旅の写真
15.グランドサークル(前編)
グランドキャニオンにモニュメントバレー。
そんな壮大な景色を求めて、冬のアメリカ・アリゾナ州へと旅立ちました。
【1.フェニックス/Phoenix】
グランドサークルからは少し外れるのですが(と言うかそもそも「サークル」状に周遊してないけど)、
そんなことは全く気にせずに、旅はまずフェニックスからスタートします。
 
人口が150万人を超えて、どんどん大きくなっているというフェニックスの街。
しかし、避寒地だけあって、そんなに人口がいることを感じさせない「のんびり感」が漂っていました。
1週間前に開業したてのライトレールは、広いフェニックスの街を快適に走り抜けます。
(でも夜は本数が少なくなるので、結構待たされて不便やった・・・)
街の中心(右)には高層ビルらしきモノがちらほらとはありましたが、
やはり砂漠地方特有の「茶色くて低い建物」がほとんどでした。
 
とりあえずフェニックス動物園行きのバスを終点で降り、動物園を素通りして、
いろいろなサボテンの展示があるという「砂漠植物園」まで、道なき道を適当に20分ほど歩きます。
(地図持ってなかったんで・・・)
「わざわざ砂漠植物園まで行かんでも天然のサボテン生えとるがな」と思いつつも、
手を振るサボテンを横目に、そして野ウサギに出会いながらも、砂漠植物園を目指します。
 
 
砂漠植物園(Desert Botanical Garden)に到着。
フェニックスが位置するソノラ砂漠を中心に、世界中の砂漠の植物たちが集まって・・・って、
ほとんどサボテンばっかりなんですけど、
まぁいろんな珍しい形の種類のサボテンを見ることができて楽しかったです。
歩いていると突然ハチドリが飛んできて「ホバリング」を開始。
生でハチドリが蜜吸うてんの、初めて見ました・・・。
【2.セドナ/Sedona】
フェニックスを出発し、地球のパワースポットがあると言うセドナへと向かいます。
(またグランドサークルと関係無い場所かぃ・・・)
近年日本からもセドナへ行く「スピリチュアルツアー」などが、女性に人気なんだそうで。
(どうもウサンクサイなぁ)
 
両側にサボテンがにょきにょき生えるI-17号線を2時間ほど走ると、
4大ボルテックス(パワーの渦がある場所)の1つである「ベル・ロック(右の写真の左側の丘)」が見えてきました。
 
チャペル・オブ・ザ・ホーリークロスという名の教会。
赤い岩の上に、美しい教会が建てられていました。
(ちょっと「人工」の感じ丸出しやったけど)
 
 
4大ボルテックスの1つ「カセドラル・ロック」の麓へ。
緑の多い季節には美しい景色になるのですが、残念ながら枝が寂しそう・・・。
それでも、川の水面に映るロックの姿は、堂々としたものがありました。
 
リゾート地、セドナのアップタウンへ。
ツアー会社や土産物屋、レストランなどが、こじんまりと並んでいました。
【3.ペイジ/Page】
グランドキャニオンは後回しにして、どんどん北上。
一路、レイクパウエルの南西端に位置するペイジへと向かいます。
 
北上するにつれて、だんだんと「草のある砂漠」から「草のない砂漠」へと景色が移り変わります。
日没時には、空のキャンバスに飛行機という名の筆で描いた、素敵な絵画を見ることができました。
*****
ここで恒例、ミニ旅行記を。
この日は、「レイクパウエルリゾート」というホテルに宿泊することになっていました。
レイクパウエルのマリーナ近くにあり、夏はヨットで贅沢に遊ぶ大人たちで溢れる、そんなリゾートホテルです。
湖が目の前に広がるその素敵な光景を楽しみに、3ヶ月も前からホテルを予約していました。
さて、町の灯りから離れたところにあるそのホテルに近づいてきたのは夕方の6時半頃。
辺りはすっかり暗くなっており、何の目印もない道をずいぶん進んで、やっとのことで到着しました。
ホテルにレストランがあると書いてあったので、減ってきたお腹も待ち遠しい感じです。
「さぁ着いた。ちょっと部屋でゆっくりするか〜」と、車から荷物を降ろしてホテルの玄関へ向かうと・・・
「ん、ホテルの一部、工事してんかな・・・?」
まぁ多少の不便は仕方ないか〜と思いながらも、さらに進むことにしました。
そして玄関の前まで来ると、一枚の貼り紙が。
 
