どたばた旅行記
2.マレーシア脱出
これは、マレーシア(写真はこちら)に行った時の話です。
マレーシアの北西端にあるペナン島の入口・バターワースから
クアラルンプールへと夜行列車でマレー半島を南下し、
さらに列車で小さな町タンピンまで行きました。
15世紀に王国として繁栄した町、マラッカへ立ち寄るために。
マレーシアの鉄道はシンガポール〜クアラルンプール〜バターワースの西岸側に1路線と、
東岸側に1路線が走っている程度であまりメジャーではなく、
国内の移動手段は、もっぱら長距離バスが使われます。
まあしかし私はマレーシアのレイルパスを持っていたので、
タンピンの駅で次の日のシンガポール行きの列車を予約しようとしました。
シンガポールのチャンギ国際空港から日本への帰国便の出発が、
次の日の夜に迫っていたからです。
しかし、次の日のシンガポールへ向かう列車は全席予約ですでに一杯で、
乗れないと言われました。
(マレーシアの列車は予約がないと乗れない)
まあ長距離バスが充実している国で、マラッカからシンガポール行きの
バスも出てるらしいし、明日は長距離バスで移動するか〜と思って、
安心して路線バスでマラッカへ向かいました。(1時間くらい)
観光の中心地、オランダ広場。
キリスト教会、スタダイス、時計台など、植民地時代の名残なのか、
赤いレンガ造りの西欧建築が色濃く残ってます。
セントジョーンズ砦。
町のあちこちで、ポルトガルやオランダやイギリスが残した
要塞、砦、砲台が見られます。
 
マレーシア最古の中国寺院、チェンフーテン(青雲亭)。
町には他にイスラム寺院、タイ寺院、インド寺院などがあり、
ほんまにいろんな文化が混じってます。
*****
さていろいろと観光していたら、夕方頃になったので、
次の日シンガポールへ向かうバスを予約しにバスセンターに行きました。
何時出発のバスがあるかな〜と思いながら。
すると、なんと次の日のバスは予約ですでに一杯だと言われたのです!!
うそ〜ん、日本に帰られへんや〜ん。
しゃあない、ここでマレーシア人になるか。
まあミテクレ的には問題ないし。
何回か現地の人に現地の言葉で話しかけられたし。
・・ってなんでやねん。(ほんまやけど)
とりあえず必死で考えました。
ヒッチハイクするか。いやいや、そんな確実性のない手段はあかんやろ。
じゃあ大金はたいてタクシーで行くか。そんな金持ってないやん。
う〜〜〜〜〜〜〜ん。
しゃれならん、とりあえず南へ向かおうと思った私は、
一番シンガポールに近い町へ向かうバスを探すことにしました。
そして選んだのが KLUANG 行きのバス。(読み方もわからん)
その KLUANG は列車が通っている町だとのことでした。
KLUANG でシンガポールへ行くバスがなければ、
列車の駅まで行ってなんとか頼み込んで乗せてもらおうと思ったのです。
事情を説明すれば乗せてくれんことはないやろ・・と。
そしてその日はマラッカの安宿で眠りました。
言いようのない不安に包まれたまま・・。
そして飛行機出発が迫った当日の朝。
KLUANG へ向かうバスがマラッカを出発、
日本帰国をかけてのシンガポールまでの旅が始まりました。
ガイドブックにもなんの情報も持っていない町 KLUANG にバスが近づくと、
私は当然町の地図を持っていないので、
バスの中からきょろきょろして列車の駅を探していました。
すると途中で一度線路を横切りました。
しかしバスはなかなか止まらず、
さらに5分ほど走って、小さなバスターミナルに到着しました。
私は、とりあえずさっき見えた線路はこっちの方角やろ、
という方向を目指して走りました。
乗せてもらえるか分からない列車ですけど、
その列車の出発時刻が迫っていたのです。
そりゃもう走る走る。めっちゃ重いバックパックを
背負ってたわりにはかなりのスピードで。
なんとか発車時刻までに駅までたどり着きました。
(駅の写真撮ってる場合やないけど)
しかしここからが問題。
私は必死で、乗せてくれ、レイルパスは持っている、
今夜の飛行機で日本に帰らんといかん、
などなど言って頼み込みました。
するとしばらくすると「OK」と言ってくれたんです。
やった〜、帰れる!
もう安堵感から、涙がちょちょぎれそうでした。
そして到着した列車に乗り込み、
車両の連結部分近くにある補助いすに座って無事国境を越え、
夕方にシンガポールに到着、帰国できたというわけです。
いや〜、よかったよかった。
そんな冷や冷や感たっぷりのマレーシア旅行でした。
(おしまい)