ぶつくさと〜く
【Vol.88】 カート (2009.5)
先月のぶつくさと〜くを書いている頃にはもう世界的なニュースになっていたのですが、
新型インフルエンザの騒ぎは、日本では未だに収まっていないようですね。
(ちなみにこちらでは「H1N1 flu」もしくは「swine flu」と呼ばれています)
流石に1ヶ月以上が経過し、ここカナダでは、
もうほとんどニュースにも登場しない状態になっています。
最初にメキシコで多数の死者が報告され、感染力と毒性の強さが心配されましたが、
時間が経つにつれ、それほど深刻では無いことが分かったためでしょうか。
そもそも新型インフルエンザの感染者がカナダ国内で報告され始め、
日を追うごとに感染者数がどんどん増加して行く不安な状況にありながらも、
ここ大都会のトロントで、マスクをしている人は一人も見掛けませんでした。
あ、いや、一度だけ近くのホテルからマスク姿で出てくる人を見掛けたんでした。
初めてこちらでマスクマンを見たので、少し驚いて、
「おぉっ、ついにトロントでもマスク姿が日常茶飯事になるんかっ!?」と思ったのですが、
よく見てみると、その人はどうやら日本人観光客のようでした・・・。
しかし、「深刻さ」で言うと収まったのかも知れませんが、
「感染者数」で言うとまだまだ拡大を続けているようですね。
日本国内でも、大騒動と言う状態はもう終わったんでしょうが、
特に学校なんかは対応に追われて大変だったことだと思います。
私にも、実家がある大阪に中学生の姪っ子がいて、
沖縄への修学旅行が中止になるかならないか微妙な状態で、大変不安がっていましたが、
無事行けることが決定したようで、本当に良かったです。
だって修学旅行って、中学生活の中で一番大きいと言っても過言ではないくらいの、
大イベントじゃなかったですか?
それが中止になってしまうというのは、
何とも心苦しい、気の毒なことだと思ってしまいます。
特に沖縄、広島や長崎って、知るべきこと・学ぶべきことがたっぷりとあって、
修学旅行の行き先としてはとてもいいと思うんですよね。
まぁ京都や奈良も、日本の歴史や日本古来の文化を知ると言う意味ではいいと思いますが、
心に刻まれる「傷跡」が少し薄いような気がします。
こんなことを書いたらまたまた怒られるかも知れませんが、
それに引き換え、東京に修学旅行に来る学校の子らは、
「ここに来て何を学んで帰るんやろ?」と、正直ちょっと可哀想に思ってしまいます。
(まぁ距離的な制約があったりして仕方ないのかも知れませんが)
・・・と、話がごっそり隣のレールまで脱線してしまいましたが、
まあ何にせよ、新型インフルエンザの一件は早く落ち着いてもらいたいと思います。
いや〜、もう30代も半ばに来ると、物忘れが多くなってきた感が否めません(号泣)
まだトロントに来て数ヶ月しか経っていなかった頃の話なんですが、
部屋に残っていた段ボールを地下の倉庫にしまいに行こうと、
荷物を運ぶための小さいカート(手押し台車)を使用していました。
(重宝するのでわざわざ日本から持ってきた)
段ボールを運んだ後、その足で1階に郵便物を確認しに行き、そのまま部屋に戻りました。
そして1週間くらい経ったある日、「あれ、そう言えばカートどこやったっけ?」と、
そこでようやく、カートをどこかに置き忘れてきたことに気付いたのでした。
(カード紛失はよく聞くが、カート紛失とはずいぶん稀やな・・・)
で、すぐ管理室へと向かい(と言っても1週間経ってるんですが)、
カートの忘れ物が無かったかを聞きに行ったのですが、そんな報告はゼロとのこと。
アパート内でしか使っていないので、明らかにこの建物内部で失くしたのですが、
それが紛失物として届いていないとは・・・誰か別の住人が持ち去ったとしか考えられません。
「カナダの人、意外と冷たいもんやなぁ」と思って、若干ヘコんでしまったのでした。
流石に時間も経っているので、もう探すのは止めようと諦めていたのですが、
翌日、いつもロビーを掃除している掃除係のおじさんに出会ったので、
諦め顔の「駄目元」で、カートを失くしたことを伝えてみました。
すると「別の掃除係の人間が見たという話をしていた」という返事が!
