ぶつくさと〜く
【Vol.92】 木屋町 (2009.9)
え〜、先月も書きました通り、8月上旬にカナダより帰国しました。
下旬には、帰国の1ヶ月以上前に発送していた船便荷物がようやく届き、
これで家具類も全部揃って、やっと落ち着いた生活ができるわ〜っ!!
・・・と思っていた矢先、突然「1週間ほどUS出張行ってきてね」攻撃。
おぃおぃおぃ、帰国したとこやのに、また太平洋を越えなあかんのか〜ぃ!
ほんと、ジョン万次郎の時代やったら、怒鳴られてますよ。
(なんのこっちゃ)
行き先はアメリカ西海岸の最南端に位置する、サンディエゴという大きな街。
メキシコとの国境まで約25km、北へ2時間ほど車で走るとロスアンゼルス(L.A.)、ってな場所です。
L.A.については、みなさんの方がよっぽど詳しいかも知れませんね。
私が知ってたことと言えば、「ロス疑惑」くらいなんで・・・。
(古っ!)
ロスアンゼルスについて、それ以外のことは本気でよぅ分からんかったので、
とりあえずネットで検索してみることにしました。
すると、「ハリウッド」やら「ビバリーヒルズ」といった、
耳に聞き覚えのある単語が、目に飛び込んできました。
「折角近所まで行くんやし、ハリウッドのあの看板くらいはちらっとでも見たいなぁ」
と思った私は、仕事を全部終えたUS出国の日(土曜日)、
サンディエゴのホテルを朝6時前にチェックアウトして、
一路ハリウッドへとレンタカーを走らせたのでした。
(ほんま、必死やな)
途中、本家ディズニーリゾートをちら見した後(広すぎて中の建物全然見えんかったけど)、
有名人の星型のネームプレートや手形・足型が地面に敷き詰められている、
ハリウッドのメイン通り、その名も「ハリウッド・ブルバード」へ。
そして、ハリウッド&ハイランドという建物へ行ってみると、
テレビでもお馴染みの、白い文字で大〜きく書かれた「HOLLYWOOD」の看板が、
正面の山中に、ど〜〜んと見えているじゃないですか!
「うぉ〜〜!こんにちは〜〜〜!!」とテンションが上がった私は、
エレベーターで建物の上の階まで行って、
パシャパシャと特ダネ新聞記者並みに写真を撮りまくってしまったのでした。
(う〜ん、完全に観光客やん?)
で、警備員に「ここは立入禁止っ!!」と怒られてヘコむオチ・・・。
その出張の帰りの飛行機で、人生初のビジネスクラスを体験することになりました。
もちろんぺーぺー社員の身分なので、会社はエコノミー席しか用意してくれませんが、
今までコツコツと地道に稼いできたマイレージがわりと溜まっていたので、
11時間もかかるロスアンゼルス→成田便を、事前にアップグレードしておいたのでした。
意味もなく、ちょっと「しゅっ」としたええ顔をしながら、ロスアンゼルスの空港に到着。
チェックイン時には、当然のことながらエコノミーの長い列に並ぶ必要も無し。
チェックインと出国審査を上機嫌で終えた後(あほやな)、
さらにテンションを上げて、「ラウンジ」なるものへと向かいます。
国際線の、しかもUSのラウンジなんて、ちょっとかっちょええじゃないですかっ?
