旅の写真

27.スリランカ

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【1.コロンボ/Colombo】

「インド洋の涙」とも呼ばれる、光り輝く島・スリランカ。

インドの首都ニューデリーから、飛行機で南東にあるチェンナイへ。
さらに国際線に乗り継いで、スリランカのかつての首都・コロンボへと到着しました。
(今の首都は「スリジャヤワルダナプラコッテ」・・・長っ)

コロンボ01   コロンボ02   コロンボ03

インド同様、車の運転はちと危険だと聞いたので、ドライバー付きの車をチャーター。
(人件費が安いので、それがわりと普通なのだそうです)

コロンボの街にある道路名の案内板は、公用語である「シンハラ語」「タミル語」、そして最後に「英語」で書かれていました。
その丸っこい文字がとても可愛らしく、見ていてちょっと安心してしまう自分がいるのでした。
(なんのこっちゃ)

日本車01   日本車02   日本車03

どうでもええんですが、どこで手に入れたんじゃいと思うくらい、いろんな車に見慣れた文字が(苦笑)
思わず、ふらっと新宿行きのバスに乗り込みそうになりました。

【2.シギリヤ/Sigiriya】

スリランカのほぼ中央に位置する、シギリヤへと到着します。
ジャングルの中に忽然とそびえる岩山(シギリヤ・ロック)が印象的なこの地は、世界遺産に登録されています。

シギリヤ01   シギリヤ02   シギリヤ03

まずは、シギリヤ・ロックを遠くに望むホテルにて一泊。
夜は美味しいバイキング料理と、スリランカ産の「ライオンビール」に満足。

シギリヤ04   シギリヤ05   シギリヤ06

翌日、早朝からシギリヤ・ロックへと歩いて向かいます。
ロックの向こうから朝日が顔を出し、辺りが幻想的な雰囲気に。

このシギリヤ・ロックの魅力は、景観の美しさだけではなく、そこに秘められた物語にあります。
5世紀後半、父を殺害して即位したカーシャパ王は、弟の復讐を恐れてこのシギリヤ・ロックの頂上に宮殿を造ります。
岩山の上に建てられた、狂気とも言える孤独な宮殿・・・。
その11年後、弟によって攻撃を受けたカーシャパ王は、自害という結末を迎えるのでした。

そんな過去に思いを馳せながら、天然のアスレチックのような階段を抜け、さらに上を目指します。

シギリヤ07   シギリヤ08   シギリヤ09

垂直な崖をらせん階段で上がると、そこには「狂気の王」が残した傑作がありました。
スリランカを代表する芸術とも言われる「シギリヤ・レディ」、王の死後1,400年も経った19世紀後半に発見されたのだそうです。

かつては500体ほどの女性が描かれていたそうなのですが、今残っているのは18体だけ。
この美しいフレスコ画は、狂気のカーシャパ王が、父親の霊を鎮めるために描かせたのだと言われています。

シギリヤ10   シギリヤ11   シギリヤ12

さらに「ライオンの入り口」と呼ばれる階段を上がり、かつて宮殿があった岩山の頂上へと到着。
頂上からの景色は、360度の緑のジャングル。
孤独な「狂気の王」は、この景色を見ながらどんなことを考えていたのでしょうか。

【3.ダンブッラ/Dambulla】

シギリヤ・ロックから車で30分ほど、ダンブッラの町へと到着します。

ダンブッラ01   ダンブッラ02   ダンブッラ03

ダンブッラ石窟寺院の入口にある大仏は、見事なまでに金色に輝いていました。
そこからさらに階段を上がっていくと、石窟寺院に到着します。

ダンブッラ04   ダンブッラ05   ダンブッラ06

紀元前より存在したとされるこの寺院、岩をくり抜いていくつかの石窟が作られ、
一つ一つの部屋には、巨大な壁画や涅槃(ねはん)仏などが安置されていました。

とても素晴らしい石窟寺院なのですが、
ロケーションもスケールも、インドの世界遺産・アジャンタ石窟群には及ばなかったですねぇ(失礼!)

アルヴィハーラ01   アルヴィハーラ02   アルヴィハーラ03

ダンブッラを後にし、次の目的地であるキャンディを目指します。
その途中、アルヴィハーラと呼ばれるちょっと不思議な寺院に立ち寄りました。

ここは2,000年以上の歴史がある、装飾も彫刻も色彩豊かな仏教石窟寺院なのですが、
その内部に「地獄絵図」と呼ばれる、
子供の頃にどこかで見たことがあるような恐ろしい「地獄」の世界が、壁一面に描かれています。

見ていると、こっちまで痛い気持ちになってしまうくらいのエグい絵ばかりで・・・楽しめました(苦笑)

宝石店01   宝石店02   宝石店03

続いて、キャンディ近郊にある宝石店へ。

宝石はスリランカの名産品とのことで、中でもブルーサファイアが有名。
職人さんたちが、一つ一つ丁寧に研磨している姿も見せてもらいました。
(さすがにここで買った宝石は、本物のはず・・・)

