ぶつくさと〜く
【Vol.94】 パン (2009.11)
あっと言う間にひんやりして、コートにマフラーと手袋で出勤する日々になってしまいました。
(もちろん、ズボンも服も、下にちゃんと着てますよ)
今年の各地の紅葉は「もひとつ」のようで、
久しぶりに行った私の実家、大阪・箕面(みのお)の滝道のもみじたちも、
残念ながら80点くらいの美しさに止(とど)まっていました。
さて、私の職場は、都内品川駅付近にある高層ビル群の中にあります。
毎日昼食後は、オフィスがある21階の男性トイレ前で、
上空までそびえるビル群と、それに囲まれた中庭でのんびりくつろぐ人々を見ながら、
せっせと歯磨きをしているんですが、
時々、ビルの合間を鳥たちが舞っている光景を目にすることがあります。
その日も、黒い大きな鳥が、気持ち良さそうに翼を広げて空高く旋回していました。
そして、す〜っと向かいのビルに近づいたかと思うと、
30階くらいのところにある小さな庇(ひさし)に、吸い込まれるかのように止まりました。
次に、いざ出発と言う時に、羽ばたいて横に飛び出すのだろうと思って見ていたら、
なんと翼を広げることなく、前のめりで下に落ちてしまったかのように急降下を始めました。
見ているこっちが一瞬、「えっ!鳥の飛び降り自殺を目撃かっ!?」と驚いたのですが、
当の本人は、10メートルほど落下したところで、急に翼を広げてふわりと舞い始めたのでした。
「なんやねん、焦って損したわっ!」と軽くツッコミながらも、
「あいつら、あんな高いところからいきなり真下に落ちて・・・全然怖くないんやろか?」
と、ちょっと鳥の気持ちを知りたくなってしまいました。
もちろん毎日毎日空を飛んでいて、慣れているはずでしょうけど、
それにしても、高層ビルの30階から飛び降りるんですよ?
もし何か、「野球ひじ」みたいな感じで片方の翼に違和感があって、
たまたまうまく翼が開かなかったりしたら、それで一巻の終わりなんですよ?
ほんまは、飛び降りる瞬間めっちゃびびってて、
きゅ〜っと「キャ○タマ」縮み上がってるんとちゃいますかね?
・・・と、歯磨きしながら、どうでもええことを考えてしまっている毎日なのでした。
(なんじゃそら)
みなさんもご存じ、米アップル社の「iPhone(アイフォーン)」。
そう、ある意味なんでも出来てしまう、特に北米で大流行のスマートフォンのことです。
先日、アップルのホームページでiPhoneのことをチェックしていたところ、
そのページの下の方に、ちょっと不思議なことが書いてあるのを発見しました。
「iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています」
へ・・・なんのこっちゃ?
実はiPhoneて、いつの間にやら別会社からの販売になってたんか?
全然事情を呑み込めない私は、そんな訳の分からんことを考えてしまったのですが、
みなさんはご存知だったでしょうか、この事実?
実は、インターホン業界の最大手であるアイホン社(本社・名古屋市)と、アップル社は、
同じような名前を持つiPhoneの発売に対して、その商標権に関して交渉を続けてきたらしいんです。
(ちなみにアイホン社の製品は、海外では「AIPHONE」という商標で販売されているとのこと)
まぁその交渉は、2008年の春にはすでに決着していて、結局は、
アイホン社がアップル社に対してiPhoneの名前の使用を許諾する、という形に収まったんだそうです。
恥ずかしながら、ワタクシ、全然知りませんでした・・・。
まぁでも、名前がどれだけ似てるからと言って、
アイホンのインターホンを買おうとして電気屋に立ち寄った人が、
間違って携帯電話のiPhoneを買って帰ってしまうってことは、
どう転んでも無いと思うんですけどねぇ・・・(苦笑)
いや〜、「唇」ってすごいですね。
(いきなりなんのこっちゃ)
帰国後すぐに歯科検診に行ったのですが、
「虫歯がありますよ」と言われて、それから歯医者に何度か通っているんです。
先日、下の奥歯の虫歯治療のため、部分麻酔をかけることになりました。
歯茎に「ちくっ」と一回注射されたのですが、
効きが甘かったため、その後もう一度、同じ場所に注射をされました。
で、歯の治療の方は、特に問題も無く早々と完了。
しかし、歯医者を出てからが辛い。
しばらくしてから、右側の下唇の感覚が完全に無くなってしまいました。
歯医者の後は、真っ直ぐ帰宅するだけだったのですが、
その日に限って何故かふと、最近テレビで放映されて評判の「八天堂のクリームパン」とやらを、
ヨメへの手土産に買って帰ろうと思ってしまったのでした。
渋谷駅のエキチカの売り場で、売り子さんの若い女性に、
5種類ある味のうち、どれが売れ筋なのかを聞こうと思って話しかけました。
んが、どうもうまくしゃべれない・・・(泣)
中でも、特に「パピプペポ」の発音は、全くと言っていいほど出来ません。
下唇に力が入らないため、口をぎゅっと閉じることができず、
「P」の音を上手く出せずに「ふゅ〜」と息が漏れてしまうんですよね。
よりによって発音すらできない「パン」を選んでしまったことを後悔しながらも、
不自然な口の動きを覚(さと)られないように口元を左手で隠し、
また「よだれが垂れてるのに自分で気付いてないかも」という恐怖に慄(おのの)きながら、
ややゆっくりしたお上品な口調で、クリームパンを買う羽目になったのでした。
(わしゃ、オカマさんか)
帰りの電車でも、ずっとよだれが垂れてるような感覚があって、ハンカチで何度も口を拭いました。
帰宅後の夕飯時にも、コップからちゃんとお茶を飲めないわ、
歯と唇の間に挟まってしまった米粒も上手く舌で取れないわ・・・。
で、結果として思ったことが「唇ってすごいなぁ」だったのでした。
(ちゃんちゃん)
さて、今年もあとわずかとなりました。
忙しくなりそうな12月、風邪など引かずに頑張りましょうね〜!
(Vol.94 おしまい)