ぶつくさと〜く

【Vol.85】 アリ2 (2009.2)

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ほんと、どうでもいい事かもしれないんですが、
同じだと思っているモノでも、国によって若干形が違うことがあるんですね。

カナダに来て初めて気付いたんですが、こちらでは、雪だるまがなんと3段重ねなんです。
(アメリカやヨーロッパでもそうらしい)

ドラえもん型(2段)の雪だるまを見慣れている我々日本人にとっては、3段重ねの雪だるまを見ると、
どうしても「頭部・胸部・腹部」の三拍子揃った昆虫の「アリ」の姿を思い出してしまって、
ちょっとだけ気持ち悪い感じがするんですよね・・・。

ひどい時なんて、雪の中から3連の同じ大きさの丸い塊がにょっきり突き出ている映像が、
どうも白いイモ虫が土の中から這い出して来ているように見えて・・・まぁいずれにせよ気持ち悪いんです。

日本の雪「だるま」と違って、英語ではスノー「マン」であって、一番下の団子は「足」なんだそうです。
簡単に言うと、日本の雪だるまは座っていて、欧米の雪だるまは立っている、てなところでしょうか。

まぁ理由は何であれ、同じ大きさで3段やと結構不安定なんやけどなぁ・・・。

「グラウンドホッグ・デー」という、耳に馴染みの無い日が2月2日にありました。

グラウンドホッグと言うのはリスの仲間で、リスがちょっとぽっちゃりした感じの小動物なんですが、
アメリカやカナダでは、このグラウンドホッグを使った「春の訪れを占うイベント」がその日にあります。

言い伝えでは、「2/2に冬眠から目覚めたグラウンドホッグが巣穴から外に出たときに、
自分の影を見ると驚いてまた巣穴に戻ってしまう」とのことで、
影が出ると(また冬眠するので)「冬はあと6週間は続く」、
影が出ないと(冬眠が終わるので)「春はもうすぐやって来る」という占い結果になるのだそうです。

・・・まぁ簡単に言うと、晴れてるか曇ってるかだけで結果がもぅ決まってるんですけども〜(苦笑)

いくつかの地域でこのイベントは行われるのですが、その中でも一番有名なのが、
アメリカはペンシルバニア州・パンクサトーニー(Punxsutawney)のグラウンドホッグ「フィル」なんだそうです。
今年もそのパンクサトーニーのイベントの模様は、TVで放送されていました。

どんなイベントかと言いますと・・・

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@ 黒のシルクハットに黒のタキシードを身に纏った人々が屋外に設置されたステージの上に登場し、
  その「フィル」を巣穴(ただのカゴ?)から無理矢理引っ張り出して、みんなでじっくりと眺めて占い結果を調べる
A そしてその代表者が、何百人と集まった観衆に向かって結果を叫ぶ――「冬はあと6週間は続きま〜〜〜っす!!」
B 観衆たちはそれを聞いて「おぉ〜〜!!」と唸(うな)り、拍手が湧き起こる
C 終わり・・・
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「ええっ?そんだけかいっ!!」

芸人の皆さんがひな壇から前に転がり落ちて、総崩れになってしまいそうな衝撃の結末なんですが、
まぁ、ほのぼのしてると言いますか・・・温かみがあると言いますか・・・。

とりあえず、グラウンドホッグの占いによると、今年の冬はもう少し続くそうです。

ちなみにグラウンドホッグがいない動物園なんかでは、代わりに別の動物を使ってイベントを行うところがあるそうです。
「『グラウンドホッグ・デー』なんやから、別のモンで代用したらあかんやろ」とツッコんでしまいそうになるんですが、
残念ながらその辺の、欧米諸国の「いい加減さ」にも段々と慣れてきてしまいました・・・。

とにもかくにも、世界にはいろいろなイベントがあるもんやなぁと、改めて思ったのでした。

さて話は変わって、みなさんはカメラをお持ちでしょうか?
昔のばかちょんフィルムカメラ、コンパクトなデジタルスティルカメラ、
近年初心者にも使いやすくなってきた(デジタル)一眼レフカメラ。

いろんなカメラがあるとは思いますが、そのカメラで、何を撮られるんでしょうか?
普段の何げない日常?美味しそうな料理?子供たちの笑顔?それとも専ら風景?
(盗撮用とかは止めてよ・・・)

私は、人物を撮ることはそれほど多くはありません。
まぁ子供がいたらいっぱい撮るのかもしれませんが、どちらかと言うと、人間ではなくて風景。
特に、旅行に行った時の風景がほとんどですね。

風景を撮るからと言って、特にいいデジタル一眼レフカメラなんかを使っている訳でもなく、
お手頃価格のコンパクトデジカメしか使ってない私なんですが、最近、写真を撮っていてよく思うことがあります。

「今こうやって撮っている美しい自然は、もうその次の瞬間には、
ほんの少しだけ今よりも壊れてしまっているんとちゃうんかなぁ・・・」と。

「一枚一枚の写真に写っているこの美しい風景たちは、
日を追うごとに、少しずつ美しさを失いながら写っているんとちゃうかなぁ・・・」と。

火星に生命体があったのかどうかはまだ判明していませんが、
もし以前は火星にも水や緑がたくさんあって、現在の火星がその「成れの果て」の姿なのだとしたら、
地球もいずれは、あのような寂しい姿になってしまうのかもしれません。

ガガーリンの言った「地球は青かった」という言葉が、その感動を表した「完了」の意味ではなく、
失われた姿を嘆く「過去」の意味になってしまう日がやって来てしまうのかもしれません。

美しい地球の風景を、それらがまだ美しいうちに、たっぷりと目に焼き付けておきたい・・・。
そう思う、今日この頃なのでした。

さて、こんな真面目腐った話を書いて・・・「お前はトンズラーかっ!」
とツッコまれる前に、とっとと撤収させて頂くことにします。

それではまた〜。

(Vol.85 おしまい)


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