ぶつくさと〜く

【Vol.46】 知床旅情 (2005.11)

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先月末のことですが、急遽、2泊3日で北海道・道東地区へ行ってきました。

ANA(全日空)のマイレージが多少溜まっていて、
以前からそれを使ってどっか行こかな〜?と考えていたのですが、
「3年前のバイク旅(写真はこちら)で行ったカニづくしのあの宿に、もう一度泊まりたい!」
とかねがね強く思っていたので、今回はそこに行くことに決まったのでした。

折角なので、今年世界遺産に登録されたてほやほや(おめでとう)の知床にも寄ろうと、
10月中旬くらいからネットなどで調べ始めたところ、
知床峠を越える「知床横断道路」が11月〜4月の6ヶ月間は通行止めになるとのことだったので、
こりゃ急がなあかんわぃと、急遽10月中の決行となったわけです。

羽田からひとっ飛び、昼前に釧路空港に到着して、早速レンタカーを借りました。
レンタカーの営業所は片側一車線の道路に面しており、そこはほとんど車の通行がありませんでした。
私はカーナビにて目的地を確認すると、営業所から右折をしてその道に出ました。
「さぁ、道東を巡る旅へ、いざ出発〜!!」
と意気込んだのも束の間、助手席に座る嫁からツッコミがありました。
「あの〜、反対車線走ってますけど」

なんと、何の意識もなくす〜っと右側のレーンに入って、思いっきり逆走し始めていたのでした。
ま、まぁ、海外生活長かったからね・・・(←うそ)

普段車の運転は滅多にしないので、久〜しぶりに車を運転したら、そら逆走くらいしてしまいますよ。
(って、バイクはしょっちゅう乗ってるんやけどなぁ?)
みなさんも、慌ててウィンカーを出そうと思って操作したら、
洗浄液がいきなり目の前にピュッと飛び出て、「おわっ!」って焦ることありますよね?
(そんな痛々しいのは俺だけか・・・?)

まあそんな幸先よい(?)スタートを切った旅ですが、あいにくの曇り空とは言え、
美しい丹頂鶴を見て、阿寒湖のワカサギを食べて、オンネトーや網走を訪れて、
順調に今回の旅のメインであるサロマ湖畔のカニの宿に着きました。

約3年ぶりの宿泊だったので、「あの頃のカニづくしの料理がもう無くなってたりして〜」と、
到着するまで内心少々不安ではあったのですが、
全くもって期待を裏切ってくれることはなく、食卓にはカニっ、カニっ、カニっ・・・。
なんなら前よりも食事の量が増えたんとちゃうか?と思うほどのカニ地獄に、
今回もぎゃふんと言わされてしまったのでした。
う〜ん、カニだけに、もうカンニンしてっ!(・・・オホーツクの寒さ到来)

さて2日目は、知床五湖〜羅臼〜開陽台を経て、屈斜路湖へ向かうルート。
この日も晴れたり曇ったりとイマイチの天候だったのですが、
幻想的な大自然の中を歩いたり、道端で野生の鹿に出会ったりと、楽しい時間を過ごしました。
(久しぶりにセセキ温泉(昔の写真は
こちら)を訪れましたが、今回はおけつを出さず〜)

途中、閉鎖まであと数日に迫った「知床横断道路」の最高地点にある知床峠では、
駐車場に車を止めて外に出てみると、流石にもう完全に真冬の寒さになってました。
「なんか顔、痛っ!痛っ!」と思ったら、小粒な雹(ひょう)が顔面を直撃してまして・・・、
わざわざ日程を繰り上げてまで知床にやってきたのに、ほんま、えらい仕打ちを受けたもんです。
知床のあほんだら〜っ!

