どたばた旅行記
1.エアーズロックとバイク
1996年夏、「エアーズロックが見たい」というこの単純な目的のために、
私は独り、オーストラリア(写真はこちら)へと旅立ちました。(約1カ月間)
エアーズロックへの拠点アリススプリングス(アリス)とエアーズロックの往復
(片道約600キロ)は、700ccのバイクで駆け抜けました。
「ああ、暖かい大陸の風を肌で感じている!」‥‥‥って、
日本が夏ってことは、向こうはもちろん冬。
実際は、「ひ〜、さっむ〜」って思って鼻を垂らしながら走ってました。
(アホやな、俺)
そんなバイクの旅の中から、ちょっとだけ名場面(?)を集めてみました。
まずは、アリスのレンタルバイク屋さんの前で。
永遠の「旅の友」と。
バイク屋の主人はとてもいい人で、ほんと、いろいろ助けてもらいました。
(詳細は後述・・)
 
オーストラリアは日本と同じ、左側通行なので、戸惑うことは
ありませんでしたが、なにしろ砂漠地帯なので、どこを見ても同じ景色。
たまに、カンガルーや野牛の死骸がちらほら落ちているくらい(車に引かれて)で、
結構暇だったので、鼻歌(+鼻水)をず〜っと歌ってました。
近付いてくるエアーズロックの序曲に、胸を高鳴らせながら。
100キロぐらいおきにあるガソリンスタンド。
もちろん給油はセルフサービスで、自分で適当にジャブジャブ入れて、
コンビニのような事務所に行って「ガソリン入れたよ〜」と言う。
(結構いい加減やな〜)
ついに見えた! もう、あまりのすごさに興奮してました。
エアーズロック、世界最大の一枚岩。
まあ言うてもただの石なんですけど、でも、
みなさんがいつも見ているあの石たちの「大親分だ」って考えると、
ものすごい気がしませんか?
(頭おかしい?)
 
そしてエアーズロックは、朝、昼、夕、そして夜、
時間とともにその色合いを変えてゆきます。
さて、興奮冷めやらぬまま、ふもとの街で野宿しようとしていたら、
外人さんに「お前、そんなことしたら死ぬで」って言われて、
まわりの外人どもに笑われました。
まあ、確かに砂漠の気候って、夜中はマイナス何十度になるんでしたよね。
でも、そのとき、お金をほとんど持っていなかったので、
どこにも泊まれなかったんです。
(むちゃくちゃやな、俺)
まあ、親切なイギリス人さんが、テントを貸してくれたので、
アリスで作っておいた「おにぎり」と「サンドイッチ」
(折角オーストラリアに来てるのに寂しい食事やな〜)を
食べながらそこで寝て、なんとか無事やったんですけどね。
2泊目はさすがに、お金借りてちゃんとしたところに泊まりました。
(でも食費はないので、例の「おにぎり」の残りを焼いて、
塩コショウで食べたんやけども)
エアーズロックの登山口。
ふもとに人がいるのん、見えますかね?
こんなでっかいんですよ。
そして帰り道―――
「まあ、いろいろあったけど、なんとか無事にここまで来て、
アリスまであと数時間か〜」ってところまで来てました。
エアーズロックの余韻に浸りながら。
が、やっぱり神様は、僕のことを嫌いみたいでした。
なんと、タイヤが変な音を出して、急にハンドルがぐらぐらになったのです。
つ、つまり、パンクしたのです!!
うっぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
はっきり言って、めちゃめちゃやばいことでした。
と言うのは、もう夕方やったし、すれ違う車も1時間に数台程度やし、
まわりは野牛(↑)がうろうろしてましたしね。
それに次の給油所まで60キロもあったんですよ。
しかしこの緊急事態に、何でか分からんけど、まず最初に思ったことは、
「取り敢えず、写真撮ろ」(それが下の写真)
あとで考えると、この冷静さ(芸人の血?)はちょっと恐かったですけど。
結局、じっとしていても仕方がないので、パンクのまま60キロ走りましたよ。
で、レンタルバイク屋の主人に電話して、はるばる来てもらいました。
(だって、パンクの修理代なかってんもん)
‥‥‥てな感じで、無事帰国できたわけです。
いや〜、よかったよかった。
(大体、砂漠を独りで走ってることからして無茶をしていたらしい。
が、どうやら本人には反省の色が全く見られないのが気になる。)
まあそんな感じの「エアーズロックとバイク」でした。
(おしまい)