ぶつくさと〜く

【Vol.90】 プライド (2009.7)

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え〜、昨年末にTVや雑誌で取り上げられて以来、
日本では「男性用ブラジャー」なるモノが一部で流行っているそうですねぇ。

残念ながら私は付けたことが無いので、本当のところは分からないのですが、
「集中力が上がる」「リラックスできる」といった効果があると聞きました。
(別にブラジャーじゃなくても、このような効果は出せると思うんやけど・・・)

それにしても「流行ってる」って、どれくらいの度合いで流行ってるのでしょうか。
「ちょっと話題になった」っていう程度でしょうか?
それとも「街でちょくちょく見かける」って程度?
なんなら「もう常識」ってくらい、ほぼ全員が付けてるんでしょうか・・・?
(怖っ)

日本を離れてから1年ほどしか経ってませんが、
帰国が近づいているのに、いきなり浦島太郎状態で戻る訳にはいきません。

何も知らずに満員の朝の通勤電車に乗り込んで、
周りのおっさんら全員のシャツの襟首から、肩ヒモがチラリとはみ出してるのが見えて、
その場で私、失禁&悶絶してしまわないでしょうか・・・?

何も知らずにジーパンに薄手の白Tシャツ1枚でふらりと外出して、
何も付けていない胸元をみんなにじろじろと見られて、
帰りは胸を両手で隠して、泣きながら戻る羽目になったりしないでしょうか・・・?

と、こういった数々の不安を拭い去るためにも、
どなたか、その「装着率」を教えて下さいっ!!

ほんと、日本が痛々しい国に変わっていないことを祈る毎日です。
(なんのこっちゃ)

さて、それはさてお・・・かずに、話題はさらに続きます。
(う〜ん、ずいぶん気に入ったのね)

ここトロントでは、「プライドパレード」というイベントが6月末にありました。
これは今年で29回目を迎える恒例のパレードで、
夏の間毎週のように行われるトロントのイベントの中でも、特に盛り上がるものなんです。

何が特別なのかと言うと、これは、いわゆる「ゲイパレード」。
男性同性愛者である「ゲイ」のみなさんたちが、めちゃくちゃ派手な衣装に身を包んでは街を闊歩し、
そしてフロートの上でほぼ裸で激しく踊りまくるという、見ていて楽しい限りのパレードなんです。
(完全に裸で、ち○ちん丸出しの人もちらほら見掛けます)

実際にパレードに参加しているのはゲイの方々だけではなくて、一般にLGBTと略される、
レズビアン/ゲイ/バイセクシュアル(両性愛)/トランスジェンダー(性同一性障害)の方々、
さらには少数民族や宗教団体、一般企業から警察・軍隊などなどなど。
しかも、様々な国・地域からの移民で構成されているトロントなので、
登場する人たちも多種多様、この上ない限りなんです。

そして、こうした方々が堂々と胸を張って歩き、
自分たちの存在を社会にアピールし、理解を深めてもらおうという場なんだそうです。

イメージカラーであるレインボーのフラッグがあちこちで振られ、
雨上がりのトロントの街に、たくさんのカラフルな小さな虹が掛かった頃、
ついにプライドパレードがスタート!

パレードに参加している人々はもちろん大はしゃぎなんですが、
世界中からその「お仲間」が観客としてパレードを見物にやって来ていて、
ムキムキ男性陣の過激なダンスに、参加者よりテンション上がってる観客もいました(苦笑)

どう見てもおっさん顔のままの女性、パレード中に観客を誘惑してる男性、
そしてトロントの市長も、政治家のおっさんも、楽しそうに練り歩いてました。
ほんと、我々の想像を絶する内容のパレードが展開されます。
そもそも、全裸の人が街中を普通にパレードしてる姿とか、日本では考えられませんよね?

日本にいると、このLGBTの方々に出会う機会って少ないように思えます。
日本でも小規模ながらこのようなパレードが行われているようなんですが、
あまり表に出ないのは、まだこういった方々を受け入れられる文化に至っていないためでしょうか?

正直、私自身も、多少の「偏見」を持っていました。
でもこのパレードを目の当たりにして、その考え方が間違っていることに気付きました。

日本語版のwikipediaによると、
「カナダは居住条件抜きで同性結婚を認めるおそらく唯一の国」だそうです。
普段街を歩いていても、しばしばゲイやレズビアンと思われる人を見かけます。
そういった意味では、日本よりも、よっぽどオープンで進んでいる国なんだと思います。

何にせよ、世界にはこんなにもたくさんのゲイやレズビアンの人がいて、
そしてこんなにもパワーがあるんやなぁと、心から実感できるイベントだったのでした。
(少しだけですが、なんでも写真・トロント編に写真を載せました)

さて、日本を発ってから1年が経ちました。
長いようで短い海外生活もそろそろおしまい、8月の帰国が近づいてきました。
(よぅこのぶつくさと〜く書き続けたなぁ・・・)

元々の予定では、英語がペラペラになってるはずだったのですが、
残念ながら上達した感は全く無し。
ペラペラになったのは財布だけで・・・ほんま、あかんがな〜〜〜!!
(「きっと人間には、英語の発音を区別できる脳とできない脳があるのだろう」と、
勝手な解釈をして割り切ることにしました、はぃ)

・・・とは言え、一番の目的である大学での研究自体は、
たっぷりと時間を掛けて、深くまで掘り進めることができました。
そして、研究以外の生活面でも、多種多様な文化がひしめき合う街で、
多くのことを体験し、多くのことを学び、掛け替えの無い時間になったことは確かです。

このトロントでの1年間は、きっとこれからの人生に、
様々なプラスの影響を及ぼしてくれることでしょう。

しかし・・・8月中旬に日本に帰るってことは、
25℃前後で湿度の低い快適なトロントの夏から、
いきなり東京の、35℃近くのムシムシ地獄に突き落とされるってことか〜!!

嫌や〜!嫌や〜〜!!本気で嫌や〜〜〜!!!

・・・と言う訳で、無事帰れていれば、来月は日本からお送りします。
それではトロントからの報告は、この辺でっ!

(Vol.90 おしまい)


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