた透明のビニール袋が3つ入っていることが分かりました。
まぁ不潔でなさそうなことが分かって安心したんですが、
別にビニール袋に入れて売らんでも、ねぇ・・・。
ほんと、いろいろと新しい文化に出会うもんです。
先日、ネットでトロントの情報を調べていたときに、
トロントに「猛虎会」なるものがあることを発見しました。
つまり阪神タイガースの狂信者、いや失礼、
熱狂的なファンである「トラキチ」集団がここにも・・・。
まさに地球規模でファンを増殖させようとしている恐ろしい球団(?)の支部なんですが、
その猛虎会が近々パーティーを開催すると、とあるHPに書いてありました。
あの「常に泣きそうな顔」の岡田監督の写真を素足で踏むことが出来ない、
隠れ阪神ファンの私としては(お前もかぃ!)、
いきなり参加させて頂こうかしら?と思ってしまったのですが、
1年で帰国してしまうので、行けても1回だけやなぁ・・・思って断念したのでした。
(う〜ん、残念)
それで思い出したのですが、そう言えば私の会社にも「猛虎会」なるものがありました。
(ほんま、世界中の猛虎会集めて政党作ったら、日本の政権奪えるんとちゃうか?)
もちろん会社公認とかではなくて、一部の人々がずっと昔に立ち上げたものらしいのですが、
残念ながら猛虎会とは言いながらも、
優勝の年にだけ集まるという、すさまじい不定期開催ぶりでして・・・。
(簡単に言うと、ここ25年ほどで数回開催されただけとのこと)
まぁそんな会社の猛虎会に、ひょんなことからお誘いを頂き、参加させてもらう機会がありました。
25年以上も前からある会なので、かなり年配の方々(=偉いさん)も多く、
そんな年季が入ったトラキチの方々が、「猛虎会オリジナルTシャツ」や、
「猛虎会オリジナル日本酒」といった本気グッズを作って来られてたりしていて、
そして当然のように何度も「六甲おろし」を大合唱して、楽しい会でした。
さぁて、今年の阪神は無事に優勝してくれるんかな〜?
・・・って、あかんっ!話が完全にトロントから脱線しとるがなっ!
(突然リセットして)
トロントはまだ8月末なのに、朝晩は12度くらいと、かなり涼しくなってきました。
冬はマイナス20度くらいになると聞いているんですが、どれくらい寒いんでしょうか・・・。
残暑が厳しいらしい日本でも、秋の気配が感じられ始めたカナダでも、
この季節の変わり目、体調に気をつけて頑張って行きましょうね〜!
それではまたっ!
(Vol.79 おしまい)