最終日、屈斜路湖畔のホテルに宿泊した翌日はようやく快晴になり、
残念ながら今回も「霧の摩周湖」の湖面がはっきりと見えてしまったのですが、
まあそんなことはいいとして、
その日はレンタカーを釧路の営業所に昼の12:00までに返却することになっていました。
なので、摩周湖をAM10時に出発した我々は、
約90km離れた釧路へ向かって、疾風のごとく走り始めました。

多少返却時間に遅れようが、延長料金を払えば何の問題もないんですけど、
まぁなんと言いますか・・・極力払いたくないですやん?(せこっ)

ということで、ゆったりとのどかな時間が流れる北海道の大地で、
の〜〜んびりしようと思ってやってきたのに、
なんなら普段よりも時間に迫られて、こんなに焦って車を走らせる羽目になるとは・・・。
「わし、ものっすごいあほや〜ん」と涙ちょちょぎれそうになりながらも、
車を見ては追い越し、車を見ては追い越しを繰り返して南へ飛ばしました。
(基本的には信号がほとんどないので止まることはない)

しかし途中、見ておきたいところはしっかり見ようと(その辺はわりと冷静)、
広大な牧草地が広がる900草原や、釧路湿原を見渡せる細岡展望台へ寄り道しました。
そして到着するや否や、素敵な景色を「ちら見」だけして、急いで車に乗り込むのでした。
(まるでオリエンテーリングのチェックポイントやがな)

そして、必死で急いだ甲斐もあって、
釧路駅前にあるレンタカーの営業所には12時ちょっと過ぎに到着しました。
車を降りた私は、駆け込むようにカウンターへ向かい、
ちょっと息を切らせて「い、いま戻りました!」と告げました。
すると受付の女性は、何この人慌ててるのかしら?と言わんばかりのものすご〜く冷静な顔で、
「はぃ、お疲れさまでした」とあっさりした返事・・・。

いゃいゃいゃ、こっちは必死の思いで激走90kmを戦ってきたというのに、
そんな拍子抜けの答えを返してくれるとはっ!
思わず「がちょ〜〜ん!!」とかましてしまいそうになりました。

まあまとめると、余裕を持ってスケジュール組みましょうってことですね。
(なんじゃそら)

さて話はがらっと変わってしまうのですが、最近、
歌手の本田美奈子さんが白血病で死去されたというニュースを見ました。
(ご冥福をお祈りします)

今までは有名人が亡くなったと言っても、私からすると結構年輩の、
「あぁそんな人いたなぁ」という方の場合がほとんどだったのですが、
最近は、昔からTVの画面で見ていて馴染みのある人が亡くなるケースが増えてきたように思います。
やっぱり歳を重ねると、段々そうなってくるもんなんですかねぇ。
なんだかちょっとだけ寂しい気がします。

「死ぬ」ということは、まわりの人間にとっては大変悲しいことだと思うのですが、
まぁこんな言い方悪いんですけど、
自分にとっては死んでしまえば何の苦しみも残らないですよね?

では、「まわりの人」にではなくて「自分の身」に何かが起こるとして、
何が起こったら自分は一番不幸だと思うんでしょうか?
何が起こったら自分は辛くて耐えられないと感じるんでしょうか?
最近、そう考える事がしばしばあります。

例えば、いきなり両手を失えばどんなに苦しいだろう?とか、
もしくはいきなり両目を失えばどんなに辛いだろう?とか考えると、
その苦しさや辛さに耐えて、ずっと生き続けられるかな?って思いませんか?
実際に起こってみないとそんなこと想像すらしないかもしれないですけど、
明日、交通事故や傷害事件なんかに巻き込まれて、本当にそうなってしまうかもしれません。

そのときは、すごく辛くて、すごく苦しくて、どうしようもなく悲しい気持ちになって、
そして、少しは死にたくなるんだと思います。

でもきっと、例えどんなことが自分の身に起こったとしても、
自分よりもっと辛くて苦しい思いをしている人がいると思うんですよね。
それでもその人は、自分自身に起こっている現実を正面から受け止めて、
強く何かを信じて、生きようと努力しているんだと思うんですよね。

そう考えると私は、どんなに辛くても、どんなに苦しくても、
自分はもっと前向きに生きないとあかんな〜、と思って頑張れる気がします。
命ある限り、生き続けようと思える気がします。

みなさんはどうでしょうか?
自分に何が起こっても、生きて行く自信がありますか?

・・・なんとな〜く、暗い話題になってしまいました。
晩秋の冷たい風が、微かに私の心を揺さぶってしまったんかな?

さて、風邪が流行ってる季節ですが、みなさん気を付けてくださいね〜。
(そんな私はすでに風邪ひき中・・・泣)

それでは〜!

(Vol.46 おしまい)


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