旅の写真
10.ギリシャ
【1.アテネ/Athens】
2004年10月、オリンピックの興奮覚めやらぬアテネへと向かいました。
アテネは雨の季節に入っており、到着した日はあいにくの曇り空。
 
まず最初に、空港からバスと地下鉄を乗り継いで到着したのは、街の中心部にあるシンタグマ広場。
長旅の疲れを癒そうと、噴水のそばのベンチに座って、
憧れの地だったギリシャの雰囲気を、ひしひしと感じ取っていました。
広場の隣にある無名戦士の墓は、1時間に一度行われる衛兵の交代式の真っ最中でした。
 
 
アテネと言えばここ、アクロポリスの丘。
UNESCO(ユネスコ)のマークでもお馴染みのパルテノン神殿を始め、古代の音楽堂(写真中央)や劇場など、
紀元前5世紀頃に建てられた歴史的な建造物が立ち並んでいます。
世界中から集まった観光客たちが、その堂々とそびえ立つ姿に圧倒されていました。
夜はパルテノン神殿を中心に、アクロポリスの丘がまるごとライトアップされていて、
とても幻想的でした。
 
どうでもええんですけど、アテネの街にはとにかく犬が多い・・・。
アクロポリスのすぐ麓、一日中多くの人で賑わうプラカ地区でも、
人が近くにいようがお構いなしで、まるで死んでるかのようにぐったりと横たわっていました。
右の写真の犬なんか、ちゃんと日陰になる場所で寝てやがるし。
 
パナティナイコ・スタジアムは第一回近代オリンピック(1896年)が行われた場所です。
2004年のアテネオリンピックでは、女子マラソンの野口みずきさんが金メダルのゴールをしたあの競技場ですね。
右の立派な柱は、ホテルのすぐ前にあったゼウス神殿。
(奥の方にはアクロポリスの丘が見えとります)
ところでその泊まっていたホテルでのことなんですが、
初日の夜、風呂に入ってもうそろそろ寝ようかというときに、突然「コンコン」と扉をたたく音がしました。
私は、「こんな時間に何や?」と少々怪しみながらも、ゆっくりとドアを開けて、顔を出しました。
するとそこには、困った顔をしたホテルのスタッフが。
「バスタブ、使ってました?」
話を聞いてみると、なんとバスタブの水が下の階にまで漏れているとのことでした。
もちろん、無茶苦茶な使い方をした訳ではないですし、水をいっぱいこぼした記憶もないのですが、
まあとりあえず、「悪いけど、しばらく使わないで欲しい」とのことでして・・・(泣)
む〜ん、やっぱり安いホテルにはそんなオチが待っているのね。
 
 
朝5時に出発して、アテネの玄関港・ピレウス港へ。
暗闇の中、エーゲ海の島々へ向かうたくさん大型フェリーが並んでいました。
しかしギリシャ語で行き先が書いてあって読まれへん・・・。
(文字の中にθとかσとかλとか入ってて、ほんま、数学嫌いな人は行ったらあかん国ですよ)
ちょっとだけ奮発して一等のチケットを買い、サントリーニ島へ向かう船へと乗り込みます。
中はまるでちょっとしたホテルのように豪華で、ラウンジでずっと横になってくつろいでいました。
到着まで約7時間半の、エーゲ海を越える船旅です。
【2.サントリーニ(ティラ)島/Santorini(Thira)】
アテネを出発したフェリーは、パロス島やナクソス島といったエーゲ海に浮かぶ島々を経由し、
この旅の本当の目的地、サントリーニ島(ティラ島)へと向かいます。
ここは、一晩で海に沈んでしまった幻の大陸「アトランティス」の伝説が色濃く残る島。
謎に満ちた美しい島へ、ついにやって来ました。
 
快晴のサントリーニ島をフェリーから見ると、
断崖絶壁の上にある白い壁の町並みは、まるで雪が降り積もったかのようでした。
過去に何度も火山の噴火があって島が崩れてしまったために、このような地形になったのだそうです。
アテネからは、飛行機だと45分ほどで到着するのですが、
この不思議な光景を海から眺めながら徐々に島に近づくと、自然と気持ちが高まって来るのを感じました。
フェリーは、サントリーニ島で一番大きなフィラの町から、数kmほど南にあるアティニオス港に到着します。
船を下りた人々は、フィラまで約20分ほどのバスに、足早に乗り込みます。
 