入ってみると、そこはまさに別世界。
ほんと、ラウンジなんて、
学生の頃サッカーサークルでよく行った京都木屋町のカラオケ屋でしか入ったことなかったんですが、
そことは全くもって違いました。
(当たり前やがな)
ロスアンゼルスのラウンジでは、座り心地のいいソファがずらりと並んでおり、
食べ物(パスタやサラダなど)も、飲み物(ワインやウィスキーなど)も、
「はぃ、ご自由にお取り下さい」の、持ってけ泥棒、ガバガバ状態。
さらにはシャワールームも完備で、「ゆっくりくつろいで」感が、半端じゃないんです。
当然のようにエコノミー皆勤賞の私、
普段は、混雑したゲート前のかったい椅子で待たされてオケツが割れそうになるだけじゃなく、
機内では文字通り肩身の狭い思いをして、
隣の人と肘が当たらないように、絶えずちょっと気を張ってなあかん訳ですよ。
それに引き換え、ここで待ってる連中は・・・。
ラウンジのソファに座って、田舎モン丸出しで周りをきょろきょろ物色しているうちに、
「金持ち連中は、普段こういう生活をしてんやの〜」と思って、
ゆっくりくつろぐべきところを、逆に、段々イライラが募ってきてしまったのでした。
(う〜ん、分相応で無いところに行くと、こうなるのね)
ビジネス席での11時間は、そらもう快適。
(まぁ日系の航空会社やのに、今回も英語で「ビーフ or チキン」食らったけど)
リクライニングの角度も、エコノミーのように「ちょろっと鋭角」ってな程度ではなく、
「飲み物、飲みにくっ!」って言うくらい後ろに倒れて、独りバックドロップ状態。
それでも、「いや〜、最高やん?」と思いながら、
美味しい和食の機内食を、しかも日本酒までたっぷり頂きながら、
ゆっくりと味わって楽しんでいました。
(帰国翌日に控えた「人間ドック」のことは、考えないことにした)
最高の気分で食事をしていた丁度その時、事件は起こったのです!
通路を挟んだ左隣のおっさんが、突然「あっ」と言う小さい声を出しました。
その瞬間、私の目の前を、たくさんの白い「何か」が横切ったのです。
「なっ、なんやっ??」
ふと横の通路に目をやってみると、そこには空っぽになった味噌汁のお椀が、
虚しい情感たっぷりに、コロコロコロン・・・。
「んっ!!!」
そ、そうなんですっ!
隣のおっさんが、味噌汁のお椀をつるっと滑らせてしまったらしく、
中身が結構入ったまま、すぐ脇の通路中央に転落。
その衝撃で、具材ともども一切の汁気部分が、勢いよくお椀から飛び出しよったんです!
(今週のビックリドッキリメカ、発っ進っ!)
運の悪いことに、その具材と汁気のみなさんは、私の座っている方向へ・・・。
私が使っていた備え付けのスリッパやブランケットだけでなく、
座席の前ポケットに入れていた私物のノートパソコン、
さらには足元に置いていた革靴までも、味噌汁にまみれているじゃないですかっ!!
「お〜〜ぅ!の〜〜〜〜ぅ!!」
ほんま、私が江戸時代の殿様やったら、すぐさま切腹もんですよ?
(どんな例えや)
しかしそのおっさんは、わりと余裕な顔して「あぁ、大丈夫ですか?」程度の軽い感じ。
「てめ〜!」と思いながらも、エセ・ビジネス客の私は、ビジネス常連ぶりを装うため、
「どうかしたの?味噌汁かかった程度では騒ぎませんよ?」的な顔を必死で作って、
「えぇ、大丈夫です」と、おっさんに負けないくらいの余裕をぶちカマしたったのでした。
(まぁ汁まみれの時点で、完全に負けやけど・・・)
結局キャビンアテンダントさんがやって来て、謝りながら、布巾であちこち拭いてはりました。
座席の前ポケットの周り、本気でびちょびちょの、汁地獄になってましたしね・・・。
でも、何が一番悲しかったかって言うと、まだ食べかけで美味しさ堪能中だった食事が、
いつの間にやら、下げられてしまってたこと・・・(号泣)
ほんま、「おっさんの、あほんだら〜〜〜っ!!」
・・・と、まぁこんな感じで、初のビジネスクラス、
いろんな意味で貴重な体験をさせてもらったのでした。
これって、「お前、調子に乗ってアップグレードなんかするな!」っていう、
神様&仏様の思(おぼ)し召し、なんでしょうかねぇ?
さてさて、もうすっかり秋らしくなってきました。
今年もまた、スポーツに読書に、そして食事にも、精一杯励むことにしましょう〜!
それではまた。
(Vol.92 おしまい)