2006年小さな旅 銚子電鉄に揺られて



18切符が一回分余っていたので、行ったことがないところ、と考えていて思いつきました。行き先は、銚子です。

銚子へは、千葉から成田線または総武本線という二つのルートがあります。行ってみれば、稚内に行くのに天北線と宗谷本線があったみたいなもんです。成田線というと上野から出ているイメージがあるのですが、実はあちらは支線なんです。栄えているのは、総武本線のほうです。
それにしても、千葉は広い。房総半島というより大陸です。そんな房総半島の付け根にあるのが、銚子です。利根川の河口にあたり、となりは茨城になります。


千葉からは、この懐かしいスカ色の113系に乗ります。東京行きと同じホームから出発するので、スカ線に向かうような錯覚さえおぼえますが、この車両もかつてスカ線にいたもの。なかには、東海道から移ってきたことをしめすように塗色の跡がはっきりと残る車両もいます。もちろん、古いのもいます。
千葉を出ると、かわりのない田園風景が続きます。お昼時でしたので、車内でお弁当を広げます。

春のまめ御飯弁当。ごまめといってもグリンピースだけでして、どちらかといえば、そこに乗っている桜花塩漬のほうがおいしさをそえています。おかずは、鮪の照焼、蛤のフライ、鶏照焼、煮物です。そして、ビールは、黒ラベル。千葉に工場があるんですね。そして、絵がボビーなんですね。このヴァレンタインだけは好きなんだなぁ。
いやぁ、しかしなかなかすすまないなぁ。銚子が近づくにつれ、利根川や鹿島の工場の煙突が見えるようになります。退屈なまま、2時間ちょっと。ようやく銚子です。
(イルカがお出迎え)
銚子電鉄は、JRのホームのさきから出発します。改札と待合室はあるのですが、無人です。車掌が途中の笠上黒生(かさがみくろはえ)まで乗っていて、車内で切符を買います。往復して途中下車もするつもりだったので、弧廻手形という一日乗車券を購入。これには、濡れせんべいの引換券もついています。

単行の車両に観光客がざらっとうまる感じの混み具合。やる気ないかんじでごとごと揺れながらすすみます。本当にレールが頼りない感じがします。2台の車両が、行ったり来たりしています。この車両は、銀座線にいたものを改造したもの。足回りは、富士急にいた小田急のものらしいです。
このライト、今となっては知っているヒトもすくなくなっちゃったよねぇ。むかし、銀座線は停電する場所があった、といっても話しが通じない。

ごとごと揺られ、あっという間に終点外川です。時間があればこの町をあるいてみたいところでしたが、何しろ体調がよろしくないので、今回はパスしました。

こんな小さな鉄道ですから、いつなくなってもおかしくないというか、それで濡れせんべいを焼いたり、あれやこれや力をいれたわけです。そのひとつが、どこを目指したんだかよくわかんない駅舎。銚子駅は、オランダ風車。たい焼きで有名な(次回食べなきゃ)観音は、スイス風。君ヶ浜は地中海イタリア気分。犬吠駅はポルトガル。あと、昔アシカがいたという関東最東端(つまり本州最東端)の駅、海鹿島なんていうのも(すごく地味な駅でしたが)。全体に古びてきていて、というかそれ以前に景色にとけ込んでなくて、なんかわびしげ。オランダ風車にいたっては、羽根が撤去されちゃっています
 
結局、一番味があるのは、なんにもかわっていない、とうかかえていないというか、外川駅だったりします。どうよ、このレトロぶりは。富士急も真っ青であります。


せっかくなので、犬吠埼を目指すことにします。駅からの道は、歩道がないところがあるので、要注意です。
とにかく海が荒れています。
風が冷たいです。
微妙な栄えぶり、が、わびしくなります。単に来た時期が悪いんです、きっと。
ここの灯台は、上まで上ることができますが、古いのでいろんな意味でこわいです。眺めは、いいんですけどね。太平洋、向こうはアメリカか?地球は丸く見えません。

しかし、どこが犬吠埼なんだか、よくわかりません。ここか、というところは、波にあらわれています。

看板ぐらいあってもいいのに、とか思っていたら、なぜか海と反対方向のがけの上にありました。

場所、おかしくないか。ホテルの看板のほうが目立っているし。

ここまできたので、ほんとうなら海の幸を地の醤油で堪能し、海を一望する温泉につかり、地酒で一献、といきたかったのですが、なにしろ体調最悪。朝、よくぞ出発してきた、という状態(でもビールのんでますが)。時間もなく、どんどん寂しくなってきたので、あっさりと銚子をひきあげました。
次回は、澪つくし号にのるぞ!(沢口靖子さんが演じていた澪つくしを知っているヒト、まわりに少なくなっているんですが=えっ?もう20年の前の朝ドラなんですか)

Posted: 日 - 1月 29, 2006 at 11:32 午後          


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