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恋路駅にたたずむわたしの気持ちは
いろいろな地名がある。そして、いろいろな駅がある。気になっている駅がある。
そのひとつが、のと鉄道恋路駅だ。
なにせ恋路である。恋かぁ。もう長い間縁がないなぁ。恋路ってどんなだろう。でも、駅にならわたしにでも行くことができる。のと鉄道能登線は、2005年3月31日をもって廃線になる。すると、恋路を見ることすらできない。わたしは、恋路を見に向かった。
(以下、写真多用で続きます)
とはいえ、能登は遠かった。能登空港を使ったならいざしらず、鉄路だけではほんとうに遠い。以前は、急行能登路のような金沢からの直通列車やパノラマ列車であるのと恋路号があったが、今は鈍行のみ。遅い。
しかも、廃線前ということでふだんは単行なのを特別に3両編成をくんだ列車は、東京のラッシュ時のような大混雑。しかもツアー客までのりこんでくるんだから、たまらない。まったく、ツアーくむなら貸し切れよな、旅行会社よぉ。車掌は特別に乗り込んでいるけれど、ワンマン運転だからあけられるドアも限られ、どんどん遅れが増していく・・・。
しかし、面白いのは、いかにもマニアという客だけではなく、中高年のかたがたが目につくこと。それだけ愛されていたんだろうなぁ。
そんなわけで旅情のかけらもない状態でようやくたどり着いた恋路駅。有名な駅だけに、それなりの乗客が降りる。他の無人駅とは違い、立派な待合室(?)もある。でも、高台にあるホームから田んぼをかいしひなびた道路の向こうにつながる内浦のながめは、なかなかよろし。とても気持ちがよい。ただし、山側をみるとスギが花粉をまき散らしている。おいおい。
恋路駅は、1964年に蛸島駅まで能登線が全通したときに臨時駅として誕生。のと鉄道になってから、通年営業になった。
次の列車までまだ少し時間があるので、恋路海岸をあるく。駅から道へつづく緩い階段は緑に覆われていて、これまたなんともいえずよろし。
景色をまったく無視するかのように、鐘があるのでならしてみる。恥ずかしながらひとりでならしたところで、寂しすぎる。当然の事ながら。もっとも、二人でならす勇気があるかときかれれば、ない。いとしこいしなのだ。許せ。ここは、恋路ロマンチックパーク。どこもかしこも恋路である。
岩場をまわり、弓なりに小さく広がる恋路海岸の砂浜をあるく。民宿というかホテルというか、そういうのがあるから、夏はにぎわうのだろう。というか、こんな季節にひとりでくるほうがどうかしている。残念ながら、今日は同じように時間をつぶすヒトビトがいるが。
せっかくなので鳥居をくぐり弁天島にもいってみる。許せ、なんだかわからないけど、許してくれ。旅に出てもきょうは気分がどんどん沈んでいく・・・。ネタをみつけようとすることでなんとか繕ってみる。
碑文によれば、約700年前、木郎の里の助三郎と多田の里の鍋乃は、人目を忍んでこの浜で逢瀬を重ねていたが、鍋乃に想いを寄せる源次が二人の仲をねたみ、助三郎はだまされて深い海から帰らぬ人となり、鍋乃も源次の求愛を断り助三郎のあとを追ったという悲しい恋の物語から、いつの頃からか「恋路」と呼ばれるようになった、とのことだ。
二人は結局この世では結ばれることがなかったわけだが、わたしは、そんな相手もなく恋路からはるかとおいところにいるんだな。ううむ。
Posted: 月 - 3月 28, 2005 at 11:15 午後
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Published On: 11 18, 2006 11:21 午後
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