ITPとは
血液中には赤血球・白血球・血小板がありその血小板が減少する病気です。血小板が減少すると血が止まりにくくなり、色々なろころから出血します。
てるてるの発症
昭和59年9月某日、足に赤い紫斑がではじめ、翌日鼻出血が1日中止まらず生理も重なり貧血でトイレに行くのもまま成らない状態。さらに翌日、近所のかかり付けの病院を受診し、採血、出血時間、血圧などを検査。結果を待ち、すぐに大学病院を紹介され、そのまま入院となる。白血球数約1000血小板数約1000以下の状態で白血病の疑いももたれ、その後の詳しい検査の結果「ITP」であることが判明。   そのころの私は、ベット上安静(トイレもベット上)、鼻出血がずっと出ている状態でいつでも鼻に綿球を、片側4個ずつ詰められていた(薬つきの綿球)
検査
3ヶ月の入院中に色々な検査をしました。マルク(骨髄に特殊な針を刺し髄組織を採取)を3〜4回、カルシウム検査採血(ほぼ毎日)、その他色々検査しました。
治療・薬
10種類ぐらいの飲み薬を飲んでいたときもありました(鉄剤、カルシウム、ビタミン、etc)
一番は
プレドニン(ステロイド剤)です。それから、γーグロブリン(点滴)、免疫抑制剤です。
副作用
プレドニンでの副作用はたくさんあります。私がおきた副作用は、ムーンフェイス食欲増進(これによって肉割れ)、情緒不安定不眠多毛症視力低下にきびでした。
退院後
週1回の通院、夏休みなどの休みを利用し、入退院の繰り返し。
脾臓摘出
高校2年の夏、突然の高熱吐き気しびれ極度の頭痛がおき、CT検査。結果、頭に出血それをきっかけに、脾臓摘出のため2時間ほどの手術をしました。(大きさは男の人の拳2個)その後の血小板数は術後70万になり、ドンドン下がり2〜3万を維持するようになり、使う薬の効き目が早くなった。
SLEとは
膠原病の中のひとつです。はっきりとした原因は解明されていませんが、多臓器疾患であるのです。SLEの診断基準は11項目あり、そのうちの4項目以上を充たされたときに診断がくだります。簡単な説明にすると、免疫異常遺伝ホルモン環境要因が複雑に関与しています。
てるてるの発症
平成3年夏、指に紅斑が出始め、ひざ、耳、顔と、次々に出ました。そのころから微熱が続き、風邪などとは逆に朝熱が上がり夕方になると下がってくる、の繰り返し。耳の下や脇の下、首などのリンパセンが腫れ、痛みはまったくない。通っている大学病院で、皮膚科を受診し、入院して紅斑の組織を切り取り、検査したところ他の検査も含め、「SLE」との診断。
検査
SLEでの検査にも色々ありますが、私はほぼ採血のみでした。
症状
これも多くの症状がありますが、ここでは私に出た症状を紹介します。           
蝶形紅斑脱毛関節痛リンパ腺の腫れ血液学異常抗体異状血管炎です。
治療・薬
ステロイド剤(プレドニン)免疫抑制剤パルス療法です。
退院後
月1回の外来通院。外来にて、免疫抑制剤(エンドキサン)の点滴を受けていました。退院してからは、SLEがうそだったかのように沈静期に入っていて、これといった症状は出ていません。しいて言えば、ITPの、血小板数だけ(当時3〜5万を維持)
エンドキサン
免疫抑制剤は慎重に使われる薬です。この薬を長期間使用していると副作用も大きなものがあります。例えば、妊娠を希望している方には厳禁です。なぜなら、卵子をだめにしてしまうのです。これは多量に長期間(20年や30年以上)使っている場合です。
 
 

妊娠・出産
ITPSLEも絶対に妊娠してはいけない病気ではありません。ただ、それぞれITPには血小板数の問題、SLEには沈静期活動期があります。これらのことをよく考え、担当の医師とそれに携わる産婦人科医の診断が大切です。今は順調でも、妊娠中または産後というのは、体力を使います。それを考えれば自分自身でも想像がだいたいつくと思いますが、「妊娠前と同じ状態ではない」ということなのです。
てるてるの妊娠
平成8年8月、生理が遅れ市販の妊娠検査薬を使って陽性の反応。主治医から妊娠はダメととめられていたにもかかわらず・・・。でも、できたことにまちがいはないので、相談してみたところ、もちろん、病気のこともあっておろすこともできず、(おろすとは自分では考えていなかった)産むことえを決意し、念を押して「生まれてくる子に異常があってもおかしくないこと、自分が出産後病状が悪化するかもしれないこと」などと注意事項はいっぱいでした。
出産
妊娠中はこまめな採血をして順調にすごしたのに、出産は、そうはいかなかったのです。出血が多く、胎盤摘出後、子宮内反(子宮が裏返ってしまった)子供は小さく、黄疸、高Bil血症、低血糖と、異常があり小児科にそのまま入院。私は、出産前にγーグロブリンで血小板数を上げて、の予定がタイミングが合わず、出産後にγーグロブリンを点滴し、プレドニンも増え、血圧も上がりしばらくの間はベット上安静になってしまいました。子供に会えたのも10日後。出産後の日記参照
生まれてきた子
生まれてすぐは血小板が少なかったのですが、日に日に上がって正常です。はじめは親の血液が混ざっているために数値がはっきりしないことがあるのです。SLEもITPもなく、一番心配していた心臓も丈夫で、健康です。
その後
私の血小板数が、出産後10万〜15万を維持するようになりました。発病から13年間(昭和59年から平成9年)は10万なんて数値をみたことなかったのに、出産をきっかけに上昇し、現在では通院も2ヶ月おきで、プレドニンも1錠(5mg)です。ただ長期間飲み続けているので平成12年暮れに風邪をひき、せきをしていたら肋骨にヒビが入ってしまい、そのときに骨密度を量ったら58歳並でした。ショックでしたがこれも長期間にわたるステロイド服用の現実です。肋骨は弱いもので平成13年夏ダンナに投げ飛ばされ右側肋骨4本骨折。
SLEのほうも、まったく症状は出ません。妊娠がわかったときにものすごく悩みましたが、産んでよかった。私にとって天使です(親ばかですけど)。時には私を困らせるいたずらや、だんだん成長するにつれて生意気になってきていうことを聞きませんが、あの時の苦しみを思い出し、育児を楽しんでいます。ただ、良いことばかりではありません。産後、一度も自然に生理が起こりません。排卵も止まってしまい、2人目不妊ってやつです。身内の人は産めない体で産んだのだから次は諦めなさい、といわれました。でも、私は諦めませんでした。
天使が生まれて2年後と5年後に排卵誘発剤を打ちに病院に通いました。一度目は何度打っても良い結果は出なく途中で休憩というかたちでお休みをしてから3年が経ち、再度病院に通い治療を始め待望の2人目の天使を授かれました。2人目もリスクはありましたが欲しかった分それも嬉しく思ったりもします。
私の考え
難病を難病と思うな、目に見えない難病こそ自己管理が大切。そして、家族の信頼と絆が一番の薬である。こう、私は考えます。

★ITP・・・血小板減少性紫斑病
★SLE・・・全身性エリテマトーデス