早速その別の掃除係の兄ちゃんに連絡を取ってもらって確認したところ、
管理室のすぐ近くにある倉庫に保管されていることが判明、無事家に戻ってきたのでした。
(管理室にちゃんと報告しといてくれよっ!)
しかし、カートを紛失したことに1週間も気付いてさえいなかったとは・・・。
この突き付けられた悲しい現実に、ほんと、涙が止まりません。
さて、ぶつくさと〜くVol.78 にも少し書いたのですが、
私のような「私費研究員」扱いの人間がカナダへ入国する際には、
事前のビザ取得が不要で、普通の旅行者と同じ「ビジター」扱いで入国することになります。
その代わりと言っては何ですが、ビジターが滞在できるのは最大6ヶ月と決められているので、
それを越えて滞在するためには、
現地で滞在延長申請をして、滞在延長の許可をもらわなければなりません。
私の場合はちょっと特殊で、入国時にカナダの入国管理局で
(正確には「Citizenship and Immigration Canada(カナダ市民権・移民省)」と言うらしい)、
いろいろと説明して、入国日から12ヶ月の滞在許可をもらえました。
が、実際には「1年の研究期間+前後の準備期間」で13ヶ月ほどは滞在しなければならないので、
いずれにせよ、滞在延長申請が必要となってしまいます。
その滞在延長申請は「期限が切れる2ヶ月ほど前に申請すればよい」と、
在日のカナダ大使館のホームページに書いてあり、またカナダ移民省のホームページにも、
「期限が切れる少なくとも30日前までに申請すること」と書いてありました。
余裕を持って早めに申請しておこうと思い(いい加減な国ですから〜)、
滞在延長の理由を申請書にくどくどと記入し、
大学からの手紙やパスポートのコピーなど、書類一式を揃え、
2ヶ月半ほど前に申請を行うことにしました。
(はなっから日本でビザもらえた方がよっぽど楽やったなぁ・・・)
申請した書類が現在どこまで処理されているのか、
その進捗状況をネットで確認できる仕組みになっていたので、
申請してから数日後、「どこまで進んだかな〜?」と思ってチェックしてみることにしました。
すると・・・まだ受け付られていなかったためか、申請書類が見付からないとのこと。
さらに数日経ってから再度確認してみたのですが、やはり見付からない。
若干不安になりながらも、別のページを見てみると、
「現在、実際に書類が処理されるまでに何日掛かっているか」の情報が一覧になっていました。
それをチェックしてみると「滞在延長申請の処理は100日以上掛かる」と書いてありました。
あ〜そうかそうか、100日ちょっと待てば処理されるか・・・。
「えっ!?えええっっ!!??」
いやいやいや、余裕を持って申請したのが期限が切れる2ヶ月半(75日)前、
それが実際に処理されるまでに100日掛かるんやったら、
処理が終わった時点では、もうとっくに滞在期限が切れてしまっとるがなっ!
処理されてる途中で、不法滞在者扱いで国外強制退去になってしまうがなっ!!
オ〜〜〜ゥ!!ノ〜〜〜ゥ!!
・・・と、心の底から不安な毎日がしばらく続くであろう私なのでした。
まぁそんなこんなで、この先いつまでカナダに居られるのか分からないのですが、
一応元々の帰国予定となっていた8月中旬まで、あと2ヶ月とちょっと、
健康にも気をつけて、何事にも精一杯頑張ろうと思いますっ!
それでは今回はこの辺で〜。
(Vol.88 おしまい)