ぶつくさと〜く
【Vol.81】 目 (2008.10)
皆さんご存知の通り、欧米の金融不安により、最近USドルやユーロがえらい勢いで安くなっています。
カナダドルも同じ状況で・・・と言うか、USドルやユーロよりもひどい円高ぶりを見せているんです。
私がトロントに到着して生活を始めた7月の終わり頃には、1カナダドル=108円くらいでした。
9月末までは100円以上をキープしていて、
レートが1円変わるだけでも大きな変動だったのですが、
今月の急激な円高で、数週間で一気に1カナダドル=73円ほどに・・・。
それって簡単に言いますと、クレジットカードで1,000カナダドルの買い物をすると、
この前まで108,000円も請求されてたのが、なんと73,000円で済むようになっている訳なんですよ。
もぅ、商品の価値、めちゃめちゃになっとるがなっ!!
(この例でも分かりにくい方は「108つあった煩悩の数が、一気に73に減った!」とでも考えましょう)
生活に必要な家電や家具などの大物は、
残念ながら相場のお高い時期にとっくに購入してしまっていたんですが、
あと9ヶ月以上海外生活が続く身としては、
今までの「2/3」程度の金額でいろいろなものが買えるようになるのはとてもありがたい話です。
でも会社的には、急激な円高の影響で利益が激減していて、
ほんとしゃれになってないので、複雑な心境なんですけどね・・・。
今後、この金融不安がどのようになっていくのか、正直全く予想がつきません。
為替相場に大きく影響を受ける生活をしている私としては、
若干不安な毎日を過ごす今日この頃なのでした。
嫌らしくも、リアルなお金の話から始まってしまって済みませんでした。
・・・まぁついでと言っちゃなんですが、引き続きお金の話をば〜。
トロントに向けて出発する前に、日本円のトラベラーズチェックを購入しました。
トラベラーズチェックは、一般に現金を換金するよりもレートがいい場合が多いのと、
万が一盗難に遭ってもすぐに再発行してくれる仕組みがあるのとで、
海外出張や海外旅行に行くときは、いつもトラベラーズチェックを持参していました。
購入したトラベラーズチェックは、AMEX(アメリカンエクスプレス)発行のものでした。
私は、海外に出発する前にいつも、AMEXの日本の専用窓口に電話をし、
行く都市のどこの銀行なら換金できるのかを確認することにしていました。
(現地で銀行を探し回る時間がもったいないので〜)
今回もいつもと同じように、日本にいる間に、
トロントのダウンタウンで換金できる銀行はどこにあるのかを確認しておこうと思い、
AMEXの日本の専用窓口の電話番号に電話しました。
電話の向こうでベルが鳴る音を気楽〜に聞いていたのですが、
いきなり電話口に出た人の第一声は、なんと「Hello」。
「えっ!?」
全くもって心構えをしていなかったところに、いきなり「Hello」をかまされて焦った私は、
思わず座っていたイスにちゃんと座り直し(なんでやねん)、
何故かぎこちない笑顔をしながらも、
とりあえず「ハ、ハロー?」と、日本語訛りの英語で返答してしまいました。
(情けない・・・)
「あれ?・・・間違っていつもと違うところに繋がってしまったんかな?」と思った私は、
いつもの日本の専用窓口に繋ぎ直してもらおうと思い、
「Japanese, please」みたいなことを言いました。
しばらく待つように言われたので、
「これでいつもの日本の窓口に繋いでくれるわ〜」と安心していたところ、
電話の窓口から聞こえてきたのは、またまた同じ英語の声・・・。
「あれ?さっきと一緒やん?」と思った矢先、別の人の声で、
その英語に対応する「日本語訳」が聞こえてきたのです。
「えっ??」
そぅ、つまり、アメリカの窓口から日本の窓口に繋ぎ直してくれた訳ではなく、
私とアメリカの窓口とのやり取りの間に、日本人の通訳が入ってくれた訳です。
(♪ややこしや〜)
「あ、いや、そういう意味じゃないんやけど・・・」と思いながらも、
別にアメリカの窓口でも答えてくれるはずやしええか〜、と思って、
そのまま通訳を挟んでの会話が続くことになりました。
まぁ、自分で直接カタコトの英語でやり取りするよりも、
100%正しい日本語に訳してやり取りしてもらった方が確実なので、ありがたかったんですが、
これから海外で、毎日英語に囲まれた環境で生活するくせに、
たかが銀行の場所聞くためだけに、日本語の通訳を挟んで対応してもらっているとは・・・。
その状況に、なんや若干恥ずかしい気がして、ちょっと半笑いになってしまったのでした。
さて、昨今日本でも話題になっている「Google street view」ですが、
アメリカの「Google map」では以前から使えるようになっていて、
出張で行く前に出張先の建物を確認したり、ホテル周辺の環境や良さそうな店を探したり、
というような使い方をしていました。
日本では、人の顔や車のナンバーがはっきりと分かったり、
塀の上から家の中が丸見えだと言うことで、
プライバシーの侵害云々という議論になっていると思います。
でも以前から、ネットで見られる地図の航空写真(衛星写真?)って、
「Yahoo!地図」でも「Googleマップ」でも、ずっと「空から丸見え」の状態でしたよね?
まぁ、あれは「遠くからの写真やし画像も粗いから問題ない」と思っておられるかもしれませんが、
世間に公開されているのがあの写真のレベル、というだけであって、
実際は、空からはすでに、
「かなり詳細なレベルで、しかもリアルタイムの映像(動画)として」見えているそうです。
つまり、今あの道を歩いている人が誰々で、今ここで誰と誰が喋っていて・・・くらいのことは、
遥か彼方にある衛星を通して、もう丸見えの丸分かりの世の中になっている訳です。
皆さん、「空から誰かが見てる」なんて思って生活されてないですよね?
でも、今この瞬間も、遥か上空からあなたの生活が覗かれているかも知れないんです。
しかも、かなりのクオリティーの映像で。
(こわ〜)
ひょっとすると数年後には、そんなハイクオリティーのライブ映像まで、一般に公開されるかもしれません。
そしたらきっと、世の中大変なことになりますよ。
国や企業が敷地の内部を隠していたはずの「高い塀」なんて、全く意味なくなりますよね。
日本の露天風呂なんか、きっといきなり全部廃止になってしまうでしょう。
逆に自宅や会社の屋根に広告を貼り付けて、広告収入でお金を儲ける人が出てくるんとちゃいますか?
さらには、「空からの目」を意識した街作りや建物作り(ミッキーマウス型のビルとか)が流行・・・。
でもいい面もあって、例えば携帯電話の通じない山奥で遭難しても、
空に向かって一生懸命手を振っていれば、そのうち誰かが偶然発見して救出してくれるかもしれません。
個人向け商品としては・・・空から個人を特定出来ないように、ツバのめっちゃでかい帽子とか、
てっぺんに鏡のついた「ミラーカツラ」とか売れるんとちゃいますか?
(今のうちに商品化考えとこかしら?)
いやほんと、そんな信じられないような世界が、すぐそこに迫っているのかもしれません。
そうなった時には、我々の想像できない、様々な変化が待ち受けているような気がします。
でも・・・世界中で「空からの目」を意識して、上を向いて笑顔で生活を送る人が増えてくれれば、
今のこの暗い世の中も、少しは明るくなるかもしれませんねぇ?
(Vol.81 おしまい)