ぶつくさと〜く
【Vol.82】 横幅 (2008.11)
え〜、ここトロントは、おかげさまで結構寒くなって参りました・・・。
かなり寒くなるというのはこちらに来る前から分かっていたことなんですが、
11月にマイナス10度を経験してしまうほど寒いとは思ってなかったので、
なかなかの手強さにようやく気付いてしまったのね、という感じです。
(遅っ!)
当然のように雪が舞い降りてくる日が増えてきて、10cm近く積もることもありました。
天気予報でも雪のマークが多く見られるようになり、
これから先、「大学に行くのも一苦労」といった毎日が続きそうです。
「Lake Effect(湖水効果)」という名前が付いているんですが、
トロントの南側にど〜んと広がるオンタリオ湖をはじめとする五大湖の影響で、
湖の上を吹き抜けた冷たい風が、その湖の水分をたっぷりと含み、
しょっちゅう大雪を引き起こしてしまうのだそうです。
「湖水」の影響でこんな大変なことになるとはつゆ知らず、
普段から「狡(こす)い(=けちな)」ことばっかりしか考えてないから、
こんな目に遭ってしまうんでしょうかねぇ。
まぁとにかく、トロントはもぅ、長い長い冬の季節に突入しております。
大学への通学には、こちらで購入した自転車を使っています。
住まいから大学までは、自転車でゆっくり行っても10分かからないくらいの距離です。
その自転車ですが、こちらでは、日本のように歩道を走るのではなくて、
車と同じ向きの車道の脇を通らないといけません。
(・・・って、ほんまは日本でも車道を走らんとあかんのやけど)
夏から秋までは、自転車で気持ちよ〜く大学まで通えたんですけど、
流石に雪の時期になってくると、かなり厳しいんですよね。
なんせ気温が低いもんで、車道の端や歩道には降った雪が融けずに何日も残っていて、
それがだんだんと固まって、しまいには氷の状態になるんです。
つまり、凍っていて危険な道路を走らされる上に、すぐ横には普通に車が飛ばしていたりするので、
ほんと、おじいちゃんのようなスローペースで自転車をこいでます。
(日本おじいちゃん協会に訴えられるで)
それはいいとして、ここトロントでも北米体型(って言うんかな?)の、
日本ではまぁ滅多にお目にかかれないほどの横幅のでかい方々が、ちらほら見られます。
で、そんな方が、ちょいちょい自転車に乗ってはるんですよね・・・。
信号待ちなんかで止まった時に、前の自転車の人をふと見ると、
そこそこの横幅美人やったりするんですよ。
そんな時、いっつもこう思ってしまいます。
「あぁ、同じ自転車のサドルとして生まれてきても、辛い思いをする子もおるんやなぁ・・・」
まぁ何と言いますか、失礼極まりない話なんですけれど、でもほんと、
サドルがもう、悲鳴を上げているかのように、ぺちゃんこの状態になってるんですよね。
(実際にはその上にどでかい塊が乗ってるんで、サドル自体は見えてないんやけど)
これ、もし「サドル」という単語が動詞やったら、完全に「サドらない」状態ですよ。
(なんのこっちゃ)
きっと自転車同士がすれ違う時に、サドルたちは、
「お前、きつそぅやの〜」などと、お互いを慰め合っているんじゃないでしょうかねぇ。
・・・と、そんなどうでもいいことを考えながら、大学に通う毎日なのでした。
さて、そんな寒い季節、街は段々とイルミネーションが増えてきました。
最近は日本でも、クリスマスムードになるのがどんどん早くなってきた気がします。
個人的には、なんかクリスマスだけを特別扱いし過ぎているようで、
この風潮、あんまり好きではないんですけどね。
(まぁ、クリスマス商戦に向けて庶民が雰囲気に踊らされているだけなんですが)
一方、欧米の人々にとっては、クリスマスは本当に大切な日なんだと思います。
アメリカでは「Thanksgiving Day(感謝祭)」が11月末にあって、
それが終わるとやっと、本格的なクリスマスシーズンの始まりだと思うのですが、
カナダでは「Thanksgiving Day」は10月中旬に終わっていて、
10月末の「Halloween(ハロウィーン)」が終わるともう、「はぃ、次はクリスマス」という感じのようです。
ともあれ、早くも11月の中旬に、ここトロントでは、
街を挙げての「サンタクロースパレード」が行われました。
小雪の舞う中、日曜日の昼過ぎに始まったパレードでは、
マーチングバンドの演奏や、様々なオブジェや人形を乗せたフロートの数々が、
大通りのUniversity Avenueを、次から次へと練り歩いて行きました。
日本なら、パレードのあちらこちらにサンタクロースが登場しそうなもんですが、
きっと「サンタクロースは一人だけ」の鉄則(?)を守っていたんでしょう、
開始から1時間以上経っても、全然出てこないんですよね・・・。
そして最後も最後、ラストのフロートで、やっとお待ちかねのサンタクロースが登場したのでした。
紛れも無く、赤と白の服を着て、白いヒゲもじゃのお馴染みのサンタ。
この「本物の」サンタクロースを一目見るために、
子供たちは寒い中、2時間もじ〜っとその時を待っていたのでした。
サンタに、嬉しそうな顔をして一生懸命手を振る子供たちを見ていると、
純真な心の奥を少しだけ垣間見れたような気がして、こっちまで嬉しくなってしまいました。
(欲しい商品を必死でお願いしてたんかも知らんけどね)
・・・てな感じでいよいよ本気の冬に突入ですが、日本も段々寒くなってきたことと思います。
知らん間に鼻水垂らさないよう、みなさま、気をつけて下さいねっ!
それではまた〜。
(Vol.82 おしまい)