ぶつくさと~く

【Vol.89】 ミミッチイ (2009.6)

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え~、まずは不法滞在の続報から。

先月書きました通り、7月中旬でカナダ滞在許可の期限が切れてしまいます。
余裕を持って早め(5月頭)に郵送した滞在延長申請が処理されるのが、
なんと郵送から3ヶ月半から4ヶ月経った後の、8月末以降の予定。
ということで、7月中旬を過ぎると、我々はめでたく不法滞在者となってしまう訳です。
(めでたないわっ!)

これがもし、個人で勝手にカナダに来ていたんなら、
不法滞在で捕まって、強制退去させられるくらい別にええのですが(あかんわぃ)、
会社から1年間の海外留学生として来させてもらってるので、
流石に犯罪者となって会社に迷惑を掛ける訳にもいかず、
このままやと、7月中旬で研究を途中で切り上げて帰らないといけない、という状況です。

滞在許可の期限切れまで1ヶ月を切っても、郵送した滞在延長申請に関して何の音沙汰も無く、
流石に「本気でやばいなぁ~」と焦り始めました。
賃貸アパートを早期解約し、引越スケジュールを前倒しして、
ばたばた状態で急いで帰国せなあかんことになるんか・・・???

「こら電話で状況を確認して、対応を考えなあかんなぁ」と思い、
カナダ市民権・移民省に問い合わせをしようと、電話の受話器を手に取りました。
ただ・・・もう一度HPに書いてある事柄をしっかりと確認してみようと、
細か~いところまで、じっくり読んでみることにしました。
(読んでなかったんかいっ)

するとその中に、こんな文章を発見!

「あなたが元々持っている一時滞在許可は、滞在延長の申請結果が通知されるまでは、
同じ条件のまま継続されます」

おお~~っっ!
つまり、申請をちゃんとしてさえいれば、滞在期限日までに通知が来なくても、
国内にエラそうに居座っていても何の問題も無いはず!!・・・のようです。

てな訳で、滞在延長申請の結果が出る頃にはとっくに日本に帰国しているはずですが、
少なくとも、滞在期限が切れた後も不法滞在にはならず、
「犯罪一家」のレッテルを貼られて一生苦しむ羽目にはならないと分かり、一安心したのでした。
(最初からしっかり読んどけよっ!)

・・・ということは何ですか?
この国では、期限が切れるぎりぎりにでも滞在延長申請すれば、
結果が出るまでの4ヶ月ほどは無条件で滞在しててもいいという、
とってもお茶目でいい加減なルールなんですか?

ほんまにそれでええんかぃ、カナダ~っ!
(そら「テロリストはカナダ経由で潜入してる」ってアメリカに文句付けられるわ)

トロント市内の移動には、主に地下鉄・ストリートカー(路面電車)・バスの3種類の公共交通機関が使われ、
それらはすべてTTC(Toronto Transit Commission、トロント交通局)によって運行されています。

「デイパス」という9カナダドルのチケットを購入すると、それらが1日中乗り放題になって便利なのですが、
土日祝日は、なんとその1枚で、家族全員(大人2人と子供4人まで)が乗れてしまうという、
なかなかの大盤振る舞いなんです。
(車減らすために、日本の鉄道会社もこれくらいやってくれ~ぃ)

当然富田家もその恩恵を十分に受けさせてもらおうと、
土日を狙ってはTTCで遠出して・・・安い大型スーパーへと旅立つことになります。
(目的はそれかっ)

もちろん歩いて行ける近所にもスーパーはいくつかあるのですが、
少しでも安いスーパーの方角へと条件反射で体がつい向いてしまうという、
貧乏学生時代に培われた熱い血潮は未だに健在のようでして・・・。
(なんのこっちゃ)

その「no frills」というお安いスーパーは、
ビニール袋をもらうと5セントのお金が掛かる店なので、無駄な出費を避けるために、
結婚祝いに会社の友人たちに頂いたローラー付きのでかい旅行かばんを引きずって向かうことになります。
(ちなみにトロントでは、この6月からどこの店でもビニール袋が有料になりました。
大学にランチを売りに来ている中華のワゴン車まで袋が有料になって、持ち運びが不便・・・)

それはさておき、トロントの物価は、決して安くはありません。
んが、以前も書きましたように、急激な円高のおかげで「割安感」はかなりアップ。
お肉だけは結構安くて、「Pork Loin(豚ロース)」やと1ポンド当たり2カナダドル(100グラム40円弱)から。
ただこっちでは、薄切り肉や小間切れ肉を売ってるの、ほとんど見たことありません。
そんなミミッチイ肉ではなく、2~3cmくらいの厚切り肉ならよく見るんですが。

てことで、安いお肉やその他もろもろを毎回大量に買い込んで、
重量オーバーとなった旅行バッグをひーひー言いながら持ち上げ、
必死の形相でストリートカーに乗り込むという、熱い週末が続いております。

どこに行っても、生活スタイルって変わらないもんですねぇ・・・。

さて話は変わって、カナダでは、
人々は軍人(退役した方含む)に対して最高の敬意を表します。

例えば、アフガニスタンを始めとする中東諸国に派兵されているカナダ人の下級兵士が、
自爆テロなどで亡くなり、その亡骸(なきがら)がカナダに送り返されてくると、
柩を乗せてハイウェイを走る車列を見るために、歩道橋に人々が集まり、
下を走る車に向かって敬礼したり、それを見て涙を流したりします。

それって、現在の日本では考えられない扱いだと思われませんか?
日本で、軍人(「軍」は無いはずなので自衛隊の方々?)が同じような状況で亡くなった場合、
ここまで国民が敬意を表するってことは、残念ながら、きっと無いですよね?

国内各地で11/11に行われる、戦没者を慰霊する「リメンバランスデー(Remembrance Day)」の式典では、
退役軍人の老紳士が、胸元にたっぷりの勲章バッジを、誇らしげに付けて画面に登場していました。
日本では、まぁ滅多にそんな映像、見ることはないですよね?

その違いって、やはり、日本が敗戦国だからなんでしょうか・・・?
それ以降も、同じように命を懸けた人々に対して、こんなにも扱われ方が違う。
何か、すごく申し訳ないような気がしてしまうのは私だけでしょうか・・・?

ありがたいことに、とても平和な国(現在は)に生まれ育ったおかげで、
失礼な話、そんな意識はほとんど持たずに、今まで生きてきました。

ほんの1年間とは言え、海外の文化やそこに生きる人々の考えに少しでも触れることができたおかげで、
このような軍人の方々への敬意も含め、改めて、
自分たちの国について考え直せる、いい機会になったように感じます。

・・・などと、大学での研究と全く関係ないことを考えてしまっている今日この頃なのでした。

さて、トロントでの生活もあと1ヶ月ほどとなりました。
あと少しだけ、いろんなことを吸収できたらいいなと考えています。

それではみなさま、湿気たっぷり、アツアツの蒸しパンのような季節にも、
負けず、くじけず、張り切って行ったりましょ~う!

(Vol.89 おしまい)


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