ぶつくさと〜く
【Vol.134】 大群 (2013.3)
大きな家に何家族かが住んでいる、私のデリーのおうち。
その家での電気代がめちゃ高い話は、以前の「Vol.114」にも書きましたが、
実は電気代だけでなく、水道料金も結構高かったんですよね・・・。
(正確にはどんどん上がっていった)
「う〜ん、高いな〜、おかしいな〜」と思いながらも、
請求書がずっと「ヒンズー語」で表記されていたので、
細かいところまで確認せず、そのまま放置していたのでした。
が、最近請求書が英語表記に変わったので、一度内容を確認してみることにしました。
すると、独り暮らしで、しかも夜寝る時くらいしか家にいないはずなのに、
平均で一日あたり、なんと「3キロリットル」も使っている計算・・・。
シャワーでも25リットルくらい、洗濯しても100リットルくらいしか使わないはずなんですが、
それが3,000リットル、重さで言うと3トンって・・・うちにはどでかいプールでもあるんかいっ!!
で、今更ながらに「これは完全におかしい、何かカラクリがあるのでは?」と思い始めたのでした。
(すでに住み始めてから1年半以上経ってんやけど・・・)
流石にこの部屋のオーナーに言って、何とかしてもらわんとあかんなぁと思ったのですが、
「普通それくらいの使用量ですよ〜」とか平気で言われて終わってしまい兼ねないので、
ちゃんと証拠を揃えることにしました。
どうしようかと考えた挙句、私が日本に一時帰国している4日間、
つまり家に誰もいない間の水道メーターの推移を、集合住宅の全家族分、
うちの門番さんに毎日記録してもらい、それを確認してみることにしたのでした。
すると・・・誰もいないはずの私の家の水道メーターが、何故かぐんぐん上がっている・・・。
そして、お隣さん(=建物全体のオーナー)の家は、常時6人も人が住んでいるはずなのに、
なんと水道のメーターは一切上がっていない・・・。
めっちゃめちゃ怪しいじゃないですか〜〜〜!!!
で、すべての記録したデータをわざわざエクセルに入力し、推移をグラフ表示までして(必死やな)、
「何かおかしい」という証拠を十分に揃えて、(うちの部屋の)オーナーに長々と説明したのでした。
(あくまで事実だけを淡々と説明して、「対応をお願いします」と言っただけ〜)
まぁ流石に反論の余地も無かったためか、それとも実は部屋のオーナーもその事実を知っていたのか、
本当のところは分からないままなのですが、
結局は交渉の末、「以降の水道料金は払わなくていい」という結論になったのでした。
まぁきっと・・・よく相場を分かっていないであろう外国人を使って、
水道代をちょろまかそうとしてたんだと思うんですよね〜。
(ばれるっちゅうねん!)
いや〜、ホント、すっかり騙されてしまうところでした。
危ない、危ない。
日本への帰任が迫ってきた頃、家にあった不要なモノたちを売ろうと、バザーを開催しました。
日本に持って帰る荷物は最低限にしたかったので(ヨメからのキツいお達しもあり・・・)、
本棚もオイルヒータも空気清浄機も、食器も携帯電話も、そして大学時代から着ていた洋服たちも、
なんでもかんでも売り飛ばすことになったのでした。
業者にお願いしてやってもらったのですが、当日確認すると、バザーではなくいわゆるオークションでした。
(広告掲載料と売り上げの10%を持って行かれます)
とある日曜日、業者3名がオークション開始の1時間前に家にやってきて、まずは品定めをします。
そして家の玄関にテーブルで仕切りを作り、人々が部屋の中にまで入って来ないようにセッティング。
時間前には玄関にぞろぞろと人が集まり、見えているだけでも、インド人を中心に20人くらい。
業者がモノを見せながら「じゃあいくらから〜」と言うと、集まっていた人たちから声が掛かり、
「じゃあいくら」「こっちはいくら出す」と言った感じで値が決まっていきます。
(ヒンズー語なので全然金額分からんかったけど・・・)
例えば洋服は一着ずつ値段を付けるのではなく、がばっと20着くらいを束にして売り飛ばす・・・。
確かに効率がいいと言えばいいのですが、想い出の詰まったモノたちがごっそりまとめられて、
あっと言う間に売り飛ばされてしまうその姿は、見ていて少々悲しいものがありました。
私は玄関が見える部屋の中で待機して、業者から順次手渡されるお金を管理する役目でした。
「いくらで売れました〜」と業者が私の方を向いて伝えてくるので、私は「はぃOK」とだけ言う、
するとそれで落札が決定する、という流れなのでした。
めちゃめちゃ高額で売れるという訳ではないですが、順調にどんどんと売れていき、
最後の目玉商品である「46インチの液晶テレビ」を売る段階になりました。
(流石は専門の業者、売っていく「流れ」の作り方がうまい・・・)
その時、いきなり業者が私の方を向いて、「じゃあ人を中に入れるので」と言ってきました。
こちらは何の心の準備もできてなかったので、「うっそ〜ん!!」と思ったのですが、
結局何の準備もできないまま、とりあえずお金の入った袋だけ握り締めて部屋の隅っこに退散。
その数秒後には、インド人がどっと部屋の中になだれ込んできました。
玄関に見えていたのはほんの20人くらいだったのですが、
ぞろぞろと部屋の中に入ってきたのは、なんと60人以上・・・。
そう、我が家のリビングに、60人ほどのインド人の大群が、一斉に突入してきたのです!
うお〜〜、信じられへ〜〜〜〜んっ!!!
しかも業者3人はテレビを売るのに一生懸命で、私のことなんかには一切お構いなし。
テレビの値段が徐々に上がっていく中で、
テレビに興味が無いインド人たちは、私のところにやって来て、
「このソファー売ってくれよ。このカーテンは?このエアコンは?」と、次々に問い詰めてくる。
いやいや、それは売り物ちゃうし・・・こらこら、あちこち部屋の備品をいじるんじゃないっ!!
ええから、次から次から気軽に話し掛けてくるのん、止めてくれ〜っ!!
・・・と、ほんと、家の中はかなりの大騒動になってました。
(と言いながらも写真はパチリと撮影〜)
結局合計で7万ルピー、日本円にして12万円ほどは売れたので良かったのですが、
いやほんとに、いろんな意味で貴重な経験をしたもんです・・・(苦笑)
さて、3月の中旬。
2年間のインド・デリーでの単身生活を終え、とうとう日本に帰国しました!!
デリーに赴任した際は、全く新しい仕事で、全く新しいポジションで、
まだ誰もやったことがなくて、しかもたった一人の赴任で、
「まず・・・何から始めたらええのかしらん?」という状況だったのですが、
あれやこれやと忙しくしている間に多くの経験をし、逞(たくま)しくなって帰ってきました。
(身体はもうボロボロかも知らんけど〜)
もちろん、インド国内のたくさんの場所を訪れることもでき、
多種多様な文化、自然、宗教、食事、娯楽・・・本当にいろいろな体験もできました。
そして4月から、心機一転、新しい生活が始まります。
仕事も、私生活も、いろいろと大きく変わることでしょう。
どんな環境にあったとしても、これからも、明るく楽しく、精一杯頑張って行きたいと思います。
それではみなさま、引き続き、日本からのぶつくさと〜くをお楽しみ下さい!!
(帰国してさらに忙しくなり、書く暇が無いんやけど・・・)
それでは今回はこの辺で。ど〜〜ん!!
(Vol.134 おしまい)