フィラの町。えらいとこに町がありますよねぇ。
町には、所狭しとたくさんのお土産屋や食べ物屋が並んでいました。
茶褐色の断崖絶壁の上から光輝くエーゲ海を見下ろすと、ほんと、そのまま吸い込まれそうになります。
 
 
白やピンクの壁、青くて丸い屋根、そして白い十字架と青い空。
フィラから郊外に行くと、いろんな風景に出会えます。
ロバも歓迎?してくれてました。
最終日のために、場所を確認しておこうとサントリーニ空港へ。
びっくりするくらい、こじんまりした建物でした。
ちなみにもっとこじんまりと見えている黄色のバギーが、レンタルした車です・・・。
(なかなかスリリングな走りで楽しかったですけども)
 
 
島の北端にあるイアの町へ。サントリーニ島では、この町に3泊しました。
「まるでおもちゃ箱のような」と形容されるこの町は、本当に本当に小さな町で、
一つ一つのお店が可愛らしく、とても静かで落ち着く場所でした。
 
イアの風景。
いやほんと、この美しい風景に言葉は要らないでしょう。
 
宿泊したホテルは、断崖の岩に洞窟を掘って作ったという伝統的な造りをしていました。
島の端にあるイアの町の中でもさらに端にあり、とても静かなホテルで、本当によかったです。
(まぁ場所が場所だけに、たくさん階段の上り下りはありますが)
部屋の前のテラスでエーゲ海を見ながら、
材料を買ってきてキッチンで作ったシーフードたっぷりのパスタとビールを頂く・・・。
ほんっと、贅沢な話じゃないですかっ!(って、贅沢ならわざわざ作らんて?)
 
 
サントリーニ島・イアの町に来た一番の目的は、「世界で一番美しい」と称される夕日を見ること。
夕日に照らされた白い壁がほんのりと紅く染まると、イアの町に優しい時間が流れ始めます。
そして、眼下に広がるエーゲ海のその向こうに、太陽はゆっくりと、その姿を隠していきます。
この夕日を見るためにフィラの町から集まって来ていた観光客たちは、
じっとして、この世界一の光景を目に焼き付けていました。
ちなみに宿泊したホテルのテラスからも、夕日が沈み切るまでちゃんと正面に見えていました。
(まぁそのことをホテルに事前に確認してから予約しましたんで・・・えへ)
 
そして、暗闇に浮かび上がるかのように、崖の上の町に灯りがともり出します。
サントリーニを離れる最終日は、例によって早朝6時出発。
前日までにホテルの清算を済ませておき、気を遣ってスタッフを起こさないように静かにホテルを出発したのですが、
チリンチリンと鐘を鳴らしながら、呼んでもいないのにロバタクシーのおじさんが登場。
(完全にホテルとタイアップしてるみたいでして)
ちょっとの距離なので「要らんわぃ」と断ったのですが、どうも英語通じないらしく・・・。
まぁどう考えてもこのために朝早くから起きて来られたようなので、
それほど荷物もなかったのですが、荷物をロバに乗せて運んでもらうことにしました。
小銭を極力使い切っていたので、チップをたっぷりはずむ羽目になるのですが、
まぁ記念に写真でも撮っておこうかということで。
さて、帰国の途。サントリーニからアテネ、そしてシンガポール経由で日本へ向かいます。
そのアテネ→シンガポール便で、ぶつくさと〜くVol.34に書いた「事件」発生!
写真はその直後のものです。
流石に、めっちゃ顔はむくんでるし、ものっすごい顔色は悪いし、
まぁそら、こんな早起き強行スケジュールじゃ無理もないんですけども・・・。
とにかく、憧れのギリシャ、美しいエーゲ海の島、すべてを満喫することができました。
特にサントリーニ島には、また機会があれば行ってみたいと思います。
(おしまい)