ぶつくさと〜く

【Vol.95】 リミッター (2009.12)

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なんやかんやで、2009年もあとわずかとなってしまいましたね。
みなさま、本気の冬到来への備えは万全でしょうか?

さて、話は2年ほど前まで溯るんですが、ある日、社内で技術の展示会がありました。
私は、約9時間ほぼ立ちっぱなしで、ず〜っと説明員をしていました。
展示会が終わって家に帰り着く頃には、流石にへとへとになっていました。

夜、トイレで何気な〜くおしっこをしました。
その時、「ん?」と若干の違和感を感じました。
そして突然、何かが「コロン」と音を立てて飛び出してきたのです!

「うお〜、なんじゃこら〜!体の中のどこかの部品が取れてしもたんとちゃうんか〜!?
胃のネジか?心臓のナットか?どこのパーツなんじゃ〜!!」

よく見てみると、それは硬くて灰色の「小石」のようなものでした。
(「いとし」ではなくて「こいし」ね・・・って、寒っ!)

どうやら私の真っ赤なボディは、体内で勝手に小石を作ってしまうらしいんです。
小洒落た言い方をすると「結石」というやつです。
(あんまり小洒落てないか?)

そう、結石・・・経験された方、おられますでしょうか?
総称を尿路結石、発生する部位によって腎結石や尿管結石と呼ばれる代物なんですが、
この結石、男性が味わう痛みの中では1、2を争うくらいのモノとのことでして。

わたくし、過去に二度、その激痛に苦しんだ経験があります(号泣)

一度目は高校生のとき。

夜中の3時頃、私はいつも通り、大阪は箕面の自宅の2階で寝ていました。
ふと目が覚めたとたん、急に気分が悪くなってきました。
吐きそうな感覚に見舞われたので、他の家族を起こさないように、そ〜っと階段を降りました。

昔の記憶過ぎて、トイレの前まで行った後をよく覚えてないのですが、
いつの間にか吐き気は、激しい痛みへと変わっていました。

私は独り、風呂場の前にある足拭きマットの上で、
おでこを地面に付ける体勢で、ずっとうずくまっていました。
言葉では言い表せないほどの苦しみが幾度も襲いかかってきて、
いわゆる脂汗というやつが、じわ〜っと出ていました。

恐らく1時間以上はその場で格闘を続けていたんだと思います。
そのうち、気分の悪さも痛みも治まってきて、やがて起き上がれるまでになったのでした。
(で、家族は何も知らないまま、いつも通りの日常に戻る・・・)

もちろんその時は、これが小さな石のせいだとは夢にも思っていないので、
「あぁ、なんや分からんけど、このまま死ぬんやなぁ」と、
漠然とした不安を抱きながら、痛みに耐え抜いていた記憶がありますね。

二度目は大学生のとき。

それは初めての海外旅行を、高校の頃の友人3人で楽しんでいる最中でした。
友人の1人のご家族がスイスに赴任しておられたので、お宅に何日か泊めてもらっていました。

美味しい夕食をごちそうして頂いて、満足感た〜っぷりのところで、
ラブストーリーは・・・じゃなくて、「あの」苦しみは、突然やってきたのでした。

時間は夜の10時くらいだったので、まだ他の人も起きていました。
布団の上であまりに私が苦しんでいるので、「救急車呼ぼうか?」と言って頂いたのですが、
「たぶん、しばらくすれば治まります」と言って、じっとしていることにしました。
(病院行っても言葉通じへんし・・・ちょっと怖いやん?)

うつ伏せになって、腰の辺りを上から押してもらうと、少し楽になりました。
代わる代わる腰を押し続けてもらったおかげで、
痛みも和らぎ、以前ほど苦しむことはありませんでした。

そしてまたしばらくすると痛みが引き始めたのでした。
(ほんと、あの時は周りの方々に迷惑を掛けました・・・済みません)

こんな感じで、苦しい峠を二度、乗り越えてきたのでした。

今回トロントからの帰国後、またもや人間ドックを受診しました。

当日、診断結果を聞くと、あっさり「5mmくらいの石が映ってますね」とのこと・・・。
今まで二度の苦痛、そしてコロンと飛び出た「何か」から判断して、
「こら今までのん、全部結石とちゃうんか・・・?」と疑ってはいたのですが、
今回初めて正式に、医者の診断で「あなたは結石です」と認められたのです!

う〜ん、やっと一人前になれたのね、おめでとう、今晩はお赤飯よっ!
(なんのこっちゃ)

高校・大学時代に結石になったのは、今となってみれば、なんとなく理由が分かります。
その頃は身長が欲しかったために、
牛乳を、リッターサイズの紙パックごと毎日1本飲んでました。
つまり、カルシウムの摂り過ぎが原因の一つだったんだと思います。

で、その時代に牛乳をガバガバ飲み過ぎて、
恐らく人間の持っているリミッターを「ぷつんっ」と越えてしまったためなんでしょう。
近年は、牛乳を1杯飲むだけでお腹がゴロゴロして、なんなら若干下してしまうという、
お粗末極まりない、牛乳弱子ちゃん状態になってしまっているのでした。

じゃあ、最近はカルシウムが不足してるくらいやのに、何で結石が・・・?

その人間ドックの先生が言うには、カルシウムが足りていない場合は逆に、
身体の内部にあるカルシウム分(簡単に言うと骨)を溶かして、
カルシウムを補給する仕組みになっているんだそうです。
そして、それが原因で石ができることもある、というのが最近の研究結果なんだそうです。

カルシウムを摂り過ぎても石、摂らなくても石・・・。

どっちにしても石がコロコロできてしまうんなら、
せめて京都の龍安寺みたいに、身体の中でかっちょよく並んでたらええのになぁ。
・・・などと、訳の分からんことを思っている今日この頃なのでした。

みなさんも、健康には気をつけましょう。
そして、機会があれば、人間ドックも行ってみましょうね。

てな訳で、今年のシメは、ジジくさい不健康話のまま終わってしまうのでした。
それではみなさま、よいお年を〜。

(Vol.95 おしまい)


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