ぶつくさと〜く

【Vol.122】 新聞 (2012.3)

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こちらデリーは段々と気温が上がりだし、3月末だというのにすでに35度を越えている状況です。
そう、デリーの夏は4〜6月、もう夏の入口まで来ているんです。

この時期は乾季にあたり空気が砂埃混じりになるので、家の中の床や机があっという間に白くなってしまうこと、
そして頻発する停電による「エアコンなしでの40度越え地獄」、このダブルパンチに怯える日々が始まります。
(こればかりは本気で嫌なんですよね・・・)

さて先日、デリーのとあるマーケット近くを歩いていたときのこと。
ふと見ると、1匹の犬が、なぜか力なくヨロヨロと歩いていました。

何かあったのかな〜と思いつつ見ていると、立ち止まった犬は、おもむろにしゃがみ出し、
「ぷりぷりぷり〜」と、ウ○チ様をお出しになられたのです。
ただそれだけなら普通の出来事なんですが、可哀想なことに、なんと「下痢」をしてらっしゃる・・・。

普段から、道端に落ちているあんなにきちゃないモノを食べていても平気なはずの犬が、
普通に下痢をしてしまうとは・・・。

この国では、下痢は人間だけがするものではないんですね。
犬たちも、きっと他の動物たちも、食べ物や水に当たってしまったりしているんでしょう。
彼らにとっても、きっと過酷な環境なんやろなぁ・・・。

危険な国・インドを、さらに実感してしまったのでした。

インドに「Kingfisher Airlines」という航空会社があります。
(ちなみに「Kingfisher」は、かわせみ(翡翠・川蝉)の意味)

派手な宣伝と、モデル出身など多くの美人キャビンアテンダントの採用で、
2005年に運航を開始した会社ながら、あっという間に業績を上げてきたエアラインです。

私がインドに来た昨年4月には、確か「インドで一番」と言われていたはずなのですが、
あれよあれよという間に業績が傾き、あっさりと経営破綻寸前となっています。
(経営者がおバカなせいだと聞きました)

資金繰りが厳しく、支払いが滞っているため燃料の供給を断られ、
フライトの約半数近くがキャンセルになる状況に追い込まれ、
IATA(国際航空運送協会)が航空券の発券を停止するという騒ぎになり、
ついには免許剥奪か・・・というような話が、ごく普通にニュースで流れています。

そんなことになるとは思いもせず、私は、インド国内の観光地「ゴア」へ行くフライトの予約を、
数ヶ月前からそのKingfisher Airlinesで入れてしまっていたのでした。

元々は土曜日朝のフライトで、デリーからバンガロールを経由してゴアに到着する予定だったのですが、
Webで自分の予約を確認してみると、何の連絡もなくムンバイ経由便に変更されていました。
(まぁ経由地はどこでも構わないのでええんやけど・・・)

さて、フライトの2日前(木曜日)になったので、
早目にWebチェックインをしておこうかな〜と思い、自分の予約を再度確認してみました。
すると、前回確認したときからさらに変わっている・・・。

え〜と、土曜日の朝10:00頃デリーを出発して、ムンバイにはお昼の12:00頃に到着と。
で、次のフライトはムンバイを、その日の朝5:00発・・・。

えっ!?朝の5時??
ちょうどお昼にムンバイに到着して、次の乗り継ぎ便が同じ日の朝5時ムンバイ発って、
全然乗り継げてへんやんけ、ありえへ〜〜〜〜っん!!!

もう出発の2日前なんですよ?
勝手にフライトを変更しておいて、しかも乗り継げない便のまま放置って、一体どういうことなんじゃ〜!!

と、ノートパソコンに向かって言ったところで何も変わらないので、
翌日の朝、結局自分でKingfisher Airlinesに電話して、変更してもらわないといけない始末。
(私の予約を見た担当者も、さすがに「あっ」みたいな感じの反応でした・・・)

確認したところ「土曜日はフライトがありませんね、金曜の深夜便でお願いします」とさらっと言われ、
仕方なくそれで受諾・・・。
金曜って・・・いきなり今晩発になってるやん・・・。
まぁ結果的には長い時間ゴアに滞在できることになったので、それはそれでよかったのですが・・・。

しかしたまたまWebで確認したからよかったものの、何の変更の連絡も無かったし、
一般のインドの方々は恐らく、当日空港のカウンターに行って、初めてキャンセルと知ったのでは・・・ぞ〜っ。

こんなリスクたっぷりの航空会社、この先どうなってしまうのでしょうか。

さて、ひょんなことから新聞に名前が載ってしまいました。

決して、インドで事件を引き起こしてしまった訳ではなく、事件に巻き込まれた訳でもありません。
また、事件は会議室で起こってる訳でもなく、現場で・・・。
(関係ない上に古いし)

1月の終わりに、突然1通のメールが来ました、「ザ・ウェイブ」のことを聞きたい、と。

そう、私が以前2009年の頭に訪れた、アメリカはアリゾナ州のとある国定公園内にある、
まさに世界が認める絶景である「ザ・ウェイブ」。
その「ザ・ウェイブ」について聞きたいことがある、とのことだったのでした。
※どたばた旅行記「壮絶!冬のザ・ウェイブ」は こちら

理由を確認してみると、こうでした。

朝日新聞の日曜日の朝刊折り込みに「GLOBE」という別刷りがある。
その中の記事で「ザ・ウェイブ」の特集をすることになった。
でも実際に行った人がほとんどおらず、困った挙句、ネットを検索してみたら、
たまたま写真や旅行記を公開している人がいた、それで連絡してみたのだ、と。

確かに、「ザ・ウェイブ」に入れるのは一日たったの20人。
行った人がほとんどいないのは、その通りだと思います。

誰かの役に立てば幸い、と思って公開していた「ザ・ウェイブ」の旅行記なので、
実は今までも何度か、全然知らない一般の方から問い合わせが来ていたのですが、
今度はなんと新聞社の方からコンタクトがあったという訳です。

とてもお急ぎとのことだったので、わざわざインドの携帯にまで電話をかけてもらい、
メールが来たその日のうちに、いきなりの電話取材・・・。
で、その週末日曜日の新聞には、私の名前(年齢も)とコメントが出てしまうことになったのでした。
(たった一人だけ、会社のお知り合いが私の名前に気付いて連絡くれました)

「しかし新聞の原稿締切ってそんな直前なんやな〜。確かに毎日発行してんやから、普通か〜」
などと、今まで全然知らなかった世界のことを、ちょっとだけ垣間見られたような気がして、
全く関係ないところで、独り、テンションが上がってしまったのでした。

***

さて、デリーは過酷な季節が始まりましたが、日本はきっと、いい季節になってきた頃ですよね。

毎日何気なく通り過ぎている公園にだって、毎日急いで駆け抜けている道端にだって、
きっといつもと違う、美しい花が咲いているのではないでしょうか。
ふと立ち止まって、目で感じて、鼻で感じて、そして心で感じてみられてはいかがでしょうか。

さぁ、4月からまた新しい年度、みなさん張り切って行きましょう〜。
それでは今回はこの辺で。

(Vol.122 おしまい)


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