【4.キャンディ/Kandy】

スリランカの古都と呼ばれる、キャンディの町へ。
ブッダの歯を安置しているという「仏歯寺」が、ここを神聖な地と化しているようでした。

キャンディ01   キャンディ02

町には1周4kmほどのキャンディ湖という湖がデンと横たわっており、
水辺の散策を愉しむ人たちが、あちらこちらにいてはりました。

スリランカのフルーツは本当にカラフルで、どこの果物屋にも所狭しと並べられています。

キャンディ03   キャンディ04   キャンディ05

キャンディで宿泊した「クイーンズホテル」というところ。
いわゆるコロニアル様式の建築で、仏歯寺の真ん前という観光にはとても便利な場所にあります。

アンティークでまとめられた部屋でとても素敵ではあったのですが、
まぁ「昔の高級ホテル」なので、部屋の鍵がちゃんと閉まらない・・・。
(スライド式のロックが、ちょっとずれとる訳ですな)

仕方なく部屋にあったコップを二つ重ねて、外からドアが開いたら音が出るシステムを緊急導入・・・(泣)

キャンディ06   キャンディ07   キャンディ08

さて、キャンディのメインイベントである仏歯寺へ。
スリランカを代表する仏教寺院であり、早朝から夜まで参拝する人の足が絶えません。

正面には茶色の屋根をした八角形のお堂がそびえ、白を基調とした美しい寺全体にアクセントを加えていました。

キャンディ09   キャンディ10   キャンディ11

ついに、仏様の「歯」が安置されているという建物へ。

この歯、紀元前543年に、ブッダがインドで火葬された際に取り出され、
その後、ここセイロンに持ち込まれたと言われています。

正直なところ、真実なのかどうかは私には分かりません・・・。
ただその地に生きる人々に、厚い信仰の対象として取り扱われていることだけは事実です。

1日に3回だけ行われる礼拝(プージャ)の時間にだけ仏歯がある部屋の扉が開かれ(写真中央)、
しかも部屋の外から、歯が収められているという黄金の「仏塔」を見られるだけなのですが、
それでも皆、一目それを見ようと行列を作って順番を待ち、熱心に祈りを捧げておられる姿がとても印象的でした。

キャンディ12   キャンディ13   キャンディ14

最後に「キャンディアン・ダンス」を見るために、キャンディ・レイク・クラブというところへ。

宮廷の踊りに各地の民族舞踊がプラスされたというキャンディアン・ダンス。
様々な美しい衣装に包まれた男性や女性が、時には激しく、時には優しく舞い、楽しい時間を過ごせました。

最後に行われるファイアーウォーキング(火渡りの儀式)では、
「完全に足に火が燃え移ってるやんっ!」とツッコみそうになるくらいの迫力(写真右)。

【5.ピンナワラ/Pinnawala】

キャンディを離れ、再びコロンボへと向かいます。

ゲラガマ01   ゲラガマ02   ゲラガマ03

途中「ゲラガマ・エステート」という、紅茶の製造工場へ。

そう、ご存じの通りスリランカと言えばセイロンティー。
特にこのキャンディ周辺は標高も高く、紅茶のプランテーションが盛んな地域なのでした。

製造の工程をしっかり見学した後は、値段も色も千差万別の紅茶が並ぶショップへ。
最高級の「ゴールデン・チップス」をお土産に買ってみたのですが、
あまりにお上品な味過ぎて、普通のリプトンティーバッグの紅茶の方が美味しく感じられました・・・。
(あかんがな)

ゾウ孤児園01   ゾウ孤児園02   ゾウ孤児園03

さらに車を走らせて、ピンナワラというところへ。
ここはスリランカの中で、私が是非とも行きたい場所の一つでした。

そう、ここは「ゾウの孤児園」・・・親とはぐれてしまったり、親を亡くしてしまったり、
ジャングルで孤児となってしまったゾウを100頭以上保護しているのだそうです。

・・・とは言え、すでに立派な観光地。
思いっきり日本語で書かれた看板に、「ゾウのうんちで作ったペーパー」を宣伝してました。
(わざわざ製造過程まで見学して、普通にお土産として買うてしもた・・・)

ゾウ孤児園04   ゾウ孤児園05   ゾウ孤児園06

人気なのは、子供のゾウに哺乳ビンでミルクを与えられるというイベント。
(もちろん別料金ですが〜)

写真を撮らせてくれる時間もないほど、あっと言う間に飲み干してしまうのですが、
まぁその可愛らしい姿に癒されること、間違いなしです。

そうこうしているうちに、メインイベントの「川での水浴び」の時間になります。
孤児園をぞろぞろとゾウたちが出ていき、砂煙を立てながら、近くにある川に次々と入って行きます。
大勢のゾウが、走りながらの大移動・・・なかなか圧巻の姿でした。

ゾウ孤児園07   ゾウ孤児園08   ゾウ孤児園09

川に入り、楽しそうに水浴びをするゾウたち。
お母さんのお乳を嬉しそうに飲んでいる赤ちゃんゾウや、大人しく飼育員に洗ってもらっているゾウもいて、
そこにはまるで、優しい別の時間が流れているかのようでした。

*****
ゾウの孤児園を後にしてコロンボへ、とうとうスリランカともお別れです。
駆け足での周遊でしたが、この仏教色豊かな国スリランカで、とても素敵な時間を過ごせました。

(おしまい)


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