ぶつくさと〜く
【Vol.87】 ひろみ (2009.4)
トロントの街中に出て、珍しく豪華な晩餐を楽しんでいた時のこと。
(と言っても「Swiss Chalet」というカナダのファミリーレストランでですが〜)
我々は、ガラス張りで店内が外から丸見えのレストランの、入口に近い席に座り、
「BBQ」や「ローストチキン」といった、
いかにもカナダ人が好んで食べそうなメニューを注文して食事していました。
(こちらでは、「ヘルシーさ」より「肉!」を前面に押し出したメニューが多い)
「まぁ味はそこそこやなぁ」と思いながらパクパクとお肉を食べていると、
店の奥の方で食事をしていた若者が、リュックサックを背負ってトイレへと向かうのに気付きました。
その店のトイレは、入口近くの階段を降りた地下にありました。
しばらくすると、トイレを終えたのであろう彼が階段を上がって来ました。
そして階段を上りきるや否や、突然、入口のドア目掛けてダッシュし始めたのですっ!
そして、ドアを「バァァ〜〜ン!」と勢いよく開けたかと思うと、
そのまま外の繁華街の中へと飛び出して行ってしまいました。
気付いた店員が何かを叫んでドアの外まで走り、追いかけようとしたのですが、
時すでに遅し、彼は人ごみの中に消え去ってしまっていました。
あまりに急な出来事に、店内の他のお客さんたちは「何が起こったんや?」という顔で、
入口付近をちらちらと見ていました。
そう、まさに無銭飲食、いわゆる「食い逃げ」現場に出くわしたのでした。
(どうせやるならもっと高級なレストランでやればええのに)
たまに外で食事をすると、こんな事件に遭遇してしまうとは・・・。
確率的に考えると「2、3回に1回は食い逃げに遭遇」ってことになるんですが(多っ!)、
実際、食い逃げって、どれくらいの頻度で起こってるんでしょうかねぇ?
みなさんも、こんな「食い逃げ」現場に遭遇されたこと、ありますでしょうか?
さて、カナダの「いい加減さ」については何度か書いてきましたが、
最近もまた、それを感じてしまう機会がありました。
大学からの帰りに自宅アパートの郵便受けをチェックすると、
口座を開いているカナダの銀行から、大切な明細書類が郵送されてきていました。
何気な〜くその郵便物の宛先を見てみると、なんと、こう書いてあったのです。
「Mr. Nobuyoshi Nobuyoshi」
う〜ん、「のぶよし・のぶよし」て・・・わしゃ中堅の漫才師かっっ!!
まぁ住所は正しかったので、無事に届いてよかったのですが、
銀行からの重要な郵便物が、顧客の名前思いっきり間違えてるて・・・。
ほんと、もぅトシちゃんばりの乾いた笑いするしかないですよね。
(古っ!)
郵便で思い出しましたが、「カナダから日本宛て」に出した手紙を、
ご丁寧に「カナダの自宅アパート」に届けてくれることもしばしばあります。
もちろん、明らかに日本への郵便物と分かるように「AIR MAIL」のシールを貼り、
しかも赤字で「To:JAPAN」などと大きくはっきり書いているにも関わらず、
黒字で小さく書いた差出人の住所へと届けてくれたりするんです。
(う〜ん、お帰りなさい)
海外へ郵送する料金分のカナダ切手もしっかりと貼ってあるんやし、
普通に考えると、どう転んでも間違えるはずはないと思うんですがねぇ・・・。
ほんま、しっかり宛先見てくれ〜ぃ!
半年以上も英語圏に住んでいる私なんですが、未だに英語の苦手意識が強いです。
例えば、ちょっと国境を越えてアメリカに行き、またトロントに戻って来る際など、
当然空港などで入国審査を受けなければなりません。
大抵入国審査官が聞いてくることは決まっていて、
「出身は?」とか「目的は?」とか「何日滞在するの?」といった質問をされます。
出身を聞かれる場合は「Where are you from?」と聞かれるので、
郷ひろみばりの素敵な声で「ジィャペァン」と答えたったらええんですが、
先日こう聞かれて、あっさり混乱してしまいました。
「Where do you come from?」
「Where are you from?」と同じように出身を尋ねる質問だったようなのですが、
普通に日本からトロントにやってきて、こんな風に聞かれたんなら、
その時も、迷うことなく眉毛を太く付け替えて、郷ひろみになりきれたと思います。
・・・んが、今回の私の場合は、
「今カナダに住んでいて、他の国に一時的に行ってそこから帰ってきたよ」という状況なので、
出身国のことを聞かれているのか、今どこから来たかを聞かれているのかによって、
答えが違うんですよね。
さらにこれが「Where did you come from?」なら、
「ここに来る前どこにいたのか?」という意味になるようなので、
今回行っていた場所を答えることになるのですが、
質問が「do」だったのか「did」だったのか、早口で聞き取れてなかったりするんです。
その時も、どちらを答えたらええものか「え〜と・・・」と詰まっていると、
中国系の怖い顔の審査官に「簡単な質問じゃないか、早く答えなさい!」と大きな声で怒鳴られ、
おしっこちびりそうになりながら、小さい声で「ジャ・・・ジャパン」と答えるオチとなりました。
(眉毛もほっそりしてたわ)
まぁ入国審査官にとっては「今どこから来たか」はどうでもよくて、
「どこの出身か」を確認することがよっぽど重要なのかも知れませんが、
ハナっから「JAPAN」とでっかく書かれたパスポートを渡してるんやし、
「いちいち聞かんでも、そこに書いとるやないかっ!」とツッコみたいのは山々なんですけどねぇ・・・。
まぁそんな感じで、つくづく英語力の無さを嘆く私なのでした。
ちゃんちゃん。
(Vol.87 おしまい)