「Lake Powell Resort is closed for the winter. The resort will re-open March 12, 2009.」
(レイクパウエルリゾートは、冬期休業中です。3/12に再開予定です。)
「あ〜、なるほど、冬なのでまぁそらしゃあないか。オープンするまであと2ヶ月ほど、近所でぶらぶらするか〜」
・・・って、なんでやねんっ!
こっちはず〜っと前から予約入れてて、しかももうとっくにお金も払っとるっちゅうねんっ!
一体全体、このホテル、どないなっとんじゃ〜〜!!
まぁ確かに、駐車場に車を止める時に、ずいぶん他の車が少ないなぁと思って、
一瞬不安がよぎったのは事実なんですが、こんな露骨なオチが待っているとは・・・。
「おいおい、野宿せなあかんのかよ」と思ったその時、
その貼り紙の下にセロテープでおもむろに「N-T Tomita」と書かれた謎の手紙がくっ付いていることに気付きました。
そしてその手紙には、「代わりに○○ホテルに部屋を用意したので、そこに行ってね」と・・・。
ということで、結局また暗い道を町まで戻り、急遽用意された別のホテルに泊まることになったのでした。
しかし、代替ホテルを用意したとは言え、この連絡の仕方、どう思います?
「看板に手紙貼り付けて終わり」て、もし誰かがこれ持ち去ってたら、完全に路頭に迷ってましたよ?
しかも手紙にも、一切「申し訳ない」という意味のことは書かれてなかったんですよ?
まぁ無事に別のホテルに泊まることが出来たのでいいのですが・・・ほんと、ひどい目に遭ったもんです。
※後日「流石にそれはないんとちゃうの?」とホテルを予約した(日本の)会社にクレームをつけたところ、
「ご迷惑をお掛けしました」と、2泊のうち1泊分の料金がホテルから返ってきました。
*****
さて、気を取り直して・・・。
翌日は、ザ・ウェイブのある「パリアキャニオン」へとトレッキングに向かいました。
(その模様は「どたばた旅行記・壮絶!冬のザ・ウェイブ」にてお送りします)
 
 
夕暮れ時の、レイクパウエルとマリーナ。
ここ数年、上流地域の少雨のために水位がどんどん下がっているんだそうです。
野うさぎも、湖を見つめながらそっと物思いに耽(ふけ)っていました(写真右)。
 
 
ペイジの町から車ですぐのところにある、ホースシューベンドへと向かいます。
車を降りてなだらかな砂漠の丘を越えると、目的地はすぐに見えてきました。
 
「ホースシュー(horseshoe=馬の蹄鉄)」+「ベンド(bend=曲がっていること)」の名の通り、
レイクパウエルから流れ出たコロラド川の流れが、キレイな馬のひづめ形をして蛇行しています。
それが、高さ100m以上はあろうという断崖絶壁なのに、柵も何もない・・・。
おしっこ数滴ちびりながらも、恐る恐る寝そべって、この美景を眺めました。
 
 
続いてアッパー・アンテロープキャニオンへと向かいます。
ここはツアーでしか行けないので(ロウアーの方は個人でも行けるらしいが)、
ペイジのツアー会社でちょうど昼頃出発のツアーを選びました。
4WD車で川底らしき砂地をしばらく走り、キャニオンの入口(岩の裂け目)へと向かいます。
 
アンテロープキャニオンの中。
度重なる鉄砲水が作り出したという、幻想的で不思議な空間が広がってました。
グランドサークルの旅は、後編へと続きます。
(